ネットショップの集客方法とは?目的に合わせて選べる8つの方法を解説

ネットショップの売上を立てるための重要課題として、ショップへの来訪者を増やすこと、つまり集客力を高めることを挙げる方は多いのではないでしょうか。この記事では、自社のネットショップに多く集客するための具体的な方法や注意点を解説します。ネットショップを統括する方やマーケティングを担当する方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ネットショップの集客方法は大きく2種類に分けられる

ネットショップの集客方法は大きく、短期間で効果が見込める方法と、中長期的に取り組むことで大きな効果が見込める方法の2種類に分けられます。各種類ごとに詳しく見ていきましょう。

短期間で効果が見込める集客方法

まずは短期間で効果が見込めるネットショップの集客方法について解説します。

1.バナー広告

バナー(広告画像)を活用した広告で、ユーザーが閲覧するウェブサイトやSNS、無料アプリなどの広告枠内に表示されます。ユーザー層の属性、興味関心などと関連性の高いバナー画像を使い分けての配信が可能です。

・バナー広告で集客する際のコツ

ディスプレイ広告で効果的に集客するには、クリックを促しやすいバナーを作る必要があります。商品をきちんと紹介したいがために細かく説明文などを入れようとしがちですが、それは逆効果。ユーザーはバナーの内容をほんの一瞬で判断するので、端的かつキャッチーな内容に洗練させることが重要です。また、問い合わせや購入など、コンバージョン1件の達成に要する目標CPA(顧客獲得単価)や、ROAS(費用対効果)を明確に設定して運用し、効果測定や分析から改善につなげるのも大切です。

・バナー広告の集客における注意点

バナー広告はあらゆるサイトやアプリ上で散見されるものなので、ユーザーからするとあまり新鮮味を感じられないタイプの広告です。ゆえに、掲載する内容の出来が結果を大きく左右します。デザインやキャッチコピー制作に関する知見がない方が見よう見まねで作ったとしても、思ったような結果にはなりにくいかもしれません。外部の広告制作会社に依頼することも視野に入れて検討すると良いでしょう。

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2.SNS広告

SNS広告はディスプレイ広告の一種で、TwitterやFacebook、LINEなどに掲載される広告全般を指します。近年は欲しい情報を検索サイトではなくSNSで調べるユーザーも増えているなど、人々のライフスタイルにSNSは浸透してきています。そのため、SNS上に広告を出稿するショップも目立つようになってきました。それぞれのSNSのフォーマットに合わせた自然な形で広告を出せるので、ユーザーの気分を害することなく興味関心を持ってもらいやすいのがポイント。

・SNS広告で集客する際のコツ

各SNSは利用しているユーザーの属性や、好まれやすい内容が異なります。なので、自分たちのネットショップがどのSNSに適しているかを考えた上で出稿すると失敗するリスクを下げられます。例えばInstagramは主に20〜40代の女性に支持されているというデータが出ていますが、自分たちのネットショップで取り扱っている商品がこの層に響きにくいものであればInstagramでの出稿は控えるのが無難。取り扱う商品と同じジャンルのものがどのSNSでどういった人々が話題にしているのかをチェックするのがおすすめです。

※参考記事:【最新】4大SNSのユーザーについて学ぼう ― 目的・ターゲット別で効果的なPR戦略を!

・SNS広告の集客における注意点

それぞれのSNSのフォーマットに合わせた自然な形で広告を出せるのがSNS広告のメリットですが、全く広告に見えないようなクリエイティブにしてしまうと逆効果になってしまう可能性もあるので注意。ユーザー目線で考えてみると、フォローしている人の投稿かと思ってタップしてみたら急に見知らぬホームページに飛ばされるという、決して心地よいものとは言えない体験を作ってしまいます。かといって、広告色が強すぎるものだとそもそも興味を持たれないため、他社のSNS広告を分析したり、複数の広告を作って反応を見比べるなどして、自分たちのショップに合ったバランスに仕上げていくようにしましょう。

