休眠ユーザーを呼び戻す!アプリのリテンション率という指標とは。

アプリ運営で気になるのが、休眠ユーザー数。ユーザーの新規獲得とともに、利用者を維持できるかどうかも重要課題と感じるアプリ担当者も多いのではないででしょうか。そんな利用者の維持度を理解するのは「リテンション率」という指標になります。
本記事ではアプリのリテンション率という指標について詳しく解説をしていきます。

アプリのリテンション率とは

アプリのリテンション率とは、「アプリを使い続けている人がどれくらいいるのか」という指標です。アプリは特性上どうしてもリテンション率が低くなる傾向があり、リテンション率をKPIにして重点的に対策しているところもあります。
リテンション率を見るには、Google Analyticsのコホート分析を使うことが多いです。初回訪問日ごとにセグメントすることで、リテンション率をチェックできる。まずはアプリのアクセス解析データをチェックできる環境を整え、リテンション状況を把握することが重要です。

アプリのリテンション率が下がる理由

 

アプリの種類にもよるが、他のアプリに移行しやすいというのが大きな理由であると推測されます。多くのジャンルで競合アプリは増えており、後発アプリの方が高機能だったり特典を設けていたりすることも多いためです。

またマクロミル社が2018年3月に行った調査によると、一人当たり平均で23個のアプリをインストールしている。(※1)これだけのアプリを併用していれば、使わなくなるアプリも増えていくことが考えられます。実際「約70%近くのユーザーがインストール後数日で使わなくなる」というデータもあります。(※2)

※1 参考情報:https://webtan.impress.co.jp/n/2018/04/03/28867
※2 詳細は別記事:アプリのアクティブ率アップに必要なのは、コンテンツとユーザビリティ にて紹介。

アプリのクオリティ(コンテンツやユーザビリティ)もリテンション率に影響がああるので、アプリの質を上げるとともに積極的なプロモーションも欠かせない要素です。そこで、アプリのリテンション率アップのための施策を2つ紹介します。

アプリのリテンション率を上げる施策

チュートリアルの制作

2022年にyappliで行った「アプリDL以降のアクティブ率推移調査 アパレル・生活雑貨・スポーツ用品編〜使われ続けるアプリの特徴とは?〜」では、アプリをリリースした後1ヶ月で「アクティブ率上位10アプリ」に入るアプリは、1年後も継続的に上位10アプリであるという調査結果が出ています。ちなみに、ダウンロードしてから1年経過時のアクティブ率は平均13.1%である一方、「アクティブ率上位10アプリ」のみの1年後のアクティブ率は平均36.4% でした。

【2022年度版】アプリDL以降のアクティブ率推移調査 アパレル・生活雑貨・スポーツ用品編 〜使われ続けるアプリの特徴とは?〜

つまり、アプリが継続的にアクティブであるためには、最初の1ヶ月にどのような工夫ができたかが非常に重要になっていることがわかります。
その初回起動時の施策として重要になってくるのが「チュートリアル 」です。アプリのチュートリアルとは、ユーザーが画面を立ち上げた時に一番初めに訴求をするアプリの使い方ガイドです。

Labo Yappli のチュートリアル画面

チュートリアル画面で気をつけるべき内容や、ポイントについてはこちらの記事で紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

アプリのアクティブ率向上に不可欠!チュートリアル制作のコツ

プッシュ通知を工夫する

アプリ利用促進と言えば、まずプッシュ通知を思い浮かべる人も多いでしょう。ただし単なるプッシュ通知ではなく、「ひと工夫」加えるのがポイントになります。Yappliの統計データによれば、「プッシュ通知を休みなく配信しているアプリの方が1年後のリテンション率が高い」という結果が出ています。(※3)

つまりプッシュ通知の内容とともに、配信時期や頻度もリテンション率に影響します。ただしこれは、現在使っているユーザーを休眠させないための対応策。すでに休眠してしまったユーザーには、休眠ユーザーのみに通知するなどセグメントプッシュも考えていきましょう。

※3 参考情報:統計データからみる、EC売上を高めるプッシュ通知の使い方

プッシュ通知については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

プッシュ通知とは?基礎知識やメリット・効果を高める施策を紹介。

アプリ以外の媒体を活用する

プッシュ通知は、ユーザーがプッシュ通知を許諾している必要があります。また長期間休眠しているユーザーの場合、アプリの存在自体を忘れていることも…。そのためアプリとは別の外部広告・媒体から、再度アプローチする方法を考えるべきです。

例えば最近ゲーム系アプリで使われているのが、リテンション広告です。外部アドネットワークで広告配信する際に、休眠ユーザーにセグメントするというものだ。ただしセグメント配信するためには、休眠ユーザーどうか判別するため、アプリ側で事前に効果測定ツールの導入が必要。もちろん広告出稿費用も、予算をおさえておかなければならないのがポイントです。

リテンション広告が難しい場合は、まず自社で取り組めるメールやDM、会報誌といったPR方法も検討したい。会員組織がある場合は、会員向けにアプリの新機能やアプリ限定特典をアピールしましょう。休眠ユーザーのみにクーポンを配布するケースもあるが、あまり休眠ユーザーばかりに特典を付けるのは要注意。現在のユーザーから反感を買うことも。

また自社の別アプリを使ってプロモーションするという方法もあります。2つのアプリを同時に利用すると特典がもらえる、というキャンペーンも想定できる。リテンション広告が厳しい場合は、現在あるチャネルを有効活用する方法を検討していきましょう。

アプリのダウンロード促進施策についてはこちらで紹介しています。

アプリダウンロード促進におすすめな方法8選!ASO対策・ツイッターを活用したプロモーション方法とは?

A/Bテストを実施する

アプリ改善をする中で、複数案が出たときに、どれを優先すべきか迷った場合効果的なのがA/Bテストです。
アプリマーケティングで配信しているプッシュ通知やインストール広告の内容を出し分けて、継続的に結果を見比べ、改善を進めていきましょう。
また、Googleプレイストアではストア画面のA/Bテスト機能があります。こちらもぜひ活用してみてください。

アプリマーケティングにおけるA/Bテストについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

アプリマーケティングの効果をもっと上げるA/Bテスト

リテンション率に気をつけて継続的にアクティブなアプリへ

 

アプリのリテンション率を高く保つことで、顧客がアクティブになり、アプリ経由での売上を上げたり、アクション数を増加させたり、アプリが元々持っていた目的達成に近づけることができます。
アプリを公開したら継続的にリテンション率を見ながら使われるアプリを目指していきましょう。