株式会社シップス
販売促進部 デジタルマーケティング課 課長
茅野 充宏 氏
販売促進部 デジタルマーケティング課
金子 珠々花 氏

既存アプリからの
リニューアルで
アプリ×CRM戦略を
高レベルで実現

この事例の結論・要点
  • 動機
    • アプリ内でのお買い物体験の向上
    • 顧客接点を拡大したい
    • 店頭でのアプリ体験を強化
  • 活用
    • UI進化でより身近な存在へ
    • 豊富な切り口でコンテンツ発信
    • “安心感”でファンとつながる
  • 効果
    • アプリ経由EC売上は約1.5倍に
    • 新規ユーザーも順調に増加
    • スタッフコンテンツが好評

Yappliを導入したきっかけ

コロナ以降に変化した“アプリの価値”。
フルスクラッチからのリニューアルを実施

SHIPSは1975年の創業以来、上質なライフスタイルを提案するセレクトショップとして、多くのファッション愛好者に支持されてきました。アプリ導入を始めたのは2015年。当時はアプリ上でデジタル会員証をご利用いただくことを主な目的として、フルスクラッチで開発しました。しかし、課題が出てきたのはリリースしてからのフェーズでした。時代とともに、お客様にご提供すべきアプリの価値が変わっていく中で、スクラッチではそのニーズに十分に応えきれないという課題が大きくなってきたのです。

そして、コロナ禍を経てアプリの価値を改めて見直しました。そしてもちろん、アプリ以外にもSNSなどのデジタル基点のコミュニケーションは行っていましたが、アプリ運用をそもそも辞めようという結論には至りませんでした。他の顧客接点と比べても、アプリはお客様と1to1で密につながるポテンシャルを多く持っており、弊社にとってもお客様にとっても欠かせない存在だからです。

見直しの結果、「アプリ内でのお買い物体験の向上」「顧客接点の拡大」「店頭における使用感の向上」などといった具体的な改善ポイントが定まりました。そして、これらをアプリ運用という長期にわたって実現・維持するためにはスクラッチよりもノーコードの方が適しているとなり、サポート体制の充実さなども含めた総合的なレベルの高さから、Yappliでリニューアルをすることとなりました。

アプリの活用方法

リニューアルアプリのコンセプトは、
「お客様のポケットにいつでもSHIPSを」

先に挙げた改善ポイントなどを包括するコンセプトとして、“お客様のポケットにいつでもSHIPSを”という考えが定まり、リニューアル時も現在もこれを一貫して意識しています。そしてこのコンセプトは、アプリをいわば、“メディアECプラットフォーム”にしたいという考えでもあります。例えば、洋服やファッション雑貨などを買う時に、お目当てのアイテムが特になかったとしても、ふと気が向いて実店舗に足を運んだことは誰しも経験があると思います。それと同じように、買いたいものがあってもなくても、とりあえず覗いてみるというように、アプリがお客様のライフスタイルのすぐそばにある存在になれたらと思っています。

そのため、頻繁にアプリをご覧いただくためのUI設計やコンテンツづくりには気を配っています。UIについては、お気に入り機能を実装することで、お客様一人ひとりにパーソナライズされたアプリ体験をご提供できるようになりました。商品やレーベル、ショップやスタッフまで、数多くのコンテンツをお気に入り登録できて、それに応じた最新情報をアプリを開いてすぐにチェックできるようになっています。

他にも、シングルサインオンを実装することで、商品の閲覧から購入までの全てをアプリ内で完結できるようになったり、会員登録やデジタル会員証までの導線をよりスムーズにするなど、UIは大小さまざまな部分を隅々までブラッシュアップしました。

導入後の効果

EC売上のうち約40%がアプリ経由。
長期的なつながり+売上にも寄与

コンテンツ作りにおいては、単なるアイテム紹介にとどまらず、季節ごとのスタイリング紹介や、スタイリスト・デザイナーへのインタビュー、トレンドの解説記事など、豊富な切り口で発信しています。SNSなどでもこれらのコンテンツは発信していますが、どうしてもそのメディアのフォーマットによって表現できることが限られます。しかし、Yappliはデザインの自由度が非常に高いので、単なる情報の共有ではなく、SHIPSの世界観と合わせてしっかりコンテンツをお届けできている実感がありますね。

リニューアルの結果は数字にも出ていて、例えばアプリ経由でのEC売上がEC売上全体の40%に迫る勢いになっています。以前も約25% と決して低くはなかったのですが、リニューアルによって倍近くに急増しています。また、17万人近くの方が月に1回以上はアプリをご利用くださっていて、この人数の方々とつながり続けられている状態になっていることは大変ありがたいです。こういった数値面についても、ヤプリのご担当者さんからアドバイスをいただきながら、パートナーとして一緒にPDCAを回しています。

また、定期的に実施している、会員のお客様に向けたアンケートやインタビューでは、「特にお目当てのアイテムがなくてもアプリをよく見る」というお声をしばしばいただくことがありました。まさに理想的なあり方として活用いただけているのでとても嬉しいですね。

効果と今後の展望

“安心感”というエンゲージメントの形を、
Yappliとともに長期的に育んでいく

先ほどお話したアンケートやインタビューの結果をテキストマイニングすると、SHIPSに対してお持ちいただいているブランドイメージは、“安心感”や“安定感”、“SHIPSで選べば間違いない”といったものになります。これらが私たちにとっての「エンゲージメント」のあり方だと考えており、ゆえに、瞬間的に熱を高めるような尖ったコンテンツよりも、より長く、ずっと信頼いただけるようなコミュニケーションを心がけたいと思っています。

アプリでのコンテンツの中で実際に手応えがあるのは“ギフト提案”で、特にメンズ向けのアイテムが豊富に揃っているため、女性のお客様が男性へのギフトとしてご購入いただくというケースは多いです。安心感や信頼感といった、長いスパンの中でこそ育まれる要素とアプリによるコミュニケーションとの相性はとても良いと思うので、今後もアプリはCRMの軸として大いに活用していきたいですね。

レーベルによって具体的な戦略は異なりますが、グループ全体の姿勢として、100年続く企業を目指すというものがあります。それを実現するためには、SHIPSの魅力をしっかりとご理解いただき、必要としていただける方々を着実に増やしていくことが必要だと考えています。そういう意味でも、アプリを軸に、お客様にとって価値のあるコミュニケーションをし続けることが大切ですし、Yappliなら理想的な形を実現できるのではと思っています。

株式会社シップス
1975年の設立から、2025年で50年目を迎えた。ブランドコンセプトは「STYLISH STANDARD」。レーベルは「SHIPS」に加え、「SHIPS any」「SHIPS Colors(シップスカラーズ)」「quaranciel(カランシエル)」などを展開。2024年秋からは若年層向けの「City Ambient Products(シティアンビエントプロダクツ)」を開始するなど、幅広いレーベルを展開している。
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