CRMシステムとは?導入するメリットや機能を詳しく解説

顧客管理(CRM=Customer Relationship Management)に取り組むにあたって、CRMシステムの導入を検討する企業は少なくありません。近年では、クラウド型の登場によってCRMシステムの低価格化が進んでおり、導入のハードルが下がっているからです。
一方で、CRMシステムには具体的にどんな機能があり、導入することでどのようなメリットを得られるのか、知りたいと考えている方もいるでしょう。今回は、CRMシステムの主な機能と導入メリットについて解説します。CRMシステムに関心がある方や導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

▷▷顧客管理(CRM )について詳しく知りたい方におすすめの記事はこちら「モバイル時代のCRM入門。顧客管理はアプリから始めるのは正解?

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目次

CRM システムとは

CRMシステム(顧客管理システム)は、顧客の情報を管理することで、顧客との関係性を良好に保ちニーズをよりきめ細かく拾い上げていくためのツールです。年齢や性別・収入・居住地といった属性情報や、購買情報など顧客に関する情報を一元管理する事で、より状況やニーズに合わせた情報を提供することが可能になり、サービスや商品の売上向上に繋げることができるようになります。

顧客管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ビジネス環境の変化に伴い、再び注目度が高まるCRMシステム

「CRM (Customer Relationship Management)」という概念が世間に定着したのは1998年にアクセンチュアが発刊した「CRM―顧客はそこにいる (Best solution)」という書籍であると言われています。商売において顧客管理台帳は存在していたものの、その顧客の情報をコンピューターで適切に管理し、顧客一人ひとりに適したプロモーションを戦略的に行うCRMという考え方、およびCRM システムの導入、活用が広がりました。
それから数十年、多くの発展を遂げてきたCRMシステムですが、
人口減少と商品・サービスの飽和といったビジネス環境の変化が顕在化しつつある昨今、再び注目が集まっているのです。

顧客の属性や購入履歴、問い合わせ内容といった情報を収集・蓄積し、営業やマーケティング戦略に活かしていくのがCRMの主な目的です。顧客情報はExcelで管理・分析していくことも可能ではありますが、膨大な情報量をより適切に一元管理し、効果的に共有・活用していくには、CRMシステムを導入するほうが効率的でしょう。

CRMシステムが必要な3つの理由

企業にCRMシステムが必要な主な理由としては、下記の3つが挙げられます。

LTV向上の重要性の高まり

顧客ごとのLTV(顧客生涯価値)を向上させることは、あらゆる企業にとって重要な課題となりつつあります。LTVとは、顧客のライフサイクル全期間において、その顧客が企業にもたらす価値の総計を指します。なぜ、LTVが企業の重要課題となっているのか。その理由は新規顧客の獲得コストが肥大化し、既存顧客との関係性を深める重要性が増しているからです。

日本国内の人口が増加の一途をたどっていた時代においては、各企業はいかに多くの新規顧客を獲得するかを競っていました。しかし、国勢調査によると、日本は2011年を境に人口が継続して減少していく「人口減少社会」へと転じています。年々、新規顧客の獲得は競争激化への一途をたどっていくのです。そのため、企業は新規顧客の獲得に頼ったビジネスモデルを抜本的に見直し、既存顧客のリピート購入に重きを置くビジネスモデルへと軸足を移す必要に迫られています。

離反した顧客の原因分析の重要性

新規顧客の獲得が困難になっていく以上、既存顧客の離反を食い止めることが重要な課題となります。つまり企業は、「顧客がなぜリピート購入をせずに離反したのか」に対する原因をこれまで以上に深く理解しなければなりません。そして過去に離反した顧客と同様の理由で将来の顧客も離れていくことのないよう、分析結果を販売・営業戦略に反映させていくことが大切です。実際には、顧客がリピート購入を見合わせたり、他社商品に乗り換えたりする理由はさまざま。顧客のタイプによっても異なるので、原因の分析には顧客情報の調査を丁寧に行い、PDCAサイクルをスピーディーに回していくことが重要となります。

そのためには、顧客に関する多種多様な情報を一元管理し、社内で共有できる仕組み化の構築が必要になり、そこでCRMシステムが活躍するのです。

one to one のアプローチ強化

スマートフォンが普及した現代においては、消費者の購買行動は急速に細分化が進んでいます。例えばある商品が欲しい時に、取り扱っている実店舗が自宅から遠い場合はECで、近い場合は実店舗で購入するといったように、複数の販売チャネルから自身のシチュエーションやライフスタイルに合った購入方法を選べるからです。

