アプリのアクティブ率向上に不可欠!チュートリアル制作のコツ

アプリ初回起動時に、ユーザーへ使い方などを紹介するチュートリアルやイントロ。海外では「オンボーディング」と呼ばれることも多い。(本来オンボーディングは、ビジネスで新メンバー加入時に手ほどきをするプロセスのことを言う)

海外ではアプリ開発現場でオンボーディングの重要性がすでに認知されていて、オンボーディング制作に特化したツールも登場している。最近では日本でも多くのアプリがチュートリアルの制作に力を入れ始めている。

ただアプリ担当者としては、どんなチュートリアルを作ったらいいかわからないことも多いかもしれない。まずはチュートリアルの基本を把握した上で、アプリの性質に合わせたチュートリアルを検討しよう。

アプリ開発においてチュートリアルが重要な理由とは?

アプリでのチュートリアルは、アクティブ率に影響するという点が大きいだろう。以前の記事「アプリのアクティブ率アップに必要なのは、コンテンツとユーザビリティ」(https://yapp.li/magazine/1999/)で紹介した通り、インストール時100%だったアクティブ率が数日後に30%にまで落ちるというデータもある。つまりスマートフォンアプリでは、初回起動時にユーザーにアプリの使い方や魅力を伝えられるかがカギだ。

またジャストシステム社が2015年に行った調査によると、1か月使わないアプリをアンインストールすると回答した人が約3割もいることがわかっている。

さらにどんなときにアンインストールするか?という問いには「実際に操作してみたときに操作しにくかったとき」という回答が約4割もあった。これは「プッシュ通知が多いとき」「個人情報の入力が必須のとき」という理由よりも上位。アプリのアンインストールを防ぐためには、ユーザーにアプリのメリットや使い方を最初に理解してもらうことが重要課題と言えるだろう。

※出典:https://markezine.jp/article/detail/23191

アプリの種類によってチュートリアルの内容は違う

チュートリアルと言っても、操作方法を説明すればOKとは限らない。実際に多くのアプリを見ると、アプリによってチュートリアルの内容には大きな違いがある。例えばニュースアプリに多いのは、まず関心のあるカテゴリ登録などプロフィール登録画面を載せるケース。

ECアプリでは、クーポンやポイントなどの特典を紹介するのが主流だ。ブランディングを意識した動画を使っているところもある。一方で銀行アプリやビジネスアプリ(メモやストレージサービス)となると、チュートリアルで詳しい操作方法をスライドで紹介するところが多い。

どんな種類のアプリでも共通するのは、初回起動時にプッシュ通知の許諾画面を表示する点。やはりプッシュ通知できるかどうかで、その後のアクティブ率には大きな差が出る。そのためプッシュ通知許諾はどのアプリでも外せないポイントと言える。

アプリのチュートリアルを制作する3つのコツ

(1)ポイントを絞り、内容を増やしすぎない

チュートリアルはアプリを使う前に表示されるため、あまりに長すぎるとユーザーは待たされた気分になる。スライドを使う場合も、原則5枚以内におさめたいところ。ユーザーシナリオを踏まえ、初回にどうしても伝えるべきことに絞り込もう。

またスライドを1枚ずつユーザーが自分で切り替えるのは、意外と手間がかかる。そこで動画などを使って、自動でスライドが切り替わるチュートリアルも増えている。

(2)アプリを使いたくなるような、ワクワク感も出したい

ECアプリがクーポンなどの特典を初回に載せるのは、期待感をユーザーに持たせる効果も狙っている。わかりやすさだけではなく「今すぐアプリを使ってみたい」というモチベーションにつなげることも意識したい。音楽配信アプリの中には、動画などを使って期待感を上げようとするアプリもある。

(3)アプリリリース後も、チュートリアルを適宜見直す

アプリリリース後も、ユーザーの行動を踏まえてチュートリアルの見直しも検討したい。バージョンアップなどで機能を大きく変える場合にも、チュートリアルの改修が必要だ。リリース後であっても、チュートリアルの修正が簡単にできる開発ツールなら安心だろう。