近年、さまざまな業界の企業が、動画を活用したマーケティングを展開し始めました。動画はマーケティングのコンテンツとして優秀であり、さまざまなメリットが期待できます。本記事では、動画マーケティングのメリットや成功事例、取り組む際のポイントなどについて解説します。
目次
動画マーケティングとは
動画マーケティングとは、動画コンテンツを通じて自社商品やサービスの販売につなげる取り組みです。たとえば、テキスト情報では伝わりにくい商品の魅力を動画コンテンツで配信する、といった手法が挙げられます。 ほかにも、自社商品の使い方について詳しく解説した動画を公開し、既存客の満足度を高めたり、ストーリー性の高いコンテンツを配信して、関心を抱いたユーザーを自社HPなどへ誘導したりするなどの手法もあります。 マーケティングに用いる動画を公開する場所はさまざまです。自社のHPやオウンドメディア、YouTubeのような動画配信サービスのほか、展示会やタクシー広告などで活用するケースもあります。現代は動画マーケティングに取り組みやすい環境が整っているため、多くの企業が積極的にビジネスへ活用しています。他社に遅れをとらないよう、今からでも取り組みを検討してみましょう。
動画マーケティングが注目される背景
近年、動画マーケティングはより大きな注目を集めており、さまざまな業界の企業がビジネスへ取り入れ始めています。注目される背景としては、ネット環境の整備やスマートフォンの普及、動画コンテンツの定着などが挙げられます。
ネット環境の整備
インターネット環境が整備された現在では、誰もが日常的にインターネットを利用しています。月々定額の料金でネットの利用が可能となったほか、5G環境の整備も進み、さらに動画を鑑賞しやすくなりました。 大容量プランを提供するキャリアが増えたのも、動画マーケティングに注目が集まる理由のひとつです。大手携帯電話キャリアの中には、30~50GBの大容量プランを提供しているところや、格安SIMでも20GB以上のプランを提供するところなどが出てきました。 容量が少ないと、外出先ではできるだけ容量を抑えようとして、動画の鑑賞を控えるケースがほとんどです。一方、大容量プランなら、外出先でも気にすることなく動画の視聴が可能です。このように、外出先でも動画を視聴しやすい環境が整ったことも、動画マーケティングに注目が集まる理由と考えられます。
スマートフォンの普及
今やスマートフォンは、子どもから高齢者まで幅広い世代の人が所有しています。現在では、すっかり日々の生活に欠かせないツールとして定着しており、単なる通信機器としてだけでなく、スケジュール管理や財布として活用しているユーザーも少なくありません。 スマートフォンが広く普及したのも、動画マーケティングが注目される理由です。誰もがスマートフォンを所有する時代となり、時間と場所を問わず動画を視聴できるようになりました。ちょっとした隙間時間にもスマートフォンを触る、といった人も多く、そこに企業がビジネスチャンスを見出した形です。
「NTTドコモ モバイル社会研究所」が実施したスマートフォン・ケータイの所有動向に関する調査によれば、国内におけるスマートフォン比率は、2022年1月時点で96.3%となっています。2010年がわずか4%であったことを考えると、とてつもない伸び率です。
参照:モバイル社会研究所|スマートフォン比率96.3%に:2010年は約4% ここ10年で急速に普及
動画コンテンツの定着
現在ではPCやスマートフォン、タブレット端末などで動画を視聴する、といった行為がすっかり定着しました。理由はいくつか考えられるものの、魅力的な動画を配信しているサブスクリプションサービスの台頭も、定着した要因と考