販売チャネルの多様化は、消費者一人ひとりに照準を合わせたマーケティング戦略の必要性を企業にもたらしました。マス(群衆)を相手にした広告ではなく、個別にカスタマイズされたレコメンドやプッシュ通知を駆使したマーケティング施策、つまりone to one のアプローチが求められているのです。

こうしたアプローチを強化していくことは、消費者から「選ばれ続ける」ために必要な施策といえるでしょう。CRMシステムを駆使して個々の顧客情報をきめ細かく管理・分析することは、one to oneのアプローチを強化していく上でも欠かせない戦略となっているのです。

CRMシステムの主な機能

CRMシステムには、具体的にどのような機能が備わっているのでしょうか。サービスによって特徴的な機能は異なりますが、ここでは多くのシステムに共通している機能をご紹介します。

顧客情報の管理・分析

CRMシステムには、既存顧客の情報を管理し、必要に応じて抽出・分析するための機能が備わっています。CRMシステムで扱う顧客情報には、下記のようなものがあります。

<CRMシステムで管理する顧客情報の例>

  • 氏名(企業名・役職名)
  • 年齢
  • 性別
  • 居住地域
  • 所得水準
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 購入日
  • 購入金額
  • 購買頻度
  • クレーム対応履歴

 上記の情報を用途に合わせてグループ化(セグメント化)し、マーケティング戦略に活用することも可能です。担当者ごとに散逸していた顧客情報を一元管理し、共有しやすくするのはCRMシステムの重要な機能といえます。

会員管理

CRMシステムは会員管理システムとしても重宝します。ウェブを通じて会員登録ができるようにし、会員になった顧客にはマイページを提供することで、会員登録した顧客へのポイント付与やポイント残高・失効期限の管理を簡単にできるようになります。ポイントなどの会員サービスを提供すると、顧客にリピート購入を促すこともでき、時間とともに詳細な顧客情報が集まりやすくなるメリットもあります。独自ポイントの付与により、顧客が他社商品へと乗り換えるリスクを低減する上でも効果的でしょう。

メール配信

CRMシステムを活用すれば、購入時期や購買頻度といった条件に合わせて顧客を抽出し、ターゲットごとにメールマガジンなどを配信することができます。キャンペーン告知などのマーケティング施策に活用できるのはもちろんのこと、顧客への情報提供など、アフターフォローにも有効な機能です。

CRMシステムがあれば、配信したメールの開封率や反応率を計測することもできるため、配信する曜日・時間帯や件名・内容によって、効果を測定する際にも役立ちます。顧客ごとの購入時期に合わせて最適な時期にメールを配信するよう設定しておけば、必要最小限の労力で効果的なアフターフォローを実施できるのです。

問い合わせ管理

顧客からの問い合わせ内容と、その問い合わせへの対応履歴もCRMシステムに記録しておくことができます。蓄積された問い合わせの記録は、サービス向上に役立つヒントとなるだけでなく、類似した問い合わせが発生しそうな場合に、先手を打って案内を発信することにも役立ちます。例えば、問い合わせが多い事柄についてはFAQにまとめてウェブ上に公開すれば、問い合わせ対応の手間を削減できるでしょう。顧客が疑問点を解決しやすくなると、商品への理解度や信頼性が高まる効果も期待できます。

アンケートの実施

CRMシステムを活用すれば、アンケートフォームを作成し、ターゲットとなる顧客に一斉配信することも可能に。顧客からの回答を自動集計し、今後のマーケティング施策や商品の改善に役立つヒントを素早く収集することも可能です。また、会員管理機能と連携することによって、アンケート回答のお礼として、ポイントを自動的に付与することもできます。回答結果を反映したアプローチリストの生成が可能なCRMシステムもあるため、マーケティング施策の精度を効率的に高めることもできるでしょう。

セミナーなどのイベントのフォロー

オンラインセミナーなどのイベントを実施する際、告知の配信や申込者の管理にCRMシステムを活用することも可能です。開催直前には参加予定者に対して確認メールを送るなど、歩留まり率を高めるための施策にも活用できます。ターゲットごとに異なる内容を発信したい場合や、異なるタイミングで発信したい場合にも、CRMシステムの顧客情報が役立ちます。セグメント別にイベントの内容を変えることで、顧客へのより深いアプローチが可能となるため、イベントの効果を最大化することができるでしょう。アンケート機能と組み合わせることで、イベント後の感想や要望を集計することもできます。

