モバイル時代のCRM入門。顧客管理はアプリから始めるのが正解!?

「顧客ともっとつながりたい」「また買いたいと思ってもらいたい」。そう考えるマーケターであれば、「CRM( Customer Relationship Management:顧客関係管理)」という単語自体はおなじみのはずです。ポイントカードを作ったり、ロイヤルティプログラムを実施したりと、既にCRMに取り組まれている企業も多いでしょう。しかしながら、思うように成果が出ない、リソースがかかって効率が悪いという声も良く耳にします。

本記事は、「CRMによってもっと成果を出したい」「CRMをこれから始めてみたい」と考える方に対して、アプリで始めるモバイル時代の新しいCRMの方法について解説します。

顧客管理が重要となる背景

まず、顧客管理が重要となる背景について、簡単におさらいしておきましょう。

新規顧客の獲得コストの上昇

新規顧客の獲得には、既存顧客維持の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」を聞いたことはないでしょうか? 自社の商品・サービスに興味を持つかどうかわからない消費者に向けてメッセージを発信し、購入に至らせるのは労力がかかります。また、近年では、各社のブラウザがサードパーティCookieをブロックすることで、従来のようなリターゲティング広告が難しい「クッキーレス時代」に突入しています。

そのため、一度でも自社の商品・サービスを購入・体験したことがある既存顧客との関係維持・強化が改めて注目されているのです。

DMやカタログ送付の効率化

80%の売上を20%の顧客が占めるという、いわゆる「パレートの法則」。やみくもにDMやカタログを送るのではなく、この「20%」に絞ってコミュニケーションを取ることができれば、カタログの印刷コスト削減をはじめとした業務効率化が実現できます。購買貢献の高い上位顧客を見つけるためには、データの分析が欠かせません。このデータ分析のために、CRMが必要とされているのです。

One to Oneコミュニケーションの実現

マス広告とデジタルチャネルでのコミュニケーションの大きな違いは、メッセージを伝えたい相手の属性に応じて、内容を変えられる点にあります。究極的には、消費者一人ひとりに違ったメッセージを届けることで大きな効果を発揮できるでしょう。こうした、それぞれのニーズに合わせた最適なコミュニケーションを実施する考えを「One to Oneコミュニケーション」と言います。具体的には、レコメンデーションやメール・DMのカスタマイズ、掲載ページの出し分けなどが該当します。One to Oneコミュニケーションが発達すると、自分が見ている画面が、他のユーザーが見ているものとは異なるという状態が日常的になります。

現代では、より顧客を深く分析し、最適なメッセージを届けられるよう、CRMは技術的に進化しています。

以上が、顧客管理が必要とされる背景になります。なお、CRMと似た位置付けのツールにMA(マーケティングオートメーション)があります。CRMが購入・成約後の顧客管理を担うのに対し、MAは購入前の見込み顧客(リード)を対象としており、ターゲットや目的が異なります。MAについて詳しく知りたい方には下記の記事がおすすめです。

マーケティングオートメーション(MA)とは?アプリ担当者が知っておきたいメリットと課題

顧客管理のメリット

それでは、顧客管理を行うことで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

データを蓄積できる

CRMを導入することで、顧客の情報を一元管理することができます。データドリブンでマーケティング施策のPDCAを回していくためには、社内に分散する顧客情報をひとつにまとめる必要があります。また、個々の従業員が、自分が持っている顧客情報を元に個別にコミュニケーションを取っていては、業務が属人化してしまいます。CRMによって、このような属人化を防止することも可能になります。

顧客情報の社内共有

蓄積したデータは、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、各部署の担当者で共有することで、最大の効果を発揮します。なお、CRMで共有される顧客情報には、下記があります。

-デモグラフィック情報→性別、年齢、住所などの属性情報
-RFMランク→最終購入日、来店頻度、購入金額などの購買情報

顧客体験の向上

CRMによってより正しく、より深い顧客理解が可能になるため、適切なコミュニケーションを実施することで、顧客体験も向上します。顧客体験(CX)とは、顧客が企業と関わる全ての接点で感じる価値・経験のこと。例えば、コーヒーを飲むときにスターバックスを選ぶユーザーは、単にコーヒーの価格や味だけではなく、店内の雰囲気や、そこで過ごす時間にも価値を感じているはずです。そして、スターバックスには「Starbucks Rewards®」という会員プログラムがあります。これにより、顧客はお得な特典を受けることができるため、さらに顧客体験が向上するというわけです。

顧客管理はアプリとなぜ相性が良い?

