ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今回も前回に引き続き、米国ラスベガスで9月19日から21日までの3日間にわたって行われたGroceryShop2023についてお知らせします。
▼前回の記事はこちら
【超速報】ラスベガス開催 GroceryShop2023レポート
※クローガーCEO ロドニー・マクマレン氏(左)
今回紹介するのは、
スーパーマーケットやGMS(General Merchandise Store(ゼネラルマーチャンダイズストア))がインフレによる消費者の低価格化ニーズと物価の上昇、さらに従業員の賃金に対して
どう挑んでいくのかというテーマです。
そんな中、スーパーマーケット最大手クローガーと2位のアルバートソンズの合併について
クローガーのCEOロドニー・マクマレン氏が語った戦略が印象的でした。
(以下引用)
スーパーマーケット上位2社が合併する事で、チェーンストア1位のウォルマート、2位のアマゾン・ドットコムに次ぐ規模になり、
規模のメリットを活かす事が必要に迫られたと言うことが大きい。この背景には、アマゾンのホールフーズと生鮮食品配送サービス「アマゾン・フレッシュ」事業の拡大、ウォルマートの小型スーパー業態「ウォルマート・ネイバーフッド・マーケット」の拡大など業界1位、2位がこぞってスーパーマーケット業態への進出を強め、配送拠点としての役割を持たせながらOMOビジネスを進化させている事が挙げられる。
そしてインフレを切り抜ける救世主と望まれているリテールメデイアで先行するこの2社に対抗するにも、デジタルで繋がった顧客数の規模が必要なのだ。もはやこの戦いは、「スーパーマーケット業界」に限った話ではない。チェーンストアとして生鮮食品をどのように顧客に届けるのか。そして顧客接点として最も頻度の高い生鮮食品で、どのように事業に取り組むのか。そしてリテールメディアなどを含む収益源を確保しながら、価格や利便性でもアマゾンやウォルマートなどの巨人と戦っていく必要があるのだ。
この戦いの中で同社はスーパーマーケットとしての強みを最大限に生かしていく見込みで、地元で調達されたローカル商品やローカルブランドにより多くの棚スペースを提供する計画を発表した。各店舗で地元の商品を10%増加させるなど、規模のメリットの追求だけでなく、スーパーマーケットとして今まで培った生産者やローカルブランドなどパートナーとのWin-Winの関係をさらに強めることも重要な差別化戦略と考えているからであろう。
スケール化で買い手の交渉力を付け、ローカル化で独自性を出し。リテールメデイア等の収益源を増やす事を選んだ、クローガー×アルバートソンズがアマゾン、ウォルマートとどの様に戦っていくのかこれからの展開が楽しみですね。