 

CRMシステムを導入するメリット

続いては、CRMシステムの導入によって得られるメリットについて見ていきましょう。CRMシステムで顧客情報を一元管理すると、下記のような効果を得られます。

顧客にとって価値のある商品訴求ができるようになる

顧客管理を通じて顧客一人ひとりの購買傾向を把握することで、適切な商品やサービスの提供が可能になります。購買傾向がわかっていないと、企業がその時々で売りたいものに関する一方的な訴求しかできません。より深く顧客のことを理解し、顧客の不満や不安を解消し、ニーズを満たすような提案をする必要があります。さらに、リピーターやファンになってもらうためには、顧客自身でもまだ気づいていない”潜在ニーズ”を汲み取って、先回りして提案できるようにしなければなりません。なぜなら、顧客自身が既に把握している顕在ニーズを満たすだけでは、顧客の中に「驚き」や「感動」が生まれないからです。新規顧客がリピーターやファンになる重要な要素は、心が大きく動くこと。顧客の期待値を大きく超えるサプライズ的な提案があると、リピーターやファンになってくれる可能性が大きく高まります。

また、顧客管理と聞くと主に既存顧客へのアプローチを思い浮かべるかもしれませんが、見込み顧客に対しても有効です。見込み顧客には購入履歴などはありませんが、お知らせやアンケートへの反応といった行動履歴を管理することで細かいニーズを把握しやすくなり、提案の精度を上げることができます。

さらに、顧客自身の購入履歴だけでなく、性別や年齢といった属性や購入パターンで顧客をグループに分けて分析すると、グループの特性に合わせた商品・サービスの提案もできるように。顧客グループとしての特性を理解できると、既存顧客だけでなく、見込み顧客に対してもアプローチしやすくなります。

顧客と良好な関係が築けるようになる

顧客にとって価値のある商品訴求をすることによって、顧客との良好な関係を構築・維持しやすくなります。つまり、リピーターやファンが生まれやすくなるだけでなく、ファンになってからもその心が離れにくくなります。

近年では既存顧客との継続的な繋がりを重視する、“ファンマーケティング”がより注目を集めていますが、商品やサービスを継続して利用してもらうためには、顧客との長期的なコミュニケーションが欠かせません。一度商品を購入したりサービスに契約したら終わりではなく、適切なタイミングでコミュニケーションをし続けることはとても大切です。

顧客とのコミュニケーション方法には、商品・サービスに関するサポートやアンケート、メールやDMなどが挙げられます。これらは頻度が高すぎると顧客が迷惑に感じてしまう恐れがありますが、少なすぎても顧客との関係性が途切れてしまいます。顧客管理によって顧客のニーズやインサイトを把握できれば、適切なタイミングでアプローチがしやすくなります。

顧客情報の共有がしやすくなる

CRMツールを活用すると、担当者間・部署間で顧客情報を共有しやすくなるため、連絡や引継に要していた時間を削減できます。

今もなお、顧客情報は各担当者が個別に把握しており、周囲に共有されていない企業も少なくないのではないでしょうか。顧客から高評価を得た提案やアクションがあったとしても、担当者以外には共有されていないケースもあったと考えられます。しかし、顧客情報を共有できていれば成功事例も共有しやすくなり、類似顧客にも同様の提案ができるようになります。顧客情報を共有することにより、顧客にとってベネフィットのある提案をしやすくなるのは大きなメリットです。

定性的な情報を含めて分析できる

CRMの特徴として、定量的な情報だけでなく、定性的な情報を含めて分析できる点が挙げられます。例えば、商談の件数のような定量的な情報のみならず、商談の内容や顧客の反応といった定性的な情報も蓄積・共有できるのです。定性的な情報を含めて分析できれば、顧客の状況に合ったより適切な戦略を講じやすくなります。管理職などのマネジメント層も、部下がとるべきアクションを数値データ以外のきめ細かな情報から判断できるでしょう。営業活動の精度を高めていく上で、CRMツールから得られる定性的な情報は大いに役立ちます。

業務の属人化を解消し、効率化される

CRMツールによって情報共有が進めば、業務が属人化するリスクを解消しやすくなります。顧客に関する情報を特定の担当者だけが把握している状況を作らないことで、業務の効率化や対応スピードの改善につなげられるのです。例えば、顧客から問い合わせが入った際、担当者が不在のためすぐに対応できないケースは少なくありません。しかし、CRMツールで過去の対応履歴などを検索できれば、直接の担当者以外でも対応できる可能性が高くなります。また、顧客情報はマーケティングや商品開発、業務改善など様々なシーンに活きる重要なデータなので、その管理を属人化するのは大きなリスクとなり得ます。たとえツールを使わなかったとしても、部署に関わらず多くの社員がすぐに活用できるような管理体制を整えておきましょう。

