スマートフォン向けアプリには、「ネイティブアプリ」、「Webアプリ」という2種類があるのをご存知でしょうか?
大まかに言えばAppleやGoogleのストアからアプリをダウンロードし、端末へインストールするのが「ネイティブアプリ」。一方ダウンロードは不要で、Webブラウザ上で動くアプリを「Webアプリ」と呼びます。
これからアプリを立ち上げる方は、どちらのアプリを開発すべきか悩むかもしれません。そのため、本記事ではネイティブアプリ、Webアプリとはそもそも何か、それぞれのメリット・デメリット、どちらを開発すべきかについて解説します。
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目次
ネイティブアプリとは
ネイティブアプリとは、スマートフォンやタブレットのホーム画面に、App StoreやGoogle Playなどのアプリケーションストア経由でインストールして使用するアプリのことです。
特定のプラットフォーム専用に開発されているため、カメラやGPS、OSの機能を最大限に活用することができます。ここでいうプラットフォームは、特定のアプリを動作させるための基盤となるOSのことを指します。
初めて利用する際にはダウンロードの手間がかかりますが、それ以降はオフラインで使うことも可能です。アプリを直接デバイスで起動させるため、高速で起動することができます。
webアプリとネイティブアプリの違い
Webアプリとは
Webアプリとは、Webブラウザ上で使われる各種アプリのことを指します。例として、「Gmail」や「Google Docs」など、Googleが提供するサービスが挙げられます。
ブラウザ上で使えるアプリは、業務管理ツールからソーシャルゲームまで広範囲に渡ります。技術的に、従来の静的なWebページが、動的な「アプリ」という形に進化したものといえることから、「Webアプリ」と呼ばれています。
Webアプリについてはこちらの記事で解説しています。こちらも合わせてご覧ください。
Webアプリとネイティブアプリの違い
webアプリとネイティブアプリの違いは下記の4点あります。
・動作する場所
・速度
・手数料の価格
・自由度
特に明確な違いの一つが、動作する場所です。Webアプリは「Web上」、ネイティブアプリは「端末上」で動作を行います。また、Webアプリはネイティブアプリ に比べ動きが遅いため、電子書籍のように操作が単純で、動作スピードを要求されないものに適しています。
Webアプリの最大メリットは「手数料」と「自由度」です。ネイティブアプリのようにApp StoreやGoogle Payなどの特定企業のアプリケーションストアを介さないため、手数料を回避することができます。さらに、アプリケーションストアの審査を受けずに、自由なタイミングでアプリを配信することができます。
アプリとウェブサイトの違いについて気になる方は「アプリ」と「Webサイト」の違いは?-各メリット・デメリットについて- をご覧ください。
ハイブリッドアプリという選択肢も
webアプリ、ネイティブアプリ、のいくつかの特性を組み合わせたハイブリッドアプリと呼ばれるアプリもあります。
ハイブリッドアプリの特徴として下記の3つが挙げられます。
①ネイティブアプリのようにデバイスの機能を利用できる
Webアプリでは利用が難しいスマートフォンのカメラやマイク、各種センサーなどの機能を利用できます。
②マルチプラットフォーム
通常、OSごとに開発言語や開発環境は異なりますが、ハイブリッドアプリでは、各OSで利用できる「WebView」という機能を使って開発ができるため、複数の異なる仕様の機種やOSで同じように動作させることができます。
③WebViewを用いる
WebViewとは、アプリをWebブラウザのように使用するための機能です。ハイブリッドアプリは、WebViewを用いることで、アプリ内でWebサイトを表示できます。
ハイブリッドアプリとネイティブアプリの違いは、その「仕組み」です。ネイティブアプリはアプリで利用する多くのコンテンツをアプリ内に備えていますが、ハイブリッドアプリはWeb上のコンテンツをアプリ内に表示するため、仕組みが大きく異なります。
また、ネイティブアプリはOSごとに開発環境が異なるため、それぞれエンジニアを揃えなければなりませんが、ハイブリッドアプリはマルチプラットフォームに対応しているため、比較的少ない開発環境とエンジニアで開発を行うことが可能です。