1990年代後半にアメリカで提唱されてから20年以上の試行錯誤を経て、マーケティング手法として普及したCRM。しかしながら、思うような成果が出ない、細かく施策を実施できるようになったは良いが業務量が膨大になった、という悩みを持つマーケターも多くいます。そこで注目を集めているのが、スマートフォンアプリとCRMの組み合わせです。

これまでのCRMの問題点

テクノロジーの発展やツールの進化にともない企業側でできることが増えた反面、本来は顧客体験を向上させるための施策であったはずのCRMが、かえって、顧客にとって迷惑なメッセージを生み出す要因になってしまっているケースもあります。頻繁に送られてくるメールマガジンや、一方的なセールス電話。CRMを語るときによく使用される「囲い込み」という言葉は、まさに企業都合、ツール目線で顧客視点がないがしろになってしまっていることを象徴しています。

こういった問題の背景には、不十分なデータをもとに施策を実施していることが挙げられます。顧客管理の目的は、新規顧客をロイヤル顧客に引き上げ、関係を維持すること。しかし、すでに何度も商品・サービスを購入しているロイヤル顧客と比べて、新規顧客はまだ1回分の購買データしかありません。たった一度の購買行動をもとに、その商品の中身や購買時期、購買チャネルを分析しても、深いインサイトは見つからないのは当然です。結果、「購買後にクーポンを発行してまた買ってもらおう」という短絡的な発想から、単にクーポンを乱発する施策に陥ってしまうのです。

CRMで成果を出すためには購買後データが重要

そもそも「購買行動」は顧客にとってスタート地点に過ぎません。購入後に商品・サービスを使用し、ジョブ理論で言われるような「用事を解決」して満足することが、顧客にとってのゴールなのです。CRMの本質は「顧客視点でエンゲージメントを高め、長期的関係の中で顧客満足と企業利益を両立させること」ですから、企業は購入後に顧客が満足しているか、という部分にまで寄り添うべきなのです。そのためにも、「購買後」のデータを取得することが重要です。

スマートフォンアプリは、新規購入後のアクションデータが取りやすいというメリットがあります。顧客が反応した施策、閲覧したコンテンツ、アンケートなどに加え、位置情報や写真などアプリの特性を生かしたデータも獲得できます。こうした行動データを取得することで、成果の出るCRMが実現できるのです。

アプリ×CRM成功事例

ここでは、アプリ×CRMの先進的な事例として、ナイキアプリについてご紹介します。

「ナイキアプリ」が日本でスタートしたのは2018年12月のこと。ナイキでは、このスマートフォンアプリを新たなCRM戦略のプラットフォームとして位置付けていました。具体的には、ユーザー属性や購入データだけでなく、Webサイトなども含めた行動データも統合。ナイキアプリをプラットフォームとして、徹底的なパーソナライズを目指しています。

特にトレーニングアプリ経由で集めたユーザーのトレーニングデータは、ナイキならではと言えるでしょう。ユーザーのトレーニング状況に応じて最適な商品や購入時期を予測、アプリで通知するということも今後実現するかもしれません。

ECアプリとしての機能が強いナイキアプリですが、コンテンツにも力を入れています。トレーニングやスポーツに関する情報だけではなく、アスリートに関する情報もアプリで配信し、ユーザーの再来訪につなげています。アプリの豊富な機能を活用することで、顧客との接点強化を実現していると言えるでしょう。

サービス紹介:「Yappli CRM」

アプリを起点としたCRMについて理解が深まったでしょうか?

本メディアを運営する株式会社ヤプリでは、アプリからはじまるノーコードCRM「Yappli CRM」を提供しています。従来のシステムは不要で、アプリを軸に誰でも簡単に顧客管理を実施することができます。ポイントカードや電子マネーの発行にも対応しています。詳しくはこちらをご覧ください。

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