どのように顧客データを取得するかを意識することが大事

CRMシステムを導入する際に特に意識しておきたいのは、どのように顧客データを取得するかということ。多種多様な顧客データを、扱いやすいスタイルで蓄積できるのがCRMシステムを導入する大きな利点ですが、そもそも顧客データを得ることができないとポテンシャルが発揮できなくなってしまいます。顧客データを得るためには、企業と顧客の接点を作ることが必要不可欠で、例えば先述した会員システムを取り入れれば、ポイントという接点で顧客と繋がることができ、購入商品や購入頻度などのデータを無理なく得ることができます。

一方で、仮にメールを主な接点にして、メールマガジンを積極的に発信したとしても、顧客の多くがそもそもメールマガジン自体を見る習慣がなければ、そこから得ることができる顧客データが少ないので、メールを主な接点とするのは得策ではありません。つまり、顧客データを得るための接点は、顧客のライフスタイルの中で日常的に使われているものを活用するのが有効なのです。

そこでおすすめなのが、スマートフォンアプリを顧客との主な接点とすること。老若男女問わず多くの人々が日常的に使っているスマートフォンアプリを起点に顧客と繋がることができれば、よりアクティブな情報を得ることができますし、顧客に余計な負担をかけることもありません。例えばメールマガジン自体をほとんど見ない顧客にとっては、どれほど企業から有益な情報が与えられるとしても、それを得るためにわざわざメールボックスを開くのは大きなストレスになり得ます。しかし、普段からアプリを使っていればそれほどストレスは感じないでしょう。このように、顧客との接点づくりはなるべく顧客の生活様式に寄り添ったものにするべきで、その点、何かを調べるにしても、何かを購入するにしてもまずスマートフォンを使う、モバイルファーストになっている現代人のライフスタイルを鑑みると、アプリをCRMに活用することは理にかなっていると言えるでしょう。

そして、アプリを起点としたCRMを実現できるのが、本メディアを運営する株式会社ヤプリが提供する「Yappli CRM」です。本記事の最後に、「Yappli CRM」とは何か、どういうことを実現できるのかを簡単にご紹介させてください。

CRMに必要な機能がオールインワン

Yappli CRMには、CRMシステムに求められる基本機能がオールインワンで備わっています。アプリ単体で会員登録・認証・管理ができ、管理画面もプログラミング技術の要らない、いわゆるノーコードで使用可能。複雑な設定を経ることなくスピーディーにCRMを始めたい方に適しています。以下にて、具体的にできることについてご紹介します。

ポイントや電子マネーを発行・管理

Yappli CRMなら、ポイントや電子マネーの発行・管理を、外部サービスと連携することなく始められます。アプリ内で顧客管理とポイント管理が完結するため、運用がシンプルで手間がかからないのが大きな特徴です。

手軽に運用が可能でありながら、会員ランク別のポイント発行など、ポイントシステムに必要な機能も十分に備わっています。これまで、ポイントシステムの導入はハードルが高いと感じていた事業者も、すぐにポイントの管理・運用をスタートできるのです。

1to1の顧客体験を実現

Yappli CRMを活用すれば、顧客ごとの行動分析により、1to1の顧客体験を実現できます。例えば、顧客のタイミングに合わせてプッシュ通知を送ったり、クーポンやポイント付与といった働きかけを行ったりすることも可能です。1to1の顧客体験を実現するには、「Input(データ取得)」「Process(顧客理解)」「Output(アクション)」の段階を踏まなくてはなりません。Yappli CRMは、下記の機能により各プロセスをフォローします。

 ■1to1のプロセスをフォローするYappli CRMの機能

プロセス 施策機能
Input(データ取得) スタンプ・バーコードの読み取り、チェックイン、ボタンタップ、QRコードなど
Process(顧客理解) 顧客をセグメント化、顧客が商品やサービスを求める瞬間を「モーメント」として登録
Output(アクション) 1to1配信、トリガー配信、セグメント配信、クーポン付与、ポイント付与、コンテンツ提供など

