飲食店や美容室など、実店舗の事業を成功させるには集客力を上げることがとても重要となります。そして集客をする上でWebの活用は、今や欠かせない施策のひとつです。一方で、Webを使ってどのように集客をすればいいのかわからない方も少なくないでしょう。今回は、店舗のマーケティング担当の方に向けたWeb活用による店舗集客のコツとして、7つの施策をご紹介します。Webによる店舗集客の注意点など、実践的な情報も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
店舗集客にWeb活用が必要な理由
店舗集客にWebを活用する事業者は数多く見られます。まずは、店舗集客にWebが活用されている背景を整理し、Web活用が必要とされている理由を確認していきましょう。
顧客行動の変化に対応するため
スマートフォンが普及した現代において、消費者にとっての情報源はWebやアプリが中心になっています。気になる店舗について調べる際、WebサイトやSNS、地図アプリなどを活用することは、世代を問わず自然な行動といえるでしょう。その状況はつまり、Web上で店舗情報が見つからなければ消費者の利便性が損なわれるということ。顧客行動モデルの変化に対応し、顧客の利便性を確保するには、Webの活用が今や必須となっているのです。
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O2Oマーケティングを実践するため
店舗集客でのWeb活用が広まるにつれて、実店舗とWebを連携させるO2O(Online to Offline )マーケティングも広く認知されるようになりました。Webで受け取ったクーポンを店舗のレジで提示すると購入額が割引になるといった手法は、O2Oマーケティングの典型的な事例といえます。O2Oマーケティングを実践するには、Webの活用が欠かせません。多くの店舗がWebの活用によってO2Oマーケティング施策を展開し、集客を加速させているのです。
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Webを効果的に活用した店舗集客の施策7選
店舗集客を推進するには、さまざまな施策を講じることが大切です。続いては、Webを効果的に活用した、集客効果を高める7つの施策をご紹介します。
1.SEO
SEOは、GoogleやYahoo!の検索結果に、自店舗のWebサイトを上位表示させるための施策です。ユーザーが店舗名で検索した場合はもちろんのこと、関連キーワードで検索した場合にも、店舗情報を上位に表示させることを目指します。本格的にSEOを講じるのであれば、Webサイト内に関連キーワードを盛り込んだコンテンツを充実させる必要があります。また、Webサイトのコンテンツを充実させることはもちろんのこと、サイトの見やすさや利便性を高めることも、SEOには不可欠です。近年はスマートフォンでWebサイトを閲覧するユーザーが増えています。スマートフォンの画面での表示に最適化したレスポンシブWebデザインは、ユーザビリティの観点から必要な対策といえます。
下記に、SEOの具体的な施策と、メリット・デメリットをまとめました。自店舗のWebサイトに何が足りないのか、確認してみましょう。
■SEOの具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | 検索からの自然流入により、自店舗のWebサイトのアクセス向上を図る |
具体的な施策 | ・キーワード最適化
・ページ構造の最適化 ・レスポンシブWebデザインへの対応 ・コンテンツの充実化 ・内部リンクの設置 ・被リンクの増強 ・表示速度の改善 |
メリット | ・上位表示が実現すれば、高い集客効果が期待できる
・ニッチなキーワードであれば、すぐに上位表示される可能性もある |
デメリット | ・ビッグキーワードで上位表示を狙うのは困難
・具体的な施策には時間と費用が必要 |
2.Web広告
Web広告の代表例としては、検索キーワードに応じて店舗や商品の広告を表示させる「検索連動型広告」や、SNS広告によって集客する施策が挙げられます。それらの施策は、関連するキーワードに関心のあるユーザーに訴求するため、効率良く集客をすることができます。エリアやユーザー属性を特定して広告を表示することもでき、ターゲットを絞って訴求することも可能です。一方、それらの施策は主に、ユーザーがクリックするごとに費用が発生するため、広告費にゆとりを持つ必要がある点がデメリットです。また、配信する広告の質やタイミングによって効果が大きく左右されるため、広告設定のチューニングが欠かせません。
Web広告は、運用に関する知識が求められる施策ですが、セール情報やイベント告知に高い効果を発揮することもあります。ターゲットが明確な業態の場合は、試す価値のある施策といえるでしょう。
■Web広告の具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | クリック課金型広告でユーザーを自店舗のWebサイトへ誘導する |
具体的な施策 | ・検索連動型広告
・SNS広告 |
メリット | ・関連キーワードに関心のあるユーザーにリーチしやすい
・エリアやユーザー属性を絞って訴求できる |
デメリット | ・広告費がかかる
・Web広告運用に関する知識が求められる |
3.SNS運用
自店舗のSNSアカウントを作成し、店舗情報を発信するSNS運用も、店舗集客の主な施策のひとつです。すでに多くの見込み客が日常的に利用しているSNS上で情報発信をすることで、広告費をかけずに集客しやすい点が大きなメリットといえます。「いいね」やシェアが増えれば、短期間で爆発的に情報が拡散される可能性を持っているのがSNSによる集客の魅力です。
