ROASとは?アプリマーケの効果測定に必要な3つの指標(CPA・CPI・ROAS)の使い分け方

アプリ広告市場は急速に伸びており、サイバーエージェントの調査によれば国内のインフィード広告の1/4がアプリマーケティング目的の広告となっている(※)。アプリ広告と言えば、ゲームアプリなど課金型アプリが使うというイメージが強いかもしれない。しかし現在では、業界を問わずアプリ広告を活用するケースも多い。競合するアプリが増える中、自然流入からのダウンロードだけでは厳しいという現状が背景にある。

アプリ広告を考える上で、外せないのが広告の費用対効果。アプリ広告の費用対効果を見る指標としては、CPA・CPI、そしてROASという3種類ある。それぞれの指標を正しく理解し、使い分けることが重要だ。

※出典:「2017年のインフィード広告市場、前年比36%増の1,903億円に【サイバーエージェント調べ】」(Web担当者Forum)https://webtan.impress.co.jp/n/2018/02/23/28461

Web広告でのCPAが、アプリマーケティングではCPIと呼ばれる

Web広告で費用対効果を見る指標として、よく使われるのがCPA(Cost Per Acquisition)。CPAは1コンバージョン当たりの獲得単価を意味する。サイトによって異なるが、購入や会員登録などをコンバージョンとみなすのが一般的だ。

CPAの計算式:かかった広告コスト÷獲得コンバージョン数

アプリのインストール広告では、インストールをコンバージョンと見なすのが基本となる。そこでCPAの代わりにCPI(Cost Per Install)と表現をすることが多い。

CPIの計算式:かかった広告コスト÷アプリインストール数

例えば、1,000件のインストールがあり、ある媒体の広告費が50万円だったとすると次のような計算になる。

50万円÷1,000=500円

この500円が、獲得インストール1件当たりの広告コスト、つまりCPIだ。

アプリインストール広告を複数の媒体で実施している場合、CPI(CPA)を比較することでどの広告の費用対効果が高いかがわかる。

ROASは売上ベースで見る費用対効果の指標

CPI(CPA)がインストール数をベースにするのに対して、アプリの利用からの売上をベースに考えるのがROAS(Return On Advertising Spend)。つまり、かかった広告コストがどれほど売上につながっているかを見るための指標で、「広告費の回収率」とも言われる。

ROASの計算式:アプリによる売上高÷かかった広告コスト×100(%)

CPI(CPA)ではインストールまでしか追えないが、ROASではインストールしたユーザーがその後売上につながったかどうかまで把握できる点が大きな違いだ。ECアプリや課金型アプリなど売上に直結するアプリのマーケティングでは、ROASをもとにどの広告の効果が高いか判断することもある。

ROIとROASとの違いとは

ところで、ここまで読んだ読者の中には、投資額に対してどれだけの利益を生み出したかを知るための指標であるROI(投資利益率)を思い浮かべた方もいるかもしれない。ROIとROASは何が違うのだろうか?

まずROIについて復習しよう。ROI算出のためには、まず得た利益(Return)を算出する必要があるが、その式は「売上-売上原価-投資額」となる。そして、この算定された「利益」をもう一度「投資額」で割ったものがROIだ。式で表すと次のようになる。

ROIの計算式:(売上-売上原価-投資額)÷投資額×100(%)

具体的な数値を代入してみよう。アプリによる売上高が100万円、その売上原価が50万円、投資が広告費で20万円だったとすると計算結果は次のとおりになる。

(100万円-50万円-20万円)÷20万円×100=150%

このケースでは、広告費という投資額に対して150%(1.5倍)の利益があったことになる。ROIがもし100%未満ならば、利益が投資額を下回ってしまったことになるので「投資は失敗だったかもしれない」という判定になる。

これに対して、先ほどのROASは広告の結果として発生した売上を、それに投下した広告費というコストで割ったものになる。広告を打った結果の売上が100万円だったとして、その広告費(コスト)が20万円だった場合、次のようにROASが求められる。

100万円÷20万円×100=500%

つまり広告費に対して500%(5倍)の売上があったと見ることができるわけだ。

ROIが最終利益に対する投資の効果・効率を計算するのに対し、ROASは利益ではなく売上規模と広告費の関係を示している。ほとんどの場合で広告費より売上の方が大きくなるので、ROASだけでは投資として成功だったどうかの判定が難しい。なぜならば、ROASには商品等の原価も含まれているため、最終的な利益の大きさがわからないからだ。100万円の売上から広告費の10万円を引き、さらに販売商品の原価も引いたら利益が広告費を下回ってしまった、などということもありうる。投資対効果とが知りたいのであれば、ROIを算出することをおすすめする。

まとめ

ROASはアプリ広告だけではなく、キャンペーンなどプロモーションの要素も大きく影響する。ROASを改善するためには、広告の見直しと並行してプロモーションについても検討すべきだ。

なお、企業の公式アプリやブランディング目的のアプリでは、必ずしも売上と直結しないケースも多いためROASを出すことが難しい。この場合はCPI(CPA)とあわせアクティブ率(DAU)などを合わせてみるという方法もある。

いずれにしても最近のアプリマーケティングではCPI(CPA)もKPIとしておさえつつ、インストール後の効果も見るべき、というスタンスが主流。そのためには普段からCPI(CPA)やROASなどの指標を把握できることが必須だろう。つまりCPIやROASなど広告効果を測定できるツールの導入を検討しているかどうかで、アプリマーケティングに差がつくと言えそうだ。