アプリ活用で顧客ロイヤリティを向上するコツ

アプリの運用でそれなりのユーザー維持率を保っていても、社内から「本当にアプリとしての効果はあるのか?」「Webサイトだけで足りるのでは?」という意見が出るケースもあるだろう。

こんな時は、アプリの大きなメリットの一つである「顧客ロイヤリティ向上効果」をアピールしたい。

アプリと顧客ロイヤリティ、それほど関係がないようにも思える。ところが実は密接に関わっていて、実際にアプリで顧客ロイヤリティ向上に成功している事例も増えている。

ユーザビリティがよくなれば、顧客ロイヤリティも向上する!

Webサイトやメールマガジンよりもアプリが優れていることの一つが、「ユーザビリティがよい」という点。

例えばメールで情報を告知した場合、メールソフトを開いて該当するメールを探して…とユーザーが情報を見るまでには数ステップかかる。一方アプリならプッシュ通知により、ユーザーはワンタップで見たい情報にアクセスできる。

実はこのユーザビリティ、顧客ロイヤリティ向上にも影響すると言われている。

顧客ロイヤリティを表す指標として注目されているNPS。ある調査にてNPSとユービリティの指標であるSUSの相関を調べたところ、0.61という強い相関関係があることがわかった。(※1)

・NPSとは

Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略。顧客ロイヤリティを数値化する指標。ユーザーへ「商品を友人や家族にどの程度勧めたいか?」を10段階で回答してもらい、スコアで数値化する。

・SUSとは

System Userbility Scale(システム・ユーザビリティ・スケール)の略。IT系製品などのユーザビリティを数値化する指標。操作性や理解度について複数の質問をユーザーに行い、それぞれの点数を数値化する。

「使いづらいとユーザーが感じた時点で、顧客ロイヤリティが下がる」というユーザー心理はイメージがつきやすいかもしれない。逆に、ユーザーが使いやすいと感じることで、顧客ロイヤリティが上がっていくと言える。

※1出典:「ユーザビリティを向上させれば顧客ロイヤルティも上がるのか? 実際に調査してみた」(Web担当者Forum)https://webtan.impress.co.jp/e/2015/09/25/21091

・アパレルECでは、顧客ロイヤリティに「購入時の体験」が影響大

ユーザビリティの影響が大きいことを示すデータがもう一つある。「アパレルECサイトに関する調査」だ。顧客ロイヤリティの指標「NPS」向上に重要な要素として、「商品を探す時の体験」「購入時の体験」が上位という結果となっている。

具体的には「絞り込み・検索機能」「リコメンド機能」などが顧客ロイヤリティに影響するという結果が出ている。(※2)

※2出典:「アパレルECサイトの顧客ロイヤルティ(NPS)調査レポート」(Emotion Tech)
https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2017/apparel_ec_loyalty_report

まとめ

小売業界では、実店舗やECサイトなどのチャネルをシームレスにするオムニチャネル戦略をとる企業も増えている。

オムニチャネルにおいて、最もユーザーに近い存在がスマートフォンと言える。そこでスマートフォンアプリの機能を強化して、顧客ロイヤリティ向上につなげている事例も出ている。顧客ロイヤリティ向上のために、スマートフォンアプリの導入を検討してみると良いだろう。