社内ポータルの役割とは?導入メリットや運用の注意点、選び方を紹介

社内の情報共有や社員間の連携を強める上で、「社内ポータル」を活用している企業は少なくありません。情報やナレッジの共有化を図るために、社内ポータルの導入を検討している方も多いでしょう。今回は、社内ポータルの役割や導入するメリットについて解説します。社内ポータル運用の注意点やサービスの選び方も紹介しますので、効果的な社内ポータルの実現にお役立てください。

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社内ポータルとは、自社情報にアクセスするための入り口

社内ポータルとは、社員が自社の情報にアクセスする際、最初に表示される「入り口」となるWebサイトを指します。まずは、一般的なポータルサイトとの違いや、類似サービスとの違いについて見ていきましょう。

ポータルサイトとの違い

ポータルサイトとは、さまざまな関連情報への入り口が集約されたサイトのこと。Yahoo!やGoogleなどの検索サイトからさまざまなWebサイトへとアクセスできるように、誰でも利用できる状態で公開されているのがポータルサイトです。一方、社内ポータルは社員に限定して公開されている点が一般的なポータルサイトと異なります。ポータルサイトの中でも、社内向けのWebサイトを社内ポータルと呼んで区別しているのです。

社内SNSやグループウェアなどとの違い

社内ポータルの類似サービスとして、社内SNSやグループウェア、社内掲示板などが挙げられます。それぞれの役割は下記のとおりです。

■類似サービスの役割

サービス種別 特徴・役割
社内SNS 社員のみが使用するSNS。社員間のコミュニケーションを促す。
グループウェア スケジュールやタスク管理のためのソフト。業務の効率化を促す。
社内掲示板 社員のみが投稿・閲覧できるWeb掲示板。情報の伝達・共有を図る。

 類似サービスが特定の目的・役割に特化しているのに対して、社内ポータルは各種情報への入り口としての役割を果たしている点が大きな違いといえます。

 

社内ポータルの主な機能

社内ポータルには、社内情報の入り口として多種多様な機能が備わっています。続いては、社内ポータルの代表的な機能を確認しておきましょう。

Q&A機能

Q&A機能は、業務に関する社員の疑問とその回答を集約する機能です。社員が先輩や上長に質問したいことが出てきた際、Q&Aを見ておくことで疑問点を自分で解決しやすくなります。社員にとって疑問点を解決する手掛かりとなるだけでなく、上長にとっては複数の社員に同じ回答をする労力を軽減できるでしょう。

スコア機能

社員の活動内容や投稿への反応数を見える化し、これらのデータを扱いやすくするのがスコア機能です。見える化された社員ごとの活動量や活動内容を共有することで、業務のアウトプットを促す効果があります。アウトプットの質・量は成果と連動しやすいため、質・量ともに優れている社員の事例を社員間で共有することにより、チーム全体の成果を底上げする効果も期待できます。

ワークフローの申請機能

ワークフローの申請機能があれば、交通費の申請や購買申請といった各種申請のワークフローを、社内ポータル上で完結することが可能です。煩雑な書類やメールのやりとりを削減できるため、申請する側・承認する側の双方にとって負担の軽減となります。また、社内ポータルにアクセスできる環境であればオフィスの外からも申請が可能となり、申請・承認が滞るのを防ぐ効果もあります。

SNS機能

メールや電話では伝えづらいと感じる些細なことでも、SNSのような感覚で気軽に相談しあえるのがこの機能の魅力。事例の共有や全体連絡用にも活用できるため、よりきめ細かな情報共有が実現しやすくなるでしょう。

スケジュール管理機能

スケジュール管理機能は、日々のスケジュールを個人・部署単位で管理するための機能。会議の日時や場所を対象者に伝えたり、社員ごとの予定を共有することができます。会議を招集する際に参加予定者の都合を確認しやすくなるほか、上長が部下の予定を一覧で確認するといった活用方法も可能です。

チャット機能

チャット機能によって社員間のコミュニケーションを活性化できることも、社内ポータルの特徴のひとつです。簡潔にYes・Noの回答で済ませたい簡単な質問や、些細な確認事項であってもチャット形式であれば気軽にやりとりができます。日常的に社員間で活発なコミュニケーションを図ることができれば、確認や伝達のためだけの会議を撤廃していくことも可能です。

レポート機能

社内ポータル内に蓄積されたデータは、レポート機能でまとめることも可能です。入力されたデータをもとにグラフを自動的に作成する機能が備えられていることもあるため、報告書や日報の作成にも便利。管理職は部下の商談数や成約数を一から集計する必要がなくなり、部内ミーティング資料などを作成する手間も削減されるでしょう。

