ECアプリの基礎知識。ファンとの接点を増やし、売上を向上させる方法とは?

ECアプリとは、スマートフォン上にダウンロードして使用してもらう、EC販促用のアプリです。プッシュ通知によって再来訪を促せるなどECサイトを運営する企業側にとってメリットの多いECアプリは、モバイルに最適化されたUI・操作性を理由に、消費者側からも多くの支持を集めています。その結果、EC売上に占めるアプリの比率が近年はますます高まり、顧客との身近な接点として、もはや欠かせない存在になっています。

この記事では、ECアプリの基礎知識について徹底解説します。

いまECアプリが必要とされている3つの理由

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

当社ヤプリが実施した調査によると、ここ数年で急速にデジタル上の顧客接点を用意した企業が増え、アプリの市場は右肩上がりで成長しています。なかでも、ECアプリが占める比率が15.5%(2016年)から23.7%(2020年)へと増加。ECサイトのアプリ化が大きなトレンドとなっています。

では、なぜここまでECアプリが注目されているのでしょうか? 背景にある3つの理由を見ていきましょう。

スマートフォンの完全普及

総務省の「情報通信機器の保有状況(令和2年版)」によれば、世帯におけるスマートフォンの保有割合は8割を超え、年代性別を問わず多くの人にとって最も身近なデジタルデバイスとなりました。その結果、ECサイトを訪れるユーザーの多くが、PCではなくスマートフォンからアクセスするようになったのです。

もちろん、スマートフォンのブラウザからECサイトへアクセスすることは可能です。しかし、のちに詳しく解説しますが、ブラウザ上で表示するウェブサイトと、スマートフォンにダウンロードして使用するアプリでは、一見見た目はほとんど同じでも、滞在時間や購入額といったユーザーの行動が大きく変わることが数字で明らかになっています。このような状況に対応するために、各社がECアプリへ力を入れているのです。

自社ECサイトへの集客手段不足

大手のECモールに出店していた企業が、自前でECサイトを用意し、出店コストを抑えながら自社商品を販売するケースが増えています。ところが、自社ECへの集客手段には各社課題を感じています。モールの集客力に頼らずに自社商品を認知してもらうために、ECアプリという新たな顧客接点が注目されているのです。また、自社EC×アプリの組み合わせによって、価格競争から抜け出し、ブランドイメージをコントロールすることも可能になります。

客数よりも購入頻度

ECビジネスに限りませんが、売上は「客数」「客単価」「購入頻度」の掛け合わせとなります。EC市場の競争が激化した現在、広告コストが上昇し、新規顧客獲得による「客数」増加の施策はどんどん難しくなっています。そこで、既存顧客の「購入頻度」を増やすことにより、売上を確保する施策が重要になっています。

ロイヤリティの高いユーザーへの購入特典や、物流の改善による顧客体験工場など、ECの購入頻度向上の手段は様々ですが、ECアプリもまた、購入頻度アップに大きな効果を発揮します。顧客がアプリをダウンロードしてくれれば、スマートフォンのホーム画面に自社ブランドのアイコンが表示され、常に商品・ブランドを想起させることが可能になります。また、プッシュ通知からワンタップで見たい情報にアクセスできるため、購入の機会を増加させることができるのです。

以上のような背景から、多くの企業がECアプリを必要としているのです。つぎの項目では、ECアプリのメリットについて詳しく見ていきましょう。

ECアプリのメリット

ECアプリを導入することで、企業にはどのようなメリットがあるのか、3つの視点から具体的に解説します。

1.購入率が上がる

ECアプリは、ブラウザと比較しても表示が素早く、サクサクとした操作性が魅力です。快適なUIが購入体験を向上させるため、ECサイトの商品閲覧、選択、カート追加、購入まで、すべてのステップでウェブサイトを上回るパフォーマンスを発揮します。

ウェブサイトとアプリを数字で比較した調査結果を下記のホワイトペーパー(無料)にまとめていますので、興味のある方はご一読ください。
数字で考えるアプリ導入の効果<EC編>