ハイブリッドアプリについては ハイブリットアプリとは?基本知識から活用方法までご紹介 で詳しく解説しています。
PWA(プログレッシヴウェブアプリ)の登場
また、新たなアプリの形としてPWA(プログレッシブウェブアプリ)という選択肢も登場しています。
PWA(Progressive Web Apps)プログレッシブウェブアプリは、WebサイトとWebアプリをネイティブアプリのように端末にインストールすることができるアプリのため、「新しいWebアプリのスタイル」といえます。アプリの安定性や体感速度、ユーザーの満足度を高め、最高のパフォーマンスをユーザーに提供することを目的としています。
2015年にGoogleがリリースしたもので、Webアプリでありながら、ネイティブアプリと似た機能が搭載できるというメリットがあります。日本でもポータルサイトを中心にPWAを採用する企業が出始めています。ネイティブアプリとWebアプリの「良いとこどり」ができるため、アプリ開発の形式に迷っている企業の中には、PWAを検討しているケースも多くなってきています。
PWAは、App StoreやGoogle Playなどの「仲介者」が存在しません。よって、大手アプリケーションストアのルールやガイドラインに縛られることなく開発が進められます。準備次第すぐにアプリをリリースできる点が大きな強みです。ユーザーはURLからアプリを起動できるため、時間や手間をかけることなく即座に利用開始できます。
また、共有手段も豊富で、ソーシャルメディア、メール、テキストメッセージ、オンライン広告、QRコードなどで共有することができます。
PWAについてはPWA(Progressive Web Apps)とは?ネイティブアプリ開発との違い で詳しく解説していますので、是非こちらもご覧ください。
ネイティブアプリのメリット
ネイティブアプリには以下の、メリットがあります。
①動作速度が速い
ネイティブアプリの最大のメリットは、動作速度が速いことです。通信環境が悪くても、比較的ストレスなく利用できます。コンテンツの読み込み速度や画面遷移スピードが1秒でも速ければ、ユーザーエクスペリエンスが向上するため、動作速度の速さは非常に重要なポイントです。
②デバイスの機能を利用できる
ネイティブアプリは、デバイス特有の機能を多く利用できる強みがあります。例えば、プッシュ通知やGPSの位置情報、カメラ機能などが挙げられます。その他にも、連絡先の連携や加速度センサーなど、スマートフォンというハードウェアと連携しているからこそ有効活用できる機能が数多くあります。
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③ユーザー導線が強力
ネイティブアプリは、App StoreやGoogle Playなどの大手アプリケーションストアで配布されるため、手数料や審査は必要なものの、強力なユーザー導線を確保することができます。また、ストア内のキーワード検索にてヒットするため、アプリ名を広げる認知施策の効果も影響しやすくことも特徴です。
④継続的な利用が望める
ネイティブアプリは継続的な利用を促しやすい特徴があります。アプリダウンロード完了後は、スマートフォンやタブレットのホーム画面にアプリアイコンを設置できるため、Webアプリに比べ再度アクセスする手間がなくなります。
また、常に目に入る場所に自社ブランドのアイコンがあることによって、強力なアピールが可能になります。ダイエット記録やメッセージアプリなど、日常的に使うサービスを提供する場合は、プッシュ通知でユーザーに利用を促しやすいネイティブアプリが推奨されています。
⑤アプリ内課金を利用できる
アプリ内課金を取り入れる場合は、App StoreやGooglePlayなどのプラットフォームに30%近くの手数料を支払わなければなりません。しかし、アプリ内課金は、ユーザーが予めクレジットカードをストアにて登録しておき、ボタン1つで課金を可能にします。
ネイティブアプリのデメリット
一方で以下のようなデメリットがあります。
①ユーザー獲得のハードルが高い
ネイティブアプリは、GoogleやYahoo経由の集客が見込みにくいデメリットがあります。
ネイティブアプリの新規ユーザーの獲得方法は、App StoreやGooglePlayの検索、広告経由がメインとなるため、1ユーザーあたりの獲得コストが高くなりやすくなります。そこで、アプリダウンロードを促すサイトからの流入を高め、できるだけ広告費を使わない集客施策を行う企業は数多くあります。
