コンテンツマーケティングとは? 基礎からまるっと簡単に解説

近年、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組んでいます。注目を集めている理由は、メリットを得られるからにほかなりませんが、少なからずデメリットもあるため注意が必要です。本記事では、コンテンツマーケティングのメリット・デメリット、成功へ導くポイントなどを解説します。

目次

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、テキストや画像、動画などのコンテンツを用いたマーケティング手法です。ユーザーにとって有益なコンテンツ、求める情報を提供し、顧客の獲得や育成、リピーター化につなげます。 コンテンツをユーザーへ届ける手段もさまざまです。たとえば、ホワイトペーパーやメルマガ、オウンドメディア、SNS、自社サイト、オフラインでのイベントなどが挙げられます。 コンテンツマーケティングは、顧客の状況、状態にあわせてコンテンツを提供する点も特徴です。まだ自社商品やサービスについて知らない方、検討段階にある方、見込み客、リピーターなど、そのときどきの心理状況、状態を見極めたうえで適切なコンテンツを提供します。 従来のマーケティングとの大きな違いは、自社商品やサービスの直接的な売り込みをしない点です。直接的な売り込みをせず、顧客が真に求める情報、役に立つコンテンツを提供することで、自社に愛着を抱いてもらいファン化へとつなげます。

コンテンツSEOとの違い

コンテンツマーケティングと混同される手法のひとつに、コンテンツSEOが挙げられます。コンテンツSEOはSEO(検索エンジン最適化)の一種であり、多彩なコンテンツを活用して検索エンジンからの流入を増やす施策です。 Googleのアルゴリズムは年々進化しており、近年では良質なコンテンツが高く評価されるようになりました。従来のように、ただ被リンクを増やしたり、不自然にキーワードを詰め込んだりするだけではアクセスを増やすことはできません。 コンテンツSEOでは、ユーザーがどのような意図でそのキーワードを用いて検索しているのか分析を行い、そのうえで適切なコンテンツを提供し自然流入を増やします。ただ、コンテンツマーケティングと完全に切り離されているわけではなく、コンテンツマーケティングという大きな輪の中にコンテンツSEOが含まれているイメージです。

コンテンツマーケティングが注目される理由

近年では、多くの企業や団体がコンテンツマーケティングに力を入れています。理由としては、インターネット広告費用の高騰や消費者行動の変化、一方的な売り込みに対するユーザーの疲弊、SEOに有効といった点が挙げられます。

インターネット広告が高騰している

インターネット広告は、即効性が高いWebマーケティングの一種です。ブランディングや販促に有効な手法であり、ターゲティングのしやすさや効果測定が可能な点などが魅力です。 現在でもWebマーケティングにおいて主流の手法ではあるものの、広告費用は上がりつつあります。特に、入札方式を採用している広告では、競合の多い商品やサービス、業種の広告費用は高騰します。 費用が高くとも、多くのユーザーがクリックしてくれればよいのですが、そううまくはいきません。インターネット広告を利用する個人や企業が年々増え、現在ではあらゆるウェブ媒体において多くの広告が溢れかえっています。広告をうっとうしい、邪魔と感じるユーザーも多く、従来よりも費用対効果が悪くなったため、コンテンツマーケティングに注目が集まっています。

消費行動が変化してきている

ここ20年近くのあいだに、人々を取り巻く環境は大きく変化しました。従来は、企業や団体から一方的に情報を与えられるだけだった人々が、現在では自らさまざまな情報を取得できる時代になっています。 インターネットやモバイル端末の普及によって、人々は容易にあらゆる情報を取得できるようになりました。気になる商品やサービスがあれば、スマートフォンでWeb検索をする、SNSでリサーチするなど、能動的な消費行動へと変わっています。 このような時代であるからこそ、企業はユーザーの心理や思考、行動を分析し、真に求める情報を提供しなくてはなりません。

一方的な売り込みではないユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツ

テレビCMにDM、インターネット広告、SNS広告など、世の中にはさまざまな広告や販促ツールが溢れかえっています。明らかに商品やサービスを売りたい、といった意図が透けて見えるこれらの広告に、多くのユーザーが辟易しています。 一方的な売り込みにうんざりしているユーザーに対し、いくら広告を表示しても成果は見込めません。メルマガを送っても無視され、ポップアップ広告も即閉じられるといったことは往々にしてよくあります。ユーザーに嫌われ成果が見込めない広告を延々と出稿し続けるのは、コストの無駄でしかありません。 このような状況で企業が顧客を獲得するには、ユーザーが有益と感じられる、もしくは心から求める情報を提供する必要があります。だからこそ、コンテンツマーケティングのような手法に注目が集まっています。