 

3.リスティング広告

リスティング広告は、ユーザーがGoogleやYahooなどで検索した際に、その結果ページに表示される広告のこと。例えば自分たちのネットショップで取り扱っている商品が財布やキーケースなどの革小物だとしたら、「財布」や「革小物 ブランド」などといったワードでの検索結果時に表示するように設定します。つまり、自社の商品カテゴリーに対して既に一定の関心を抱いている人々に向けた広告なので、高い反応率が期待できます。

・リスティング広告で集客する際のコツ

リスティング広告は基本的にテキストで構成される広告です。目に入った瞬間にユーザーの興味関心を喚起できるよう、広告文をなるべく短く、キャッチーにするよう心がけましょう。どのようなテキストにすれば良いのかの明確な答えはありませんが、そのヒントは身近なところに転がっています。例えば電車の中にある広告や、書店に並ぶ雑誌の表紙など、興味をかき立てられる一言は探せば多くあるので、意識的に身の回りを観察して参考にしましょう。

・リスティング広告の集客における注意点

上記で挙げた「財布」などは、いわゆる「ビッグワード」と呼ばれる、多くのユーザーがまず調べるであろうキーワードとなります。ビッグワードを用いて広告を出稿しようとすると、その分コストがかかってしまうので注意が必要。また、ITリテラシーが高いユーザーはリスティング広告そのものに見慣れているため、リスティング広告が表示されている部分を一切見ないことも十分あり得ます。誰でも少額から気軽に取り組めるのがリスティング広告の良さの一つですが、こういった側面があることも理解しておきましょう。

 

4.アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは一般的に「成果報酬型広告」と呼ばれ、その広告を通じて商品が購入された際に報酬=金額が発生します。言い換えると、購入されるまでは金額が発生しないので、予算に見合った成果を出しやすいのが魅力です。個人ブログサイトなどでこの広告がよく扱われており、ブログの運営者はその広告の商品についてブログ上で紹介し、広告のクリックと遷移先のショップでの購買を促進します。アフィリエイト広告を出稿する際は、ブログの運営者などに直接連絡を取ることも可能ですが、通常はASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)と呼ばれるサービスを使います。ASPはアフィリエイト広告を出稿したいショップと、アフィリエイト広告を掲載したいブログ運営者などが主に利用しており、ブログ運営者はASPに登録されている広告の中から自分のサイトに合ったものを選びます。

・アフィリエイト広告で集客する際のコツ

アフィリエイト広告を採用することで、「自分たちの商品が第三者によってどのように紹介されるのか」がわかります。つまり、どのような点が魅力に感じられるのかの客観的な意見を得られるので、他の施策を考える際の参考にすることができます。なので、アフィリエイト広告は他の施策と組み合わせて活用するのがおすすめです。

・アフィリエイト広告の集客における注意点

アフィリエイト広告をブログなどに掲載しようとする人のことを「アフィリエイター」と言いますが、アフィリエイターに選んでもらわないとそもそも広告を出すことさえできません。なので、自分たちのネットショップで取り扱う商品がアフィリエイト広告に適したものなのかは精査しておく必要があります。例えば商品を紹介するために専門的な知識が必要な場合は、アフィリエイターに任せるのではなく自分たちで紹介できる他の手法を選ぶ方が良いかもしれません。また、アフィリエイターが公開する記事内容が必ずしも自社のイメージとマッチするとは限りません。時には、アフィリエイターが報酬を得るために過大広告を行うケースもあるため注意が必要です。

5.ショッピング広告

ショッピング広告はGoogleが提供している広告の一つで、検索結果の上位部分に事前に登録しておいた商品画像や商品名、価格、ショップ名を表示させられます。先述したリスティング広告よりもさらに上部に画像が表示されるので、ユーザーにとってのインパクトが大きいのが特徴。デザイン性の高い商品との相性が良く、購入意欲をスピーディーにかき立てることができます。

・ショッピング広告で集客する際のコツ

画像の質が結果を大きく左右するので、商品が魅力的に見えるようこだわって撮影しましょう。自分たちのネットショップで取り扱う商品と同じカテゴリーのアイテムがどのような写真で掲載されているのかを見たり、Instagramなどでどのような写真がよく見られているのかをチェックすると良いでしょう。自分たちで撮るのではなく、プロのカメラマンに依頼することを視野に入れても良いかもしれません。

・ショッピング広告の集客における注意点

主に画像や価格などでアプローチするため、商品に込めた思いやコンセプトなどはショッピング広告からは伝わりにくいです。なので、広告からの飛び先にあたるネットショップページでは、画像や価格以外に伝えたいことをしっかりと記載しておくようにしましょう。コンセプトなどをしっかり伝えることで、商品購入だけでなくリピーターやファン化に繋がる可能性も高くなります。

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中長期的に取り組む集客方法

次に、中長期的に取り組むことで大きな効果が見込めるネットショップの集客方法をご紹介します。

1.SEO

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、特定のキーワードで検索した際に、検索結果で自社のネットショップを上位表示させる施策です。ユーザーが調べるキーワードは何かと考えることから始まるので、ユーザーの顕在ニーズにアプローチする手法と言えます。ネットショップを運営する上でSEOは避けて通れず、後述する「SNS運用」や「ブログ運営」でもSEOの考え方は活きてくるので、ぜひ腰を据えて取り組みたい施策です。

・SEOで集客する際のコツ

検索結果の中でどのページを上位表示させるかは、検索サイトのシステムによって自動で判断されます。なので、システムに優良なコンテンツであると思わせる必要があるのですが、システムの質も上がっているため、ただ検索ワードを記事の中に散りばめるような付け焼き刃のテクニックでは不十分。その検索ワードで調べるユーザーはどのような悩みや願望を持っているのかを突き詰めて、記事を読んで満足できるようなコンテンツをしっかりと準備することが大切です。

・SEOの集客における注意点

先述したようにSEOはユーザーの顕在ニーズを満たす手法なので、まだニーズが生まれていない人々にはアプローチしにくい点に注意しましょう。もし自分たちのネットショップで取り扱う商品が、今までになかったような斬新な特徴を持っていたり、全く新しいジャンルの商品である場合はSEOとの相性が悪いかもしれません。その場合は、後述するSNS運用などを通じて多くのシェアを狙っていくようにしましょう。

 

2.SNS運用

多くのユーザーが日常的に使っているSNSを活用する手法。自分たちでアカウントを取得し、おすすめ商品やセール情報、スタッフ紹介などのコンテンツを定期的に発信していきます。自分たちの投稿に「いいね」などの反応をしてくれたユーザーに対してこちらからアプローチすることもできるので、ユーザーと積極的にコミュニケーションをしたい時におすすめの手法です。

・SNS運用で集客する際のコツ

先述したSNS広告と同様、ユーザーの属性や好まれやすい内容はSNSによって様々なので、自分たちのネットショップとの相性についてはよく考えるようにしましょう。また、より多くのユーザーに自分たちのSNSアカウントをフォローしてもらうためには、高頻度で継続的に投稿する必要があります。そのため、よく陥りがちなのが投稿する内容が尽きてしまうこと。多くのショップで多かれ少なかれこの課題にぶつかっては対策を講じているので、ジャンル問わず多くのショップの発信内容を日々チェックして、参考にできる部分は積極的に取り入れていきましょう。

・SNS運用の集客における注意点

気軽に投稿できるのがSNSのメリットですが、ショップとして発信する以上、投稿する前にその内容は今一度見直すようにしましょう。ネットショップや企業がSNSを運営する際に、いわゆる「中の人」として、企業の発信ではあるものの、まるでいち個人としてリアルな声を発信する方が人気を集めやすい傾向があります。しかし、発信内容を見誤ると「炎上」するリスクが高いのがSNSの恐いところ。一度炎上してしまうと集客どころか、そのショップや企業に対するイメージが悪化してしまうので、管理体制を整えて運営するようにしましょう。

 

3.ブログ運営

外部ブログサービスを利用したり、ネットショップ内にブログページを設けて、そこを起点に有益な情報を伝える記事コンテンツを発信し続けます。いわゆるコンテンツマーケティングと呼ばれる手法で、ユーザーが知りたい情報などを提供し満足度を高めてから商品訴求に繋げます。

・ブログで集客する際のコツ

先述したSEO対策の考え方を参考に、ユーザーがどういった検索キーワードでブログまで辿りつけるかを考えて、検索ニーズを満たせるようなコンテンツを用意できると来訪者も次第に増えていきます。また、ブログに来訪しているならほぼ集客できているも同然だと思われるかもしれませんが、ネットショップの商品が気になって訪れているのではなく、記事コンテンツのみに興味を持って訪れているユーザーももちろん多くいます。なので、ユーザーの関心を自社の商品に結びつけるために、ブログページ内に商品紹介ページへのリンクを貼ったり、「関連記事」や「おすすめ記事」として商品紹介記事の案内をするよう工夫しましょう。

・ブログでの集客における注意点

「ユーザーの関心を自社の商品に結びつけるのが重要ならば、そもそもブログの内容を自社商品の紹介だけにすれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。ただ、あまりにも広告色が強すぎる記事ばかりだとユーザーは敬遠してしまう可能性があります。また、ユーザーの中にはまだ特定の商品が欲しいとまでは至っておらず、どうやってお目当ての商品を選ぼうかという段階の人もいます。例えば掃除機が欲しいと思っているユーザーには、いきなり「A社の〇〇〇〇がいい」と伝えるのではなく、まずは「掃除機の選び方」や「人気掃除機に備わっている主な機能」などを紹介した方が良いかもしれません。自分たちのネットショップのことばかりアピールするのではなく、ユーザーニーズを踏まえたコンテンツを用意するよう注意しましょう。

 

ネットショップで効果的に集客するためのポイント

最後に、ネットショップの集客力を高めるうえで押さえるべきポイントを3つご紹介します。

ターゲットに合わせた戦略を立てる

消費者は、非認知層、潜在層、顕在層の3つに大別されます。非認知層は自社商材が扱うジャンルへの関心度が低い層です。潜在層はある程度の関心はあるが、商材に関する知識が乏しい層です。一方、顕在層はジャンルへの関心が高く、商材の具体的知識も備えています。各ターゲットに合わせた戦略立案が必要です。

ネットショップのコンセプトを明確にする

商材のジャンルや独自の強みなど、店舗独自のコンセプトを明確にしましょう。ショップのカラーがはっきりしているとユーザーも目的を持って来訪しやすくなり、リピーターやファンになりやすくなります。また、他のショップとの差別化にもつながり、より多くの集客が期待できます。

ショップ内の商品レイアウトにこだわる

商品の魅力を効果的に伝えるには、商品情報がきちんと整理され、かつ、画像やテキストが見やすくレイアウトされていることが大切です。実店舗では店内の掃除が行き届いていて、陳列されている商品も見やすくまとまっている方が買い物しやすいですが、ネットショップも同様。ユーザーが気持ちよくショッピングできるようデザインは細部まで気を配りましょう。

 

まとめ

この記事ではネットショップの集客数を上げるための様々な手法をご紹介しました。どの手法も一長一短なので、複数の手法を組み合わせて取り組んでいくのがおすすめです。その際は、中長期的な施策で基盤を固めつつ、短期間で効果が見込める施策を織り交ぜていくと安定的に集客できるようになります。商品によっても最適な手法は異なるので、自分たちのネットショップに最適化された集客スタイルを確立していきましょう。

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