また、ブラウザ上で利用できるWebアプリと異なり、ネイティブアプリは利用開始時にダウンロードが必要な点も、ユーザー獲得のハードルを高くしている要因の1つです。
②リリース・アップデートの際に審査がある
ネイティブアプリは、リリースやアップデートを行う際に、アプリケーションストアによる審査を通過しなければなりません。アプリケーションストアが提示する規約を遵守した上で開発されたアプリなら原則問題ありませんが、審査基準はアプリケーションストアによって異なります。
GoogleがAndroid向けに展開する「Google Play」は自由度が高く、Google Play以外からアプリを入手する手段も用意されています。一方「App Store」では、審査期間が約2週間と長いことに加えて、審査が厳しいことでも有名です。しかし、以前は日本のiPhoneユーザー割合が6割を超えていたこともあり、アプリの売上はGoogle Playの約2倍を維持しています。
審査があることはデメリットに感じられますが、大手アプリケーションストアに属すことで、ブランディング効果や安心感を得られるメリットの方が大きいでしょう。
ネイティブアプリ・webアプリ機能比較表
説明してきた内容を踏まえて、以下にメリットデメリットを説明する一覧表を作成しました。
それぞれの機能について検討し、自社に最適なアプリの形を検討する参考にしていただけますと幸いです。
主な特徴 | メリット | デメリット | |
ネイティブアプリ | App StoreやGoogle Playなどのストア経由でダウンロード可能 | ・カメラやGPSなど、デバイスと連動した機能的バリエーションが豊富
・ストアを介して配布されるため質が高くユーザーの目にふれやすい ・動作が速い ・端末のホーム画面にアイコンが作成されるためアクセスが容易 |
・OS毎に開発環境が変わる
・検索エンジンからの集客が見込みにくい ・アプリアップデート時にも審査が必要 |
Webアプリ | Google Chrome、Internet Explorerなどのブラウザ上で使用 | ・アプリケーションストアの審査がないので自由度が高い
・アプリインストールする必要がなくネット環境さえあれば利用可能 ・マルチプラットフォームのため、どのOSでも動作できる |
・ネイティブアプリに比べて動作が重たい
・常にネットに接続されているため、ウイルスや情報流出のリスクがある |
ハイブリッドアプリ | ネイティブアプリとWebアプリの特性を組み合わせたアプリ | ・マルチプラットフォームのため、どのOSでも動作できる
・デバイスの機能が利用可能 |
・ネイティブアプリに比べて動作が重たい
・一部使用できない機能がある ・Web開発に関するスキルが必要 |
PWA | Webサイトでありながらアプリのように操作可能 | ・URLからアプリを起動可能なため、インストールの手間がない
・読み込みが速い ・アプリケーションストアの審査がなく自由度が高い |
・ストアを介さないため、ユーザー獲得が難しい
・制作コストがかかる ・非対応のブラウザがある |
ネイティブアプリとWebアプリ、今後どちらを開発すればいい?
アプリの目的によって違いはありますが、プッシュ機能などいわゆるアプリとしての機能を求めるなら現在ではネイティブアプリ開発に軍配が上がります。
なお開発コストや期間がかかるというネイティブアプリのデメリットについては、ゼロから外部へ開発を委託する場合に起こりがちです。
そこで、クラウド型のアプリプラットフォームを使用し、ノーコードで開発するという手法も検討したいところ。
OSごとにかかる開発コストをおさえたり、テスト期間を短縮したりできる可能性も高くなります。
また、ネイティブアプリはストア経由でダウンロードしてもらうプロセスが必要となりますが、一方でダウンロードというハードルによって、ロイヤリティの高いユーザーに使ってもらえるという考え方もあリマス。Webサイトは広く浅くリーチするチャネル、アプリはロイヤリティの高いユーザー向けチャネルというように、使い分けている企業も出てきています。
自社に最適なアプリはどの形式か検討の上、より良いアプリ形式を選択していきましょう。
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ネイティブアプリの開発でおすすめなのが、スマートフォンアプリの開発実績が豊富な、Yappliです。
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