プロジェクト管理機能

プロジェクト管理機能は、プロジェクトにおけるタスク管理や進捗管理を行うための機能です。プロジェクトチームで情報を共有しやすくなり、現状の課題把握や直近のアクションを確認する上でも役立ちます。メンバーの動きが可視化されるため、タスクの抜け漏れや遅延を防ぐ上でも効果的。また、プロジェクト単位でチャット用のチャンネルを作成したり、定例ミーティングの予定をスケジュール一覧に自動入力したりすることができる社内ポータルもあります。

掲示板機能

社内ポータルには、周知したい情報をWeb掲示板に投稿できる機能もあります。日常的に使用する社内ポータルに情報を掲載することにより、「伝達事項が社員に伝わっていない」といった事態を防ぐことができるでしょう。また、コメント機能を組み合わせて活用することにより、簡易的な議論や意思確認であれば掲示板を通じて行うことも可能です。営業担当者など外出する機会の多い社員にも必要な情報を伝えることができ、在社時間による情報格差を防ぐ効果も期待できます。

勤怠管理機能

社内ポータルには、社員の出退勤を管理する勤怠管理機能もあります。残業申請や有給休暇申請も行うことができるため、申請・承認のフローを簡素化でき、申請する側・承認する側の双方の負担を軽減できるのが特徴です。また、現場に直行直帰する場合も社外から出退勤の申請が可能となり、より正確な勤怠管理を実現することができます。

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社内ポータルのメリット

社内ポータルの運用によって、企業は具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットを7つご紹介します。

業務効率の向上

社内ポータルに期待できることとしてまず挙げられるのは、情報共有のスピードアップ。従来は情報の周知徹底を図るために行われていた打ち合わせやメールのやりとりの時間が削減され、業務効率が向上することは社内ポータル活用の大きなメリットといえるでしょう。業務に必要な情報は社内ポータルに掲載されていることが認知されれば、社員は「確認のメールを送る前に社内ポータルを見る」ように習慣化されます。些細な確認事項に時間を取られることがなくなり、本来の業務に集中しやすくなるはずです。

情報の一元管理ができる

社内ポータルに社内の情報を集約すれば、情報を一元管理できるようになります。例えば、業務ごとにマニュアルを作成している場合、社内サーバ上のさまざまな階層にファイルが散在しているケースも少なくありません。これでは、せっかくマニュアルを作成しても、必要なときに見つからないといった事態が生じやすいのです。しかし、社内ポータルに情報を集約すれば、必要な情報を探す時間を削減することができます。情報の重複や漏れを防ぐことにもつながるため、業務の質を向上させることにも寄与するはずです。

リモートワークを促進できる

リモートワークを促進できることも、社内ポータルを活用するメリットのひとつです。リモートワークで問題となりやすいのが、社内で就業する場合との情報格差です。業務に必要な資料が社内にしかなければ、電話やメールで社内のスタッフに確認するといった手順を踏まなくてはなりません。しかし、社内ポータルにどこからでもアクセスできるようにしておけば、就業場所を問わず必要な情報にアクセスすることが可能です。また、チャット機能を活用すれば、オフィスで業務をしていなくても気軽にコミュニケーションを図りやすくなります。在社時とテレワーク時に生じるコミュニケーションの差異を極力少なくし、確認・伝達を円滑化できるのです。

情報の周知や共有が合理的・効率的になる

社内ポータルの掲示板やSNS機能を活用すれば、情報の周知や共有を迅速に行うことができます。担当部署ごと・用件ごとに掲示板をカテゴリ分けしておけば、必要な情報も確認しやすいでしょう。過去の連絡事項の内容を確認したい場合にも、受信したメールの履歴をさかのぼる必要はありません。情報の周知や共有をより合理的・効率的にできることが、社内ポータルのメリットといえます。

ノウハウが浸透しやすくなる

社内ポータルに業務のナレッジを蓄積していくと、ノウハウが浸透しやすくなることも大きなメリットです。特に、新入社員を育成するにあたって、社内のローカルルールや基本的な業務知識をすべて研修で教えていくには膨大な時間と労力を要します。しかし、社内ポータル上の資料によって疑問点を自分で解決できるようにしておけば、新入社員が指示待ち状態に陥るのを防ぐ効果が期待できるでしょう。また、過去の事例やトラブル解決策のノウハウなども社内ポータルに集約できます。ノウハウを担当者ごとに独占するのではなく、社内のリソースとして共有しやすくなるのです。ナレッジやノウハウが集約されれば、入社年数の浅い社員でも過去の優れた事例を参考に業務を進めやすくなるため、業務スキルの底上げが期待できます。