ユーザーにとって有益なコンテンツが検索上位になりやすい

Webを用いた集客にSEOは欠かせません。魅力的な自社サイトを運営していても、特定のキーワードで検索されたとき上位表示されなければアクセスは増えず、顧客獲得にもつながりません。 従来は、さまざまな小手先のテクニックを駆使して上位表示が狙えました。被リンクの増加や隠しテキスト、ワードサラダと呼ばれる不自然なキーワードの羅列などです。しかし、Googleのアルゴリズムはどんどん進化を続け、現在ではこのような手法で検索上位を狙うのはほぼ不可能です。 現在のGoogleは、ユーザーにとって有益なコンテンツか、良質な情報かどうかを評価しています。アクセスユーザーの役に立つ良質なコンテンツであれば、Googleから高く評価してもらえ、上位表示を狙えます。自然流入を増やし顧客獲得へつなげるには、高品質なコンテンツの作成と提供が不可欠です。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングへ取り組む前に、どのようなメリットがあるのかを把握しておきましょう。代表的なメリットとしては、低コストで始められる、コンテンツが資産になる、顧客ニーズ情報の蓄積、SNSによる拡散、ブランディングの実現などが挙げられます。

低コストで始められる

コンテンツマーケティングは低コストで取り組めます。自社のターゲット層や既存顧客をきちんと分析し、どのような情報を求めているのか把握さえしておけば、自社で良質なコンテンツを作成できます。 たとえば、ブログサイトへの投稿です。ユーザーが求める情報をブログで発信すれば、そこから新たな顧客やファンの獲得につながります。現在では、WordPressのような高機能かつ無料で利用できるサービスもあるため、コストを抑えて有益な情報の発信が可能です。 記事を書いて投稿するだけであれば、外注することなく内製化できます。記事の作成とブログ運営の担当者を決めておけば、あとは定期的に情報発信するだけなので大きな費用はかかりません。クリック単価が高額になるインターネット広告と比べれば、コンテンツマーケティングは低コストで取り組めます。

コンテンツが資産になる

作成したコンテンツを、自社の資産として活用できる点もメリットです。リスティング広告やSNS広告などは即効性が期待できるものの、短期的な露出で終了するため資産にはなりません。一方、作成したコンテンツは自社の資産として蓄積され、残っていくため中長期的に活用できます。 良質なコンテンツがどんどん蓄積されれば、さまざまなキーワードが内包されるため、多様な層の流入が見込めます。何らかの事情で記事の作成が難しい状況に陥ったとしても、これまで蓄積してきた資産があるため、いきなり状況が暗転することはありません。 ただ、コンテンツを資産として中長期的に活用するため、無料ブログサービスなどの利用は控えたほうがよいでしょう。無料ブログは、ある日突然サービスが終了するといったことも起こり得ます。そうなると、蓄積してきた資産も一瞬で失いかねません。ブログ、オウンドメディアの運営を検討するのなら、有料サービスや信頼性の高いサービスなどを利用したほうがよいでしょう。

顧客ニーズの情報を蓄積できる

コンテンツマーケティングによって、顧客ニーズの情報を蓄積できる点もメリットです。自社サイトやオウンドメディアに訪れたユーザーが、どのようなコンテンツに興味をもっているのか、サイト内でどういったアクションを起こしているのかといったことを分析でき、次回の施策につなげられます。 たとえば、アクセス解析ツールを活用すれば、ユーザーがどこから流入したのか、アクセスに使用した端末は何なのかといったことを把握できます。流入経路が分かれば、分析を進めその経路にマッチしたコンテンツを作成する、といったことが可能です。 ヒートマップツールの利用も有効です。ヒートマップツールとは、アクセスユーザーがサイト上でどのような動きをしたのか可視化できるツールで、サイトやコンテンツの改善に役立ちます。

SNSで拡散される

あからさまに売り込み臭の強い広告などが、SNS上で拡散される確率は高くありません。拡散されるとすれば、「しつこい広告」としてネガティブなワードとともに拡散されるケースです。