シームレスなサービス連携

Yappli CRMで取得した顧客データは、メールやDB(データベース)、MA(マーケティング・オートメーション)、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)といったサービスと連携可能です。複雑な設定やシステム構築は不要で、シームレスに連携を実現できます。CRMシステムを導入するにあたって、既存の社内システムとスムーズに連携できるかどうかは重要なポイントのひとつです。多様な外部サービスと連携可能なYappli CRMは、社内で蓄積してきた顧客情報を活用していく上で有効なツールとなるでしょう。

CRMシステム導入時に取り組むべきこと

CRMシステムは顧客管理を支援する強力なツールですが、導入しただけで即座に有効性を発揮するわけではありません。CRMシステムを導入するにあたっては、下記の3点を必ず実施しておくことが大切です。

目標を明確にしておく

CRMシステムは、あらゆる顧客情報を蓄積できるため、自社にとって必要な情報を見定めておく必要があります。あらかじめ、CRMシステムによって解決したい課題や達成したい目標を定め、導入する目的を明確化しておきましょう。

クロスセルによって売上伸長を目指すことが目的であれば、既存顧客が抱える課題の明確化や、課題解決によりクロスセルに成功した事例を共有することがCRMシステム導入の具体的な活用法となるはず。例えば、「クロスセルによる売上◯%増」といった明確な目標を定めることによって、CRMシステムをどう活用するかが絞られていきます。

目標が不明確なままCRMシステムを導入した場合、「やるべきことが増えた」「入力が面倒」といった反応が営業担当者から返ってくることが予想されます。CRMシステムを導入する目的を周知徹底するためにも、初めに目標を明確にしておくことは非常に重要です。

戦略を構築しておく

CRMシステムありきではなく、戦略ありきの状況を作っておくことも大切です。顧客情報が一元化されるCRMシステムを活用すれば、顧客の深層ニーズも見えてきます。その深層ニーズにリーチするためには戦略が必要です。例えば、顧客ごとにカスタマイズされた商品やサービスは具体的にどのように提供していくべきか、戦略を構築しておくと良いでしょう。また、顧客が製品やサービスを利用した後も、手厚いカスタマーサポートを提供するなど、顧客体験の隅々まで戦略を明確にしておけば顧客満足度の向上に寄与します。ぜひ、自社が強みとするサポートや商品の特性を最大限に活かせる戦略を構築しておいてください。

戦略を構築することによって、CRMシステム上で抽出・分析するべき情報の判断軸が形成されます。CRMシステムを選ぶ際にも、抽出・分析したいデータが扱いやすいツールかどうかを基準に選べるはずです。戦略が不明確なままCRMシステムを導入すると、ツールの運用という手段が目的化してしまうおそれがあります。戦略を実現するためのツールとして、CRMシステムを位置づけることが非常に重要です。

評価指数を定めておく

CRMシステムは多彩な切り口でデータを分析できますが、分析から得られた結果をどのように評価するのかを決めておくことも重要です。評価指数に応じてとるべきアクションも、事前に定めておきましょう。例えば、「CRMシステムから配信したメールの開封率」が、一定の評価指数を下回ったら改善が必要と捉え、メールを配信する時間帯を変えるなどの軌道修正を行うのです。

CRMシステムは顧客情報の管理に役立ちますが、活用する目的やデータの評価方法は、企業に委ねられています。CRMシステムの導入・運用が目的化しないよう、達成するべき目標や評価指数を定めておく必要があります。

CRMシステム導入時の注意点

これまでCRMシステムの主な機能やメリットなどを紹介してきましたが、自社にCRMシステムを導入する際には、気をつけたいポイントもあります。具体的に注意すべき点を見ていきましょう。

自社に適したCRMシステムであるか調査する

現在、販売されているCRMシステムには、クラウド型や、自社にサーバーやネットワークなどのインフラを構築するオンプレミス型のシステムなど、さまざまな提供パターンがあります。製品によって料金体系は異なりますが、初期費用が発生するケースは多いといえます。つまり、「気軽に試して、自社に合わなければ解約」といった選択の仕方は、コストが無駄にかかるため現実的ではありません。CRMシステムを導入する前には、しっかり調査を行い、自社の運用に適している製品であるかどうか検討をする必要があります。

管理画面は見やすいか

管理画面の見やすさは大きなポイント。管理したい項目が多くなるほど管理画面は複雑になっていきがちなので、画面のレイアウトや表示項目などをチェックしましょう。また、意外と見落としがちなのが、デザイン面。管理画面は毎日のように目にすることになるので、直感的に使いたくなるかどうかは大切です。画面が見づらいと顧客の情報が把握しにくく、使うモチベーションも起きにくいと、せっかく導入したのにあまり活用されないという事態に陥る可能性があるため、見やすさや直感的な印象は重要なポイントです。