ただし、SNS運用を集客につなげるには、一定以上のフォロワーを集めたり、あるいはいわゆる”バズ”と呼ばれる、何千人、何万人もの人が見るようなコンテンツを作る必要があります。バズを生むのはそう簡単ではなく、再現性もあまりないので、基本的には魅力的なコンテンツを継続的に投稿し、SNSユーザーの支持を長期的に得なくてはなりません。集客に役立つツールとなるまでには時間がかかることを理解した上で、じっくりと取り組むべき施策といえるでしょう。
■SNS運用の具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | SNSの自店舗アカウントで情報を発信し、認知度を高める |
具体的な施策 | ・店舗や商品に関する情報を投稿する
・キャンペーンやイベント情報を発信する |
メリット | ・費用をかけずに集客できる
・短期間で爆発的に情報が拡散される可能性もある |
デメリット | ・集客効果を得るには一定以上のフォロワー数が必要
・効果が表れるまで時間を要することがある |
>>SNS運用について詳しくはこちらの記事もぜひご覧ください
4.MEO
MEOは、Google マップの検索結果に上位表示させるための施策です。MEOとは、Map Engine Optimizationの略であり、「マップエンジン最適化」という意味を持ちます。Google ビジネスプロフィールに店舗情報を登録することで、集客のための施策をすぐに始められる点が特徴です。Google マップで店舗情報を検索するユーザーには、「店舗の場所を知りたい」「予約した店の情報を知りたい」といった明確な目的があるケースが少なくありません。MEOは、前述のSEOと比較して検索対象の競合が少なく、地域密着型の店舗ビジネスとの親和性も高いことから、集客効果の高い施策として注目を集めています。
反面、Google マップは、ユーザーが口コミを自由に投稿できる点には注意が必要です。ネガティブな口コミが投稿されても、明らかに虚偽の内容でない限り削除依頼には応じてもらえないこともあります。口コミに対しては丁寧に返信するなど、きめ細かな対応が必要な点を理解しておくことが大切です。
■MEOの具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | Google マップの検索結果に店舗情報を表示させる |
具体的な施策 | ・Google ビジネスプロフィールに店舗情報を無料で登録する |
メリット | ・店舗の場所を知りたいユーザーにリーチしやすい
・地域密着型の店舗ビジネスとの親和性が高い ・SEOと比べて検索対象の競合が少ない |
デメリット | ・ネガティブな口コミが投稿される可能性がある
・運用代行サービスに依頼する場合は費用がかかる |
5.ポータルサイトの活用
ポータルサイトに店舗情報を掲載するのも、主な集客施策のひとつです。飲食店であれば「食べログ」や「ぐるなび」、美容室であれば「ホットペッパービューティー」などの活用が想定されます。ポータルサイトのユーザーにアプローチできるため、店舗のWebサイトだけではリーチすることが困難な潜在層に対しても集客できる点がメリットです。ただし、店舗情報の掲載は有料であり、プランに応じて露出度に差がつく仕組みになっています。また、すでに多数の店舗が同一ジャンルに掲載されている場合は、店舗情報が埋もれてしまう可能性も否定できません。ポータルサイトを活用する場合には、費用対効果を慎重に見極めることが大切です。
■ポータルサイト活用の具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | ポータルサイトに店舗情報を掲載して集客する |
具体的な施策 | ・ポータルサイトに掲載料を支払い、店舗情報を登録する |
メリット | ・サービス内のユーザーにアプローチできる
・掲載プランによっては高い露出度が期待できる |
デメリット | ・掲載料がかかる
・同一ジャンルに競合が多いと、店舗情報が埋もれる可能性がある |
6.アプリを使った集客
広義のWeb集客として、アプリを集客に活用することも有効な施策といえます。アプリを通じてユーザーに有益なコンテンツを配信したり、プッシュ通知を活用して効率良くメッセージを届けたりすることは有効な施策のひとつです。Webにはないアプリの特性を活用することで、より高い集客効果が期待できるでしょう。アプリを使った集客は、既存顧客との関係性を深めていく上でも有効です。例えば、SNSで新規顧客獲得のための情報を幅広く発信し、アプリで既存顧客との関係性を深めていくといった使い分けをすることもできます。
なお、アプリはインストールしてもらうまでが高いハードルとなるため、ほかの施策と組み合わせて顧客のファン化を促していく必要があります。顧客がアプリをインストールするハードルを越えることができれば、アップセルやクロスセルを実現するためのツールとして有効活用ができるはずです。
■アプリを使った集客の具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | 自店舗のオリジナルアプリを配信する |
具体的な施策 | ・アプリ内でオリジナルコンテンツを発信
・プッシュ通知を活用したキャンペーン情報の発信 ・アプリ内でのユーザー行動の分析 |
メリット | ・プッシュ通知など、Webにはない機能を実現できる
・既存顧客との関係性を深めるのに有効 |