一方、コンテンツマーケティングでは、ユーザーにとって有益なコンテンツを配信するという前提があるため、「役に立った」と感じたユーザーがSNSで拡散してくれる可能性があります。 TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSで一人のユーザーが拡散してくれると、そこから多方面へどんどん広がるケースも珍しくありません。その結果、自社とまったく接点がないユーザーにもコンテンツが届き、結果的に新規顧客、ファンの獲得につながる可能性があります。 戦略的に拡散を狙うのであれば、SNSごとのメインユーザー層を理解し、そのうえで良質かつ興味を引けるコンテンツを作成するのも重要です。

ブランディングになる

「ためになった」「有益だった」と感じられるコンテンツを提供し続ければ、自社のファンになってくれるユーザーが現れます。コンテンツ配信の継続により知名度が高まるのはもちろん、「顧客や消費者のことを考えてくれる親切な会社」といった印象を与えられ、イメージアップにつながる点がメリットです。 自社のイメージがアップすれば、気になって自社サイトへアクセスしたり、試しに商品、サービスを購入したりといった方も現れるでしょう。その結果、自社の利益拡大につながります。 また、継続的なコンテンツの発信によって、顧客ロイヤリティの向上につながる点もメリットです。ロイヤリティとは、愛着や信頼を意味する言葉です。ユーザーに役立つ良質なコンテンツを継続的に発信すれば、自社に愛着を抱いてもらいやすくなり、末永くリピーターとして商品やサービスを購入してもらえる可能性が高まります。

コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングには、数々のメリットがある一方で、いくつかデメリットも存在します。デメリットとしては、成果が出るまでに時間がかかる、定期的なメンテナンスが必要の2点が挙げられます。

成果が出るまでの期間が長い

基本的に、コンテンツマーケティングは中長期的な視点で取り組む施策です。インターネット広告のような即効性は期待できないため、腰を据えて取り組まなくてはなりません。 良質なコンテンツを作成、発信してもそれがすぐGoogleから高く評価されるわけではありません。しばらくのあいだはアクセスがなかなか増えず、成果を実感できない日が続きます。 成果を実感できないからといって、すぐに施策を中止してしまうのは悪手です。良質なコンテンツを量産、発信し続けていけば、自社の資産として蓄積されます。少しずつ成果に表れると考えられるため、短期的な成果は得られないことを前提に、中長期的な視点をもってじっくり取り組みましょう。

定期的なメンテナンスが必要

コンテンツを提供したらそこでお終い、ではありません。ユーザーのリアクションを分析しつつ、必要に応じて見直しや改善が求められます。定期的な効果検証と分析を行いつつ、コンテンツのアップデートを繰り返しましょう。 自社では、ユーザーの役に立つ有益な情報と考えていても、ユーザーはそう思っていないかもしれません。ニーズを把握しきれておらず、的外れなコンテンツを延々と垂れ流してしまうケースも考えられます。これは時間とコストの無駄なので、このような状況に陥らぬよう注意が必要です。

コンテンツマーケティングを展開するトリプルメディア

本格的にコンテンツマーケティングへ取り組む前に、トリプルメディアについて理解を深めておきましょう。トリプルメディアとは、企業とユーザーの接点となるメディアを3つに分けたもので、オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアが該当します。 なお、トリプルメディアについての詳しい情報は以下の記事に記載されています。

今さら聞けない”トリプルメディア”の定義や事例までわかりやすく解説!

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社が所有しているメディアです。自社で運営しているSNSのアカウントやメルマガ、コーポレートサイト、ブログなどが挙げられます。 オウンドメディアの役割は、自社からユーザーに向けての情報発信です。ブログでユーザーの悩みや課題の解決につながるヒントを提供する、メルマガで顧客が求めていそうな新サービスの情報を発信する、といった活用が考えられます。 オウンドメディア運営で大切なポイントは、ユーザーのニーズを正確に把握することです。ニーズにあわせたコンテンツを発信しなければならないため、このフェーズは必須です。また、短期的に読まれるコンテンツではなく、長期にわたり読んでもらえるような記事の作成を心がけましょう。