他部署への依頼がスムーズになる

他部署に対する確認や依頼も、社内ポータルのチャット機能などで行えば、メールや電話で発生しやすい形式的なやりとりが省略でき、スムーズに依頼できます。また、社内ポータルは、連絡や依頼のフローを簡素化することに寄与します。従来は上長を通じて行っていた他部署への依頼を、社内ポータルを通じてよりオープンな形で行えるのです。社内での調整に費やしていた時間や労力を削減できることで、社員はコア業務により集中しやすくなるでしょう。

ペーパーレス化を促進できる

社内ポータルは、ペーパーレス化にも寄与します。従来は紙の文書で作成していた報告書や各種申請を社内ポータル上でやりとりすることで、業務で紙を使う機会は格段に少なくなるでしょう。例えば、会議資料や部署内の回覧などを社内ポータルで管理すれば、コピー用紙の消費を削減できるだけでなく、印刷にかかっていた時間も省けます。煩雑になりやすい書類の管理から解放され、情報を伝達するという本来の目的を効率良く達成できるのです。

 

社内ポータル運用の注意点

社内ポータルは、業務効率化やコミュニケーションコストの削減に役立つ便利なツールですが、運用するにあたっては注意しておくべき点もあります。社内ポータルを有効に活用するために、下記のような点も押さえておきましょう。

運用責任者を必ず選ぶ

社内ポータルを導入するにあたっては、必ず運用責任者を選出しておきましょう。社内ポータルの運用方法や活用する目的は責任者が決定し、社内に周知徹底することが重要です。社内ポータルは柔軟にカスタマイズできるツールが多く、社員各々が変更を加えたり独自のルールで運用し始めたりしやすい面があります。部署ごとに独自の運用ルールが設けられてしまうと、情報共有に支障をきたすおそれがあるため注意が必要。運用責任者は社内ポータルの運用ルールを全社的に共有し、ルールどおりに運用されているか随時チェックをする必要があります。

使われやすいデザインとインターフェースにする

社内ポータルは、機能が多ければ良いというものではありません。社員にとって使いやすいデザインとインターフェースになっていることも重要なポイントです。操作方法を都度調べなくても直感的に使うことができ、操作ミスが起こりにくいインターフェースを持ったツールを選ぶ必要があります。使い方が難しく複雑なツールであるという印象を与えてしまうと、最終的には一部の社員しか使用しない社内ポータルになりがちです。社内ポータルは、使用頻度が高いと考えられる重要な機能を優先的に選び、シンプルなデザインとインターフェースのものにしましょう。

情報を常に最新にする

社内ポータルに掲載する情報は、常に最新の状態に保っておくことが大切です。古い情報が掲載されたままになっていると社員が誤った判断を下すおそれがあるだけでなく、社内ポータルに対する信頼性の低下にもつながります。社内ポータルを導入した後も定期的に掲載情報をチェックし、情報がきちんと更新されているか確認は必要です。特に、業務フローの変更や人事異動、年度替わりといったタイミングには注意してください。

使用者を増やす

社内ポータルは活用する社員が増えれば増えるほど活性化し、掲載される情報も充実していきます。導入当初は、積極的に活用する社員と消極的な社員に分かれることは少なくありません。社内ポータルを積極的に活用する社員が増えるよう、活用する場面やメリットについてアナウンスしていくことが大切です。もし業務スケジュールを社内ポータルに入力する社員と入力しない社員がいると、社内ポータルだけでは全体のスケジュールが把握できなくなってしまいます。社内ポータルを使用しないことで生じるデメリットについて粘り強くアナウンスし、使用者を着実に増やしていきましょう。

テンプレートを用意する

他部署への依頼など、業務で発生しやすいやりとりには、あらかじめテンプレートの文面を用意しておくと便利です。社内ポータルの活用が促進されない原因のひとつとして、「どのような文面でやりとりすればいいのかわからない」ことが挙げられます。テンプレートがあれば文面に悩む必要がなくなり、社員の使用頻度が増えることで連絡事項の抜け漏れを防ぐ効果も期待できるでしょう。また、テンプレートがあれば、社員が各自で文面を作成する場合と比べて、どこに何が書かれているのかが統一されてわかりやすくなります。運用ルールを途中で変更すると混乱の原因になるため、できるだけ導入時に基本的なルールを決めておくことが重要です。