2.再来訪につながる

ECアプリの最大の武器が、プッシュ通知。キャンペーン情報、新商品、セール告知など、掲載するコンテンツは様々ですが、プッシュ通知はメルマガの3倍のリーチ効果があるとも言われ、前述のように購入頻度を向上させることが可能です。ECサイトを運営していて、「以前よりもメルマガの効果が落ちている」と感じている場合は、プッシュ通知によって顧客へ連絡する手段を確保できるのは、大きなメリットとなるでしょう。プッシュ通知はアプリを起動していない状態でも通知が届くため、非アクティブ会員をアクティブ化する手段としても効果的です。

プッシュ通知について、より詳しく知りたい方は下記の記事がおすすめです。

プッシュ通知の基礎知識。アプリの効果を最大化するプッシュ通知3つのメリット

3.ファンが増える

商品を買おうと考えたとき、何か欲しい商品がないかと顧客が思ったときに、スマートフォンのホーム画面にアイコンという「ECサイトへの入り口」があることは、大きなアドバンテージになります。アプリのデザインでブランドの世界観を体現し、エンゲージメント向上を目指します。

なお、SNSが新規顧客とファンの中間層へのリーチを得意とするのに対し、アプリは「コアなファン」との関係構築に効果的。SNSとアプリのどちらかを選ぶのではなく、目的によって使い分けられると良さそうです。

ECアプリのデメリット

ここまでECアプリの良い面にだけ着目してきましたが、デメリットも存在します。ECアプリ導入を検討する際には、これらのデメリットにも目を向けたうえで、対策を検討する必要があるでしょう。

1.ダウンロードしてもらう必要がある

ユーザーがアプリを使用するためには、アプリストアからダウンロードする必要があります。アプリの大きなハードルは、このダウンロードの一手間にあります。アプリのダウンロードを促す方法については、のちほどご説明します。

2.開発コストがかかる

無料でアカウントを開設できるSNSとは異なり、ECアプリの開発には一定のコストがかかります。コストに見合う売上貢献を実現できる見込みが立たなければ、社内稟議は通らないでしょうし、アプリリリース後にクローズする結果になってしまう可能性もあります。

なお、アプリ開発のコストは、他のITシステムと同様に「システム投資」と捉えるよりも、「販促・マーケティング投資」と考える方がふさわしいと言えます。ECサイトの売上向上のために、広告出稿にコストを割いているはずです。広告は、運用をやめた途端に露出が減ってしまいますが、アプリをダウンロードしたユーザーは、継続的にコミュニケーションをとることができるため、長期的にROIが高くなるのです。

3.保守・運用も大変

ECアプリは、ECシステム同様に、開発後に保守・運用の作業、コストが発生します。スマートフォンのOSがアップデートした場合はそれに対応する必要がありますし、ユーザーの利便性を向上させるために機能改修も行うことになるでしょう。また、プッシュ通知の送付や、アプリオリジナルの販促キャンペーンにも時間を割くことになります。ECサイトの運営業務に追加して、これらの工数を割くことができるのかあらかじめ考える必要があるのです。

アプリ担当者の運用工数、月間予算、社内体制などについて知りたい方には、下記のホワイトペーパー(無料)がおすすめです。

アプリ担当者の「働き方」実態調査 2020年版(全21p)

ECアプリの導入を社内で検討する際は、これらのメリット・デメリットを総合的に判断して検討する必要があります。

代表的なECアプリとは?

「月刊ネット販売」による調査結果「ネット販売白書」(2020年度版)で紹介されている売上高ランキング上位30社について、ヤプリがアプリの有無を調査したところ、30社中26社がECアプリを導入していることがわかりました(2021年10月11日現在)。

EC企業がアプリを開発することが当たり前になっていることがわかりますし、ユーザーもアプリでショッピングを行うのが普通になっているはずです。例えばAmazon、ZOZOTOWN、ユニクロなどのECアプリは、読者のみなさんも利用されたことがあるのではないでしょうか?

では、ECアプリはこれらの大企業にしか利用できないのでしょうか? 開発コストもそれなりにかかることから、大手ECサイト以外にはアプリ運用が難しいとの声もありますが、実態はどうなっているのか、次のグラフをご覧ください。

「O2O」は店舗集客機能を持つアプリ、「オムニ」はオムニチャネルの略で、店舗集客とECの機能を持つアプリを指します。これらに比べ、ECアプリの1アプリあたり平均ダウンロード数は、48,000と低い傾向にあることがわかります。この規模のダウンロード数でも、十分に結果を出せることから、ECアプリが支持されているのです。