ペイドメディア

ペイドメディアとは、発信するのにコストがかかるメディアです。テレビCMやリスティング広告、バナー広告などのWeb広告、雑誌などが代表的です。ペイドメディアを利用すれば、より多くのユーザーへ情報を届けられます。たとえば、テレビCMであれば不特定多数のユーザーへ情報を届けられるため、自社とまったく接点がない層へもアプローチできます。 一方、多大な広告費が発生する点に注意が必要です。どのメディアを利用するかにもよるものの、初期費用やランニングコストが発生します。そのため、ペイドメディアの活用においては自社の資金力や利用できる予算の範囲なども考えておかねばなりません。 ユーザーに嫌われるリスクがあることも覚えておきましょう。ペイドメディアは、企業側からユーザーへ一方的に情報を送りつける手法です。情報をまったく求めていない層にも届くため、「しつこい」といったネガティブな印象を与えてしまうおそれがあります。

アーンドメディア

アーンドメディアとは、企業ではないユーザーが発信するメディアです。ユーザーが運営しているSNSやブログ、口コミなどが挙げられます。 アーンドメディアをうまく活用できれば、企業や商品、サービスの認知度アップ、イメージの向上といった効果を狙えます。真に有益なコンテンツであれば、ユーザーが積極的に情報を拡散し、さまざまな層にコンテンツを見てもらえる点が魅力です。 また、ユーザーとコミュニケーションがとれる点もメリットです。SNS上でやり取りを行うことで、信頼してもらえたり、組織への愛着を抱いてもらえたりといった効果が期待できます。 一方、情報をコントロールできない点には注意が必要です。ユーザーが利用しているアーンドメディアは企業側の支配下にはなく、情報をコントロールできません。そのため、コンテンツを読んで不快な気持ちになったユーザーが、企業や商品に対するネガティブな情報を発信する、といった事態に陥るケースも考えられます。

コンテンツマーケティングを進める手順

コンテンツマーケティングをやみくもに取り組むのは、時間とコストを無駄にするためおすすめできません。成果につながるコンテンツマーケティングとなるよう、正しい手順を把握しておきましょう。

【手順1】目標設定

まずすべきは目標設定です。コンテンツマーケティングで何を成し遂げたいのか、どういった目的、目標を達成したいのかを決めるフェーズです。目的や目標によって、取り組むべき施策や進め方などが変わってくるため、じっくりと時間をかけて設定しましょう。 たとえば、商品の認知度を高めたい、売上を拡大させたい、リピーターを増やしたいなどが考えられます。目的や目標によって、コンテンツの内容はもちろん、ベストな配信の手法も変化するため注意が必要です。 KPIも設定しておきましょう。KPIとは、最終的な目標へ到達する前の中間目標です。具体的な数値で中間目標を定めておくと、最終的なゴールまであとどれくらいなのか、どの程度の成果が現れているのかといったことを把握できます。

【手順2】ペルソナ設計

ペルソナとは、自社がターゲットとする顧客を具現化した仮想顧客です。ターゲットと混同されやすいものの、ペルソナは年齢や性別、職業、趣味、ライフスタイルなどより詳細な設定を行う点が異なります。たとえば、以下のような感じです。

・東京太郎 ・男性 ・都内在住 ・妻と娘の三人暮らし ・釣りと読書が趣味 ・日常的にInstagramで情報収集 ・コミュニケーションツールとしてLINEを利用

このように、詳細なペルソナの設定によって、自社がターゲットとすべき人物像を社内で共有できます。認識のずれを回避でき、効率的にマーケティングを進められる点がメリットです。ペルソナを設定したうえで、どのようなコンテンツを提供すれば心に響くのかを考えていきましょう。 なお、ペルソナ設定はBtoCとBtoBで異なるため注意が必要です。BtoBの場合は、担当者だけでなく最終的な決裁権限を有する上役のペルソナも考えなくてはなりません。また、企業の事業規模や事業の課題、実現したいことなども盛り込みます。

【手順3】カスタマージャーニーの作成

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し、購入、リピーター化へいたるまでのプロセスを指します。ユーザーが商品やサービスの購入にいたるまでには、さまざまな道のりを歩みます。まず商品やサービスに興味をもち、そこから情報収集、他社商品との比較、購入、といった具合です。 こうした顧客の動きを可視化したコンテンツを、カスタマージャーニーマップと呼びます。フェーズごとに顧客がどのような行動をとるのか、どういったコンテンツをどのようなメディアで提供するのか、といったことをマップ化して可視化したものです。 カスタマージャーニーマップの作成によって、フェーズごとにどういったアプローチをすればよいのかが分かります。作成時には、マップの横軸に興味関心、情報収集、比較検討などのフェーズを、縦軸に感情や心理、接触コンテンツ、施策などを設定するのが一般的です。 カスタマージャーニーに関して詳しく知りたい方は下記の記事をご覧下さい。