誰でも簡単に操作できるか

簡単に操作できるかどうかも確認しておきましょう。営業部門やマーケティング部門、商品開発部門など、様々な社員が顧客情報の登録や更新、検索などを行う社内体制になるのが理想ですが、操作が複雑だと活用される機会は減っていき、システム本来のポテンシャルを発揮できなくなる恐れがあります。また、ITリテラシーが高い社員の方が多少操作性が悪くてもすぐに適応しやすく、結果的に属人化に繋がる可能性があるため、なるべく多くの人が迷わず使えるようなものを選びましょう。

オープンソースソフトウェアのCRMシステム導入には、システムエンジニアが必要

コストが導入の最大のハードルとなる場合は、無償で導入できることの多い「オープンソース」のCRMシステムを一考するのも手です。オープンソースのソフトウェアとは、無償で提供されているソフトウェアのことを指します。フリーソフトとの違いは、ソフトウェアのソースコードが公開されている点です。ソースコードが公開されているということは、自社に優秀なシステムエンジニアがいれば、導入・運用からソースコードの改変まで可能ということです。

ただし、自社内にオープンソースソフトウェアを理解できるシステムエンジニアが在籍していない場合は、導入も継続的な利用も困難となります。エンジニアを外部に依頼している場合、導入はできたとしても、トラブルが起きた際の修復が遅れ、運用に悪影響が出るといったリスクは覚悟しておいたほうがいいでしょう。

ノーコードCRMシステム「Yappli CRM 」という選択肢も

CRMシステムを手軽に導入したい場合は、プログラミング技術がなくても使える、いわゆるノーコードのサービスを活用するのも有効です。例えば本メディアを運営する株式会社ヤプリが提供する「Yappli CRM」もその一つ。下記に、誰でも気軽にCRMを始められるYappli CRMの主な特徴をご紹介します。

<Yappli CRMの主な特徴>

CRMに必要な機能がオールインワン

Yappli CRMには、CRMに求められる会員登録・認証・情報管理といった機能が、オールインワンで備わっています。複雑なシステム構築は不要で、アプリを軸として顧客管理システムの導入・運用が可能です。管理画面はノーコードで使い始めることができ、目的とする施策をスピーディーに実行できます。

ポイントや電子マネーを発行・管理

購買頻度や顧客単価の向上に寄与するポイントや電子マネーの発行・管理も、Yappli CRMにてワンストップで実現可能です。会員ランク別のポイント発行にも対応しており、顧客体験の改善に役立ちます。外部サービスと連携する必要はなく、Yappli CRM内で完結するので、煩雑な初期設定は必要ありません。

One to Oneマーケティングを実現

Yappli CRMは、顧客ごとのタイミングに合わせたプッシュ通知や、ポイント・クーポンの付与も可能です。多彩なシナリオ設計ができるので、顧客一人ひとりに合わせたOne to Oneマーケティングを実現できます。シナリオごとに顧客分析を行うことで、施策の効果検証や改善にも役立つでしょう。

シームレスなサービス連携

購入データだけにとどまらず、購買後の行動データも含めて取得できるのがYappli CRMの特徴です。シームレスなサービス連携により、既存のシステムも有効活用できます。顧客の行動分析データを外部メールサービスやMA、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)といったサービスと連携させ、マーケティング施策に活かすことも可能です。

まとめ:データドリブンマーケティングを進めていく上で、CRMシステムは必要不可欠

新規顧客の獲得が容易ではなくなりつつある今、既存顧客とのつながりを強化し、LTVを向上させていくことは事業者にとって重要な課題です。CRMシステムは、顧客との関係性を良好に維持するだけではなく、より戦略的に優良顧客を育てていく施策を叶えてくれます。今回解説してきたとおり、CRMシステムには顧客情報をマーケティング施策に活用するための機能が備わっています。データドリブンマーケティングを進めていく上で、CRMシステムは必要不可欠なツールとなっているといっても過言ではないでしょう。

本記事をご覧になって、もしCRMシステムの導入を検討しようと思ったら、ぜひ「Yappli CRM」も選択肢の一つに入れてみてください。また、アプリ開発や、アプリを活用したマーケティング施策などに関する情報を定期的に発信していますので、気になるものがあればどうぞお気軽にご覧になってください。資料請求はこちらからどうぞ。

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