デメリット | ・アプリをインストールしてもらうための工夫が必要
・アプリの開発・制作費がかかる |
7.予約システムの導入
自店舗のWebサイト内に予約システムを導入することで、予約の取りこぼしを防ぐ効果が期待でき、リピート利用に繋がる可能性も高まります。顧客にとって「予約方法がわからない」ことは、他店を選んでしまう直接的な動機となるため、わかりやすい予約の仕組みを整備しておくことが重要です。予約システムの導入は、顧客側の利便性が高まるだけでなく、自店舗側としても予約受付が簡素化するメリットがあります。時間帯を問わず予約を受けつけられる仕組みが整備されれば、人件費を削減する効果も得られるはずです。
ただし、先に挙げたように予約システムそのものが集客を直接的に後押しするわけではないことには注意が必要。ほかの施策と組み合わせることにより、検討中の顧客の背中を押すための仕組みと捉えましょう。
■予約システム導入の具体的な施策とメリット・デメリット
集客方法 | 自店舗のWebサイトから予約受付が可能な仕組みを構築する |
具体的な施策 | ・Webサイト上に予約ボタンを設置するなど、ユーザビリティのある予約システムを導入する |
メリット | ・顧客にとって予約方法がわかりやすくなり、利便性が向上する
・自店舗の予約受付オペレーションが合理化される |
デメリット | ・予約システム自体が集客に直結するわけではない
・Webサイトへの導入や予約サービスの選定などの工程が発生する |
Webによる店舗集客の注意点
Webによる店舗集客は高い効果が期待できる反面、注意しておくべきポイントもあります。Webを店舗集客に活用する際には、下記の4点を必ず意識しておきましょう。
店舗のブランドイメージを固める
WebやSNSで発信する情報は、店舗による公式情報となります。そのため、顧客の目に店舗がどう映るのかを分析し、ブランドイメージを固めておく必要があります。例えば、リーズナブルな料理を提供する飲食店であれば、親しみやすさや使い勝手の良さをアピールしたほうが効果的でしょう。SNS運用やWeb広告で集客を目指す際は、店舗のブランドイメージに合ったメッセージを発信し、狙いどおりのターゲットに情報が届く確率を高めていくことが重要です。
顧客行動を踏まえた導線を構築する
Webを活用した集客では、店舗情報を得た顧客がどのように行動するのかを理解し、先回りして導線を構築しておくことが重要です。Webにおける消費者行動モデルとしては、「AISAS」などが知られています。
■AISASにおける消費者の行動プロセス
消費者行動 | 具体例 |
Attention(認知) | 店舗や商品の存在を知る |
Interest(関心) | より詳しく知りたいと感じる |
Search(検索) | WebやSNSで検索する |
Action(行動) | 店舗情報を確認して来店する |
Share(共有) | 来店後の感想をSNSでシェアする |
見込み顧客の醸成は、最初にインターネット広告などを見て商品やサービスについて認知(Attention)してもらうところから始まります。店舗のWebサイトやSNSアカウントを目にしている見込み顧客は、店舗に対する関心(Interest)と検索(Search)という段階をすでに踏んでいる可能性が高いと考えられます。ですから、Webサイトでは次の段階となる行動(Action)を促すことが大切です。Webサイトにはアピールポイントや店舗の所在地、店舗までの道順をわかりやすく示しましょう。
また、来店した顧客に対してSNSアカウントのQRコードを配布し、アクセスを促すのも有効な施策といえます。ポジティブな感想を投稿・シェア(Share)する顧客が増えれば信憑性の高い口コミが醸成され、より多くの顧客を引き寄せるからです。
費用対効果を考慮する
Webを活用した集客は、コストをかけようと思えばいくらでもかけることができます。しかし、肝心な集客効果が得られなければ、コストを回収することはできません。集客したいエリアやターゲット層を考慮し、費用対効果を十分に検討しておくことも大切です。
また、Webを活用した集客では、「時間」と「費用」のバランスを考慮する必要があります。SNS運用は無料で始められますが、効果的な集客につなげるには魅力的なコンテンツを考案・制作する時間を確保しなくてはなりません。費用を抑えられる分、時間を費やすことになる可能性が高いのです。Web運用のための予算と求める集客効果のバランスは慎重に見極め、順番に着手するべき施策を決定しましょう。
自分のWeb運用に対する知見を過信しない
Webによる店舗集客では、複数の施策を並行して進めるのが一般的な方法です。複数の施策を同時に展開することで、それぞれの施策に相乗効果が生まれて、より高い集客効果を得られます。
しかし、それぞれの施策が消費者行動にどのような影響を与えているのか分析・検証していくには、Web運用に対する高度な知見が必要です。インターネット検索をしただけでは、Web運用による店舗集客の効果的な施策は実現できない可能性もあります。そのため、Web運用の専門知識を持つプロの力を借りることも、検討しておく必要があるでしょう。
まとめ:顧客行動やニーズに合わせて最適なWeb集客を
店舗集客におけるWebの活用は、顧客行動の変化やO2Oマーケティングに対応していく上で重要な要素です。今回ご紹介した7つの施策を参考に、ぜひ店舗で導入できそうな集客方法を検討してみてください。Webを活用することで集客が加速し、多くの顧客で賑わう店舗を実現できるはずです。
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