カスタマージャーニーとは?マップの作成方法などの基本を1から解説

【手順4】コンテンツの作成

実際にコンテンツを作成していくフェーズです。設定した目標やペルソナ、カスタマージャーニーに沿って最適なコンテンツを作成しましょう。 コンテンツ作成の際には、ユーザーの視点になっているかどうかは要チェックです。企業が伝えたい情報を一方的に伝えるようなコンテンツでは、ユーザーはうんざりしてしまいます。ユーザーが求める情報になっているか、有益なコンテンツかどうかを再確認しましょう。 動画コンテンツも同様です。たとえば、既存顧客のフォロー目的で、商品の使い方や操作方法を解説する動画を作成したとしましょう。ユーザーの中には、その商品を初めて手にした方もいるかもしれません。そのような方でも理解しやすいよう、かみ砕いた内容の動画コンテンツに仕上げるのがポイントです。

【手順5】コンテンツまでの誘導

コンテンツまでの誘導方法、届け方を考えるフェーズです。コンテンツとひと口に言ってもさまざまな種類があり、それぞれ最適な届け方が異なります。たとえば、ユーザーの悩みや課題解決につながるテキストコンテンツであれば、オウンドメディアやブログなどが有効です。オウンドメディアやブログへ誘導するには、SEOをはじめとした施策が欠かせません。 リード獲得を目的としたホワイトペーパーであれば、ダウンロード機能を実装したWebサイトへのSEOが必要です。また、ダウンロードのバナーを見やすい位置へ設置するなどの工夫も欠かせません。ヒートマップツールなどを用いて、ユーザーの動きを分析するのも有効です。

【手順6】振り返り

コンテンツマーケティングの施策を実施したら、定期的に振り返りをしましょう。効果測定を行わないと、施策の効果がきちんと現れているのか、どの程度の成果につながったのかといったことが分かりません。もしかすると、まったく成果へつながらない施策にリソースを費やしているおそれもあるため、定期的な振り返りは必須です。 オウンドメディアやブログへのアクセス数をはじめ、コンバージョン数、クリック率、ダウンロード数などを分析しましょう。そのうえで、必要に応じて改善を行います。 たとえば、アクセス数が伸びないのであれば、SEOに問題があるのかもしれません。キーワードの選定やコンテンツの内容を一度見直してみましょう。ホワイトペーパーのダウンロード数が少ないのであれば、サイト内の導線に問題があると考えられます。ヒートマップツールなどを用いて、サイト内におけるユーザーのアクションを確認のうえで改善に取り組みましょう。 大切なのは、効果検証と改善を一度で終わらせないことです。PDCAサイクルを回しつつ、定期的な見直しと改善を続けることで、施策のブラッシュアップにつながります。

コンテンツマーケティングに取り組む企業例

顧客獲得やファン化に有効であるため、現在では多くの企業がコンテンツマーケティングへ本腰を入れて取り組んでいます。具体的にどのような取り組みをしているのか、企業の事例をチェックしてみましょう。

トヨタ自動車の「トヨタイムズ」

日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車は、「トヨタイムズ」なるオウンドメディアを運営しています。コーポレートサイトとは一線を画したサイトデザインを採用し、一般ユーザー向けにさまざまなコンテンツを配信している点が特徴です。 トヨタイムズでは、最近のトヨタや特集、連載、コラムといったコンテンツを配信しています。ラリージャパンやスーパー耐久シリーズなど、モータースポーツ好きにとっては堪らないコンテンツを配信しているのも魅力です。 また、トヨタイムズでは、従業員向けのメッセージを社外へ配信している点も見逃せません。日本を背負う自動車メーカーとして、これからどのような道を歩もうとしているのか、どんなチャレンジを考えているのかといったことを発信しています。

HP:https://toyotatimes.jp/

ライオン株式会社の「Lidea」

ライオン株式会社は、コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディア、「Lidea」を運営しています。Lideaでは、編集部のおすすめ情報や特集、くらしのアイデア、キャンペーンなどの情報を発信しているほか、プレゼントへの応募プログラムを用意している点も特徴です。 Lideaは、ユーザーが日々の暮らしを送るうえで役立つ有益なコンテンツを豊富に配信している点が魅力です。たとえば、掃除カテゴリでは、洗剤や道具の選び方から汚れの種類や原因、材質別の掃除方法といった情報を発信しており、健康美容カテゴリでは正しい手洗いの方法、飛沫感染の防止方法などを分かりやすく丁寧に解説しています。 プレゼントへの応募ができるポイントプログラムを採用しているのも特徴です。Lideaに会員登録すると、サイト内でのアクションに応じてポイントが貯まります。貯まったポイントはプレゼントへの応募に利用でき、訪れたユーザーが飽きない工夫をしています。

