webアプリケーションとは？制作の流れやメリット・デメリットを基礎から解説。

様々な種類があり、簡単に個人でも作れるようになったWebアプリケーション。実際にどのようなものがwebアプリケーション（webアプリ）と呼ばれているのか、また、個人で開発する場合はどのような言語で開発するのかを本記事で詳しく解説します。

Webアプリケーションとは？

 Webアプリケーションとは、Webブラウザ上で動作するアプリケーションの総称です。
Google ChromeやMicrosoft Edge、Safariといったブラウザを使って表示するため、Webサイトとの違いがわかりにくい面があるかもしれません。まずは、Webアプリのwebサービス・Webサイト・Webシステムなどの違いについて整理していきましょう。

Webサービス、Webサイト、Webシステムとの違い

 WebアプリとWebサービス、Webサイト、Webシステムは、それぞれ指し示しているものが異なります。具体的な違いは、下記のとおりです。

■各種Web関連用語の定義と具体例

ユーザーが日常的に目にする機会が多いのは、主にWebサイトまたはWebアプリケーションです。両者の見分け方としては、文字や画像を中心としたコンテンツの閲覧を目的としているものはWebサイト、ユーザー自身が操作できる高度な機能を備えているものはWebアプリと考えていいでしょう。

アプリとブラウザの違いについてはこちらの記事で解説しています。

アプリとブラウザの違いは？アプリを活用するべき具体的なシーンも紹介
事業を運営する上で、アプリとブラウザの違いは深く理解することが重要です。それぞれの特徴の違いやメリット、展開する事業によってどちらが適しているかを解説します。
 

Webアプリケーションの具体例

 身近にあるWebアプリケーションには、どのようなものがあるのでしょうか。例えば、GmailやYouTubeといったWebアプリケーションには、ユーザーがメールを送受信したり興味のある動画を選んで再生したりできる機能が備わっています。単純にコンテンツを閲覧するだけではなく、ユーザー自身が意図する操作を実行できることがポイントです。

同様に、ネットショッピングが可能なECサイトや、金融機関での入出金などが可能なネットバンキングもWebアプリケーションの一種といえます。

Webアプリケーション開発は初心者でもできるのか？

結論からいうと、初心者でもWebアプリケーションの開発は初心者でも可能です。開発の難度としては、WebアプリケーションであればWebサイトの構築に＋αの知識を加えることで開発に着手できるからです。

もちろん、実現したいアプリケーションの機能によって必要とされる知識・スキルのレベルは大きく変わります。しかし、最低限の骨組みを構築する方法を学び、自分が実現したい機能を肉付けしていくことで開発は可能です。 

Webアプリケーションの制作に必要な準備

ここからは、Webアプリケーションを制作する前に行うべき準備をご紹介します。初めてWebアプリを制作する際には、下記の準備をして効率的に進めましょう。

Webアプリケーションの仕組みを知る

 Webアプリケーションは、大きく分けてフロントエンド（クライアントサイド）とバックエンド（サーバーサイド）の2つの要素で構成されています。

フロントエンドとはユーザーから見える部分のことで、全体の見た目やユーザーが直接操作する範囲を指します。ユーザーが体感する操作性や機能性を大きく左右する重要な要素であり、デザインも含めてユーザー目線で設計・構築することが大切です。

バックエンドとは、ユーザーの操作にもとづいてデータを処理したり保存したりする部分を指します。ユーザーが入力したキーワードに合致する商品をECサイト上に表示したり、会員登録時に入力した情報をデータベースに保存したりするには、バックエンドの仕組みが欠かせません。バックエンドで行われた処理がフロントエンドに反映され、ユーザーの目にわかる形で表示されることで、「アプリが正常に動作した」と認識してもらうことができるのです。

プログラミング言語の概要をつかみ、選択する

 Webアプリケーションの開発には、プログラミング言語を用います。フロントエンドとバックエンドで必要な言語が異なるため、開発に使用するプログラミング言語は最初に決めておかなくてはなりません。

Webアプリケーションで多く利用されているプログラミング言語は、下記のとおりです。

Webアプリケーションでよく利用される言語

・フロントエンド：HTML、CSS、JavaScript　など

上記のうち、HTMLはマークアップ言語、CSSはスタイルシート言語と呼ばれ、正確にはプログラミング言語ではありません。いずれも、Webサイトを構築する際に使用するため、Webデザインの知識があれば知識の転用が可能です。

また、バックエンドに関しては、上記3つをすべて習得する必要はなく、いずれか1つを使えばWebアプリを構築できます。どの言語が習得しやすいかは一概には決められませんが、一般的に初心者にとって学びやすいのは、Web用途に特化されたPHPといわれています。
 

フレームワーク、Webアプリケーション開発ツールを選定する

 Webアプリケーションを開発する際には、あらかじめ用意された機能を組み合わせる手法が多く用いられます。よく使われる機能をパッケージした「フレームワーク」を組み合わせることで、より簡単にWebアプリを構築できるのです。

フレームワークは開発言語と紐付いているため、先に選定したプログラミング言語に合わせて代表的なフレームワークを選ぶことになることが多いです。代表的なフレームワークは下記のとおりです。

代表的なフレームワーク

・AngularJS：JavaScript用のフレームワーク

・CakePHP：PHP用のフレームワーク

・Ruby on Rails：Ruby用のフレームワーク

・Django：Python用のフレームワーク

さらに、開発は一人で行うとは限りません。チームで効率良く開発を進めるには、開発ツールを活用するのが一般的です。一例として、下記のようなツールを選定するといいでしょう。

開発ツールの例

・Cacoo：Webアプリの仕様書や画面遷移図の作成に役立つ作図共有ツール

・SourceTree：プログラムの変更履歴を視覚的にわかりやすく表示するためのツール

・GitHub：プログラムの変更履歴をチーム内で共有するためのツール

Webアプリケーションのメリット

アプリをユーザーに配布する必要がない

 WebアプリケーションはWebサイトと同様、URLにアクセスしてブラウザに表示させれば、すぐに利用を開始できます。サーバーにWebアプリケーションを公開した瞬間からアクセスでき、ユーザー側もすぐに利用を始められるのはWebアプリケーションのメリットといえます。

サーバーで一元管理＆すぐ更新できる

 Webアプリケーションは、サーバーで一元管理することができます。アプリケーションを修正したい場合やバージョンアップを行いたい場合も、サーバー上のプログラムを更新するだけで済むのです。