ECアプリ開発にかかる費用

それでは、アプリに投資するべきかどうかを判断するために、ECアプリ開発にかかる費用について目安を見ていきましょう。実は、アプリ開発の費用は、その開発手法によって大きく変動します。

まず、「スクラッチ開発」という手法で開発した場合、1,000万円〜1500万円という費用感になることが多いです。スクラッチ開発とは、すべての機能を一からエンジニアが開発する手法で、自社の要件に従って自由にアプリを作り込むことができます。すべてがオリジナルなので、その分開発工数がかかるため、どうしても金額が高くなります。

一方、「クラウド型開発」という手法の場合、数十万〜数百万ほどでECをアプリ化することが可能です。クラウド型とは、すでに開発が終わった機能を組み合わせてアプリをつくる手法です。ECアプリに必要な機能は需要が多いため、すでに開発が完了したモジュールも多く、それらを裏側で組み合わせることでコストを抑えることが可能になります。その上で、デザインもある程度汎用的なものにするか、自社のブランドの世界観を大切にしてデザインはオリジナルなものを目指すかで、金額に幅が生まれます。その他、ポイントシステムやMAなどの外部データベースとの連携有無によっても金額が左右されます。

アプリ開発の費用について、より詳しく知りたい方には下記の記事がおすすめです。

アプリ開発に必要な費用はいくら?見落としがちな維持費や、コストを削減する方法も紹介

ECアプリを成功させる方法

ECアプリは、開発してリリースしてからが本番です。ここでは、ECビジネスに大きなインパクトを出すために必要なことを解説します。

ダウンロード施策を行う

前述のように、ECアプリには「ダウンロードしてもらう」というハードルがあります。アプリをダウンロードするのは、自社商品・サービスの「ファン」なので、ファンに向けて適切にアプリの存在を告知しましょう。ECサイト内にバナーを設置したり、SNS上で告知するなど、予算をかけずともダウンロード数を伸ばす方法はあります。その際、DL特典や、アプリユーザー限定のクーポンのようなインセンティブを用意すると効果的です。

なお、最終的なECアプリの達成目標は売上になりますが、アプリリリース直後のKPIとしては、ダウンロード数に重きを置くのがおすすめです。ダウンロード数はアプリ運用の土台となる仕様なので、まずはこの数字が順調に伸びているかモニタリングを行います。目安は、自社のメルマガ会員を上回ってくると、成功と言えるでしょう。

購入と結びつけるためのコンテンツを用意

アプリ内には、ECサイトを表示する機能以外にも、スタッフのコーディネートを紹介する機能や、動画を配信する機能を実装することができます。これらのコンテンツから、購入ページへと導線を貼り、顧客が情報収集から購入へとシームレスに移行できるようにすることが大切です。例えば、あるスポーツメーカーでは、トレーニング動画内でトレーナーが着用しているウェアを視聴後に購入できる導線を設置するといった工夫を施しています。

プッシュ通知に力をかける

プッシュ通知には大きな集客力があります。例えば時間限定のタイムセールの案内をプッシュ通知で送ると、リアルタイムに反応が感じられることでしょう。アプリの運用の中で、プッシュ通知の企画に注力するのは、成果につながりやすいと言えます。プッシュ通知の開封率や、クーポンの利用率をデータで分析し、常にPDCAを回していくのも大切です。

まとめ

ECアプリについての理解が深まったでしょうか? 本メディアを運営する株式会社ヤプリは、スマートフォンアプリの開発・運用・分析をオールインワンで提供するアプリプラットフォーム「Yappli」を提供しており、ECアプリの導入実績も豊富です。

ノーコード(プログラミング不要)のクラウド型なので、開発期間・コストを抑えながら、高品質なECアプリの開発が可能です。社内にアプリ専任のデザイナーがいるので、デザインの自由度も高く、ブランドの世界観を反映したアプリ開発が可能です。

iOS/Androidの両OSアップデートに無償対応し、「ECアプリのダウンロードが伸び悩んでいる」「よりECアプリで成果を出したい」というお悩みにも、カスタマーサクセスチームがサポートいたします。

本記事をお読みになって、ECアプリ開発に興味を持たれた場合は、ぜひ一度、ヤプリまで資料請求してください。

また、ECアプリについて更に理解を深めたい場合は、下記のホワイトペーパー(無料)をダウンロードしてください。

数字で考えるアプリ導入の効果<EC編>