HP:https://lidea.today/

楽天市場の「ソレドコ」

楽天が運営しているオウンドメディア「ソレドコ」は、グルメやスポーツ、アウトドア、子育て、マンガ・本などさまざまなジャンルのコンテンツを発信しているメディアです。幅広いジャンルを網羅することで、より多くのユーザーを誘導できるよう設計されています。 たとえば、グルメカテゴリでは、美味しいミルクティーの作り方やご当地ドレッシングの味比べ、新潟ラーメンの魅力などのコンテンツが配信されています。また、子育てカテゴリでは、トイレトレーニングを始める時期や子育ての悩み解決につながる本など、ユーザーに寄り添った情報が目白押しです。 多ジャンルにおける幅広い情報を網羅しているため、読み物としても楽しめるメディアです。日々の生活に役立つ情報も多く、ユーザーの信頼獲得や楽天への愛着向上といった効果が期待できます。

HP:https://srdk.rakuten.jp/

資生堂の「ワタシプラス」

「ワタシプラス」は、化粧品メーカーである資生堂が運営しているオウンドメディアです。オンラインショップやお店ナビ、美容の情報、商品カタログといったメニューが用意されており、資生堂の店舗探しから新商品のチェック、アイテムの購入までさまざまなことができます。 美容の情報では、女性が気になるさまざまな情報を発信しているのが魅力です。たとえば、ポイントメイクの落とし方や肌を傷つけない正しい洗顔の仕方、美容クリームの使い方などを、動画コンテンツで分かりやすく解説しています。 スキンケアにメイクの方法、肌によい食べ物など、とにかく気になるコンテンツが満載です。スキンケアに悩んでいる、どのようにメイクをすればよいのか分からない、といったユーザーの悩み解決に役立つメディアです。

HP:https://www.shiseido.co.jp/wp/index.html

コンテンツマーケティングで失敗しないポイント

コンテンツマーケティングで失敗しないためには、スモールスタートで取り組みを始めましょう。また、自社のリソースだけで対応が難しいのであれば、外部に協力を依頼するのもひとつの手です。

コンテンツマーケティングは小さく始める

コンテンツマーケティングに限らず、新しいことにチャレンジするときには、スモールスタートで取り組むのが基本です。いきなり大きく取り組んでしまうと、失敗したときのダメージが大きくなるためです。 まずは、施策を絞ってチャレンジしてみましょう。たとえば、コンテンツSEOで自社サイトへの流入を増やす、オウンドメディアを立ち上げて無理のない範囲で記事を投稿する、といった具合です。 コンテンツSEOに取り組みつつオウンドメディアも立ち上げ、さらに動画コンテンツも作成する、といろいろなことに着手してしまうと、その分多くのリソースを消費します。専門の部署を立ち上げず、既存の体制で取り組むケースでは、特定の従業員に過度な負担をかけかねません。まずはスモールスタートで着手し、徐々に規模を大きくしていくとよいでしょう。

専門家に相談する

コンテンツの作成からメディアの運営などを、内製化すればコストを相当抑えられます。ただ、自社で取り組むだけのリソースが足りない、成果につながるコンテンツマーケティングを実施するだけのノウハウがない、といったケースでは、外部の専門家に協力を仰ぐのもひとつの手です。 たとえば、オウンドメディアに投稿する記事を作成できる従業員がいないのなら、外部のライターへ依頼する方法があります。クラウドソーシングサービスを利用すれば、記事作成を請け負ってくれるライターはいくらでも見つかります。 また、コンテンツマーケティングのサポートサービスを提供している企業もあるので、そのようなサービスを利用してみるのもよいかもしれません。コストはかかるものの、アドバイスを受けながら施策を進められるため、失敗するリスクを抑えられます。

まとめ

コンテンツマーケティングは、今の時代に即したマーケティング手法です。いくつものメリットがある一方で、デメリットもあるためそこは注意しつつ取り組みましょう。なお、取り組む際にはスモールスタートで着手し、必要に応じて外部の専門家にも協力を仰ぐのが失敗しないコツです。

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