マーケティングオートメーション(MA)とは?アプリ担当者が知っておきたいメリットと課題

アプリ担当者の中には、マーケティングオートメーション(以下、MA)が気になっているという方も多いのではないだろうか。事実、日本のMA市場はただいま急成長している。2017年の調査でも市場規模は300億円超、前年比23%増と言われている。(※)

※出典:「DMサービス/MAサービス市場に関する調査を実施(2017年)」矢野経済研究所(http://www.yano.co.jp/press/press.php/001771

WebやSNS、スマートフォンアプリなどチャネルは多様化している時代。MAの導入が必須になる時代も近い。直近の導入予定がなくても、MAの基本は知っておきたいところだ。

この記事をご覧の方にぜったい見て欲しい無料eBook!

ブランディングを成功させるためには顧客について深く理解する必要があり、そこで有効活用したいのが「顧客データ」です。そこで、データを使ってどのように集客やマーケティング施策に活用していくかについてまとめた無料eBookをプレゼントします!ちょっとしたスキマ時間で気軽に見れるボリュームなので、ぜひ一度ご覧になってみてください!

ファンをつくり、選ばれるブランドになる方法 顧客中心のデータドリブンマーケティングとは?

MA(マーケティングオートメーション)の定義

MAとは、簡単に言うと「1つのソフトウェアでマーケティング活動を一元管理できるツール」のこと。

マーケティングではメール配信ツール、アクセス解析ツール、広告管理ツールなど複数のツールを使い分けるのが一般的だ。一方、1つのツールに集約しマーケティングを効率化・最適化できるのがMA。アメリカでは1990年代から登場しているが、日本では2014年頃から注目が集まっている。

MAの主な機能

 MAツールによって機能は異なるが、代表的なMAの機能は以下の2つに集約される。

(1)各種プロモーションのパーソナライズ化

MAではメール配信機能やCMS機能なども搭載されていて、ユーザーの属性や行動にあわせて最適なコンテンツを動的に表示できる。

(2)リード(見込み客)の管理

サイトの閲覧や問い合わせ、購買といったリードの行動を把握できる。つまり成約・購買につながりやすいユーザ―かどうかを判別するのに役立つ。

CRMとMAの違いとは

「すでにCRM(顧客管理システム)を使っているからMAは不要」と考える方もいるかもしれない。CRMとMAはターゲットと目的が異なるため、注意が必要だ。

CRMは本来、顧客情報を管理するためのもの。例えば成約後のフォローやユーザーサポート、顧客ロイヤリティ調査など、基本は顧客になったユーザーが対象だ。リマーケティングに使うケースはあるが、新規顧客を開拓する機能は持たないCRMツールが多い。CRMはサポート部門で使い、マーケティング部門は別のツールを使うという企業も多いだろう。

一方MAは、顧客になる前のリード(見込み)がメインターゲット。リードになりうるユーザーを絞り込んだり、見込みのあるリードへ購買・成約につなげたりすることが目的だ。ユーザーは多いが見込みのあるリードが増えない、というときはMAが役立つ。

CRMについてより詳しく知りたい方には下記の記事がおすすめです。

モバイル時代のCRM入門。顧客管理はアプリから始めるのは正解?

MAを導入する3つのメリット

(1)マーケティングにかかる作業の効率化

メールやコンテンツを自動でユーザーごとにパーソナライズ化できるため、作業工数の削減につながる。また人的ミスの減少につながるというメリットもある。

また、プロモーションに関するデータが集約されているため、集計作業やレポーティングの作業効率もアップする。

(2)リード獲得・育成ができる

MAでは、複数のチャネルでコンテンツやメールの内容を動的に出し分けられる。そのため、よりユーザーにマッチする情報を発信できることとなり、リードとの関係強化につながる。

(3)プロモーションの効果測定によりPDCAが回しやすくなる

各種プロモーションをまとめて管理・分析できるため、社内外の関係者と情報共有がしやすい。タイムリーな分析ができれば迅速に次のプロモーションに活用でき、PDCAサイクルを回しやすくなるメリットがある。

MAの4つの課題

(1)導入準備が必要

営業やサポートなど、マーケティング部門以外にも影響範囲が広いため、導入には準備が必要。する必要がある。場合によっては社内ワークフローを見直すこともあるため、時間をかけて導入を進める必要がある。

(2)ソフトウェア・ツールの見直しが必要

MA導入時には、現在使っているメール配信ツールやCMSなどをリプレイスする可能性もある。切り替える場合はデータの移行やオペレーションの見直しが発生する。

意外と見落としがちなのが、スマートフォンのアプリ。アプリも重要なマーケティングチャネルとなる中、MAと連携できるかどうかは重要だ。アプリ開発・分析ツールがMAに対応しているかどうか確認しておきたい。

(3)コンテンツボリュームが必要

ユーザーごとにコンテンツを動的に出し分けられるのが、MAの大きな特徴のひとつ。そのため、ある程度まとまったコンテンツを準備する必要がある。Webやアプリ、SNSなど複数チャネルを前提に考えると、一定のボリュームでコンテンツを制作できる体制が必要だ。

(4)リードスコアリングのためのスコア設計が必要

リードスコアリングによって、狙うべきリードを絞り込めるのがMAのメリット。(※リードスコアリングとは、リードの行動に点数をつけ、採点結果で購買意欲を計るというもの)

ただし、リードスコアリングには入念なスコアの設計が不可欠となる。スコア設計には高度なスキルが求められ、設計に失敗したためにMAが機能しないというケースもあるので注意したい。