社内ポータルサイトはひとつにまとめる

社内ポータルは部署や支社ごとに運用するのではなく、全社の情報をひとつのサイトにまとめることをおすすめします。情報を一元管理することが社内ポータルの重要な目的ですので、複数のサイトに情報が散在するのは好ましくありません。既存のグループウェアなどがある場合は、社内ポータルへの一元化を検討しましょう。情報の整理と移行は労力のかかる作業ですが、将来的な運用の利便性を考えると社内ポータルが「唯一の入り口」となっているほうが使いやすいはずです。

セキュリティ対策を徹底する

社内ポータルには社内のあらゆる情報が格納されるため、セキュリティ対策を徹底することが重要です。情報を必要とする社員だけがアクセスできるように設定し、情報漏洩を防ぐ必要があります。社内ポータルサイトの大半は、アクセス権限の付与やファイルの閲覧制限、指定IPアドレスのみアクセスを許可するといった、セキュリティ対策機能を備えています。セキュリティ対策の設定を確実に行うと同時に、社外からアクセスする場合のルールについても周知徹底を図りましょう。

 

社内ポータルの選び方

社内ポータルにはさまざまなツールがあります。どの社内ポータルを選ぶべきか迷ったときは、下記の手順で導入・運用の決定をしていくといいでしょう。

1. 自社の条件を整理する

まずは、自社で必要としている機能や解決したい課題を洗い出し、社内ポータルに求める条件を整理しておくことが大切。既存のグループウェアなどがある場合は、蓄積してきた情報を代替できる機能が備わっているか確認しておく必要があります。また、社内ポータルには多くの機能がありますが、自社で活用したい肝心な機能が欠けているようでは活用されません。社内ポータルの機能に業務を合わせるのではなく、業務に必要な機能が備わっている社内ポータルを選ぶという視点が大切です。

2. 無料の社内ポータルサイトを検討する

社内ポータルサイトの中には、無料で利用できるものもあります。まずは、無料のサービスを試験導入し、運用の課題点を確認してみましょう。試験導入をすれば、自社にとって必要な機能と不要な機能が見分けやすくなり、本格的に導入する際の指標となるはずです。

3. 社員が日常的に利用しやすいものを選ぶ

例えば営業マンが多い会社など、外出先で社内ポータルを見るケースが多い場合は、PCから見た際のUI(ユーザーインターフェース)がどれだけ整っていても、スマートフォン上のUIがイマイチだと社員に普及しにくくなってしまいます。どの社員にとってもいつでも気軽に利用しやすいかという視点が、社員ポータル選びでは大切です。利用のしやすさという点では、今では世代を問わず多くの人々が日常的に使うスマートフォンアプリを社内ポータルとして活用するのがおすすめ。本メディアを運営する株式会社ヤプリが提供するアプリプラットフォーム「Yappli」を使えば、ローコストで簡単に、最短1ヶ月で自社アプリをつくることができます。

<社内ポータルとしてのアプリ活用例>

  • 研修資料をアプリで配布する
  • 動画でスキルアップを目指す
  • アプリの中で小テストを行う
  • 社員の閲覧履歴にもとづいた業務フォローを行う
  • スマートフォンで社内報の閲覧をする
  • 代表メッセージを届ける
  • 各部署の従業員を紹介する

例えば、ボリュームが多く、確認しようと思ってもなかなか時間が取れず、結局あまり見なくなりがちな研修資料も、アプリで見れるようにすればちょっとしたスキマ時間を使ってチェックすることが可能に。日々忙しい社員の負担を考え、アプリのように社員が好きなタイミングで自由に使いやすいものを選ぶようにしましょう。

 

まとめ:社内ポータルの活用で情報共有を洗練させ、コミュニケーションを活性化しよう

社内ポータルは、自社情報にアクセスする入り口の役割を果たすサイトです。社内の情報を一元管理することができ、社員間のコミュニケーションを活性化させる上でも役立ちます。社内ポータルの導入にはさまざまなメリットがある一方で、運用の注意点を押さえておくことも重要。社内ポータルを効果的に活用して、社内の情報共有の洗練化やコミュニケーションの活性化を促進しましょう。

また、上記に挙げたように、アプリを社内ポータルとして活用するのはとても有効。Yappliならプログラミング技術がなくても、いわゆるノーコードでアプリ開発ができるので、「アプリ開発なんて難しい…」と思っている方こそ要チェックです。相談だけならもちろん費用はかかりませんので、まずはお気軽にお問い合わせしてみてください。

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