Yappliを導入したきっかけ
2008年に従来の紙のスタンプカードからフィーチャーフォンでポイントが貯められる仕組みを導入し、メルマガで定期的にお知らせしていました。開始からしばらくは好調でしたが徐々に効果が落ちはじめ、末期ではメルマガがきっかけのご来店率は1%程度に。10年近く同じシステムを使っており、一方でスマートフォンが主流となった現代のお客さまには、さすがにもう合わないのではという考えに至りました。当社はキャリア層に加えて若者世代の女性もメインターゲットとなるので、その幅広い層に向けての顧客接点を強化していくためにも、アプリが有効ではないかと社内や店舗スタッフから意見が挙がりました。また、お客さまからもアプリが欲しいという声が多く届いていたため、アプリという選択肢が現実味を帯びてきたのです。ただ、当時のアプリ開発は基本的にスクラッチで多くの費用と時間を要すると思っていたため、一歩を踏み出せずにいる状況が続きました。仮にリリースしてもOSアップデート等でコストとリソースがどの程度割かれるのかわからないと、運用イメージを思い描けず困っていた中で出会ったのがYappliです。実はご相談を依頼した会社は10社ほどありましたが、Yappliの実際の管理画面を見ながら操作方法をご説明いただき、運用イメージを明確に想定できたことが大きかったです。また、ヤプリのスタッフの皆さんの雰囲気が良く、一緒にアプリを育てていけそうだと思えた点も大きかったです。
アプリの活用方法
スピード感を持ってPDCAを回し、顧客ニーズに応えることがアプリ導入の大きな目的の一つ。そのために、全国の店舗とオンラインでポイントが貯まる・使える、会員ランクアップ制、全購入履歴の保存、限定クーポンやお得情報の配信、最新コーデ紹介のコンテンツ等、お客さまとのコミュニケーションのハブとして、アプリを軸に様々な価値をお届けしてきました。また、最近ではアプリを通じて商品に関する質問や会社のイメージ、各種サービス等の認知度調査アンケートを行うなど、お客さまとの対話を重要視。顧客を深く理解するためのコミュニケーションツールとしても重宝しています。そして、特に力を入れているのが、お客さま一人ひとりのニーズにマッチしたものをいかにアプリで届けられるか。当社の商品はソックスやインナーウェアなど非常にアイテムカテゴリが多いので、お客さまが求めるものを適切なタイミングでお届けできると、顧客創造につながりやすいと考えています。そこで、出し分け機能を活用して、アプリ内でお客さまにご入力いただいた属性情報に合わせてアプリのUIが切り替わるように設計し、興味関心が強いアイテムが優先的に表示されるよう工夫しています。弊社のアプリ担当者は顧客視点と企業目線で常に考えています。もともと弊社全体が顧客志向の想いが強く、お客様が求めていることを理解し、それを全力で叶えていく土台があり、その志向がアプリでも体現できている手応えを感じています。
導入後の効果
現在、アプリの総ダウンロード数は330万で、アプリ経由のEC売上は50%、アプリ会員の単価はゲスト顧客の1.8倍、LTVの伸長率は2020〜2024年の期間で135%を達成。顧客の声をアプリに反映する為に、会員様へのアンケート調査やデジタルネイティブ世代との意見交換などを実施して、常にブラッシュアップし続けています。「顧客にとって良いアプリを目指す為に常に進化させる」という意識をチームで持ち続け、規模は様々ですがほぼ毎日、アプリをアップデートさせています。これはノーコードで、かつ操作性が非常に優れているYappliだからこそできることだと思っています。また、直近1年は新規会員獲得や新規売上に改めて注力して取り組んできました。経済特典をフックにアプリダウンロード&会員登録を促すアプローチではなく、お客様にしっかりとアプリの価値を見出してもらえるよう、店舗でご購入いただく際にいかにアプリの魅力を伝えられるかに挑戦。丁寧な接客やお声がけなど、店舗スタッフの協力的な姿勢のおかげで、経済特典 キャンペーンを行っていない平常時の新規売上が130~140%ほど増加し、かつ獲得コストは前年比37%にまで抑制することができています。そして、元々活用していたCRMツールとYappliを連携させたことで細かい購買分析を実行できるようになったため、お客さまの導線に即したアプリ施策が実現可能に。 転換、休眠、離反のタイミングも正確に把握することで 、お客様との適切なコミュニケーションを目指しており、結果としてLTVが伸長しています。
今後の展望
アプリを顧客戦略推進の重要ツールと捉えているため、アプリ軸でのCRM施策で顧客一人あたりのLTVを高める取り組みにもかなり力を入れています。その結果としてLTVを135%伸長 できたポイントは主に、「最小のコストで最大の利益を生む思考」「スピード>量>質という優先順位で取り組む」「One to Oneのコミュニケーションを意識」という3点。これらのポイントは、Yappliだからこそできている側面も大いにあり、ブランドに愛着を持っていただけるコアファンを育むための土台を、アプリによってつくれたことは本当によかったです。また、取り組みの振り返りを定期的にチーム内で行っており、他部署とも月に1回、共有と今後の方針のすり合わせなどを行っています。CRMは中長期のプロジェクトとなるため、このような連携も重要で、打ち合わせを重ねるごとで日々の施策の精度が上がってきている実感があります。アプリをハブとして顧客理解を進め、お客様の生涯に渡って役立てるブランドに進化していきたいと考えています。ファンを大切にする取り組みを重要視する当社にとってアプリは必要不可欠なツール。顧客理解を深めて、ますますアプリを有効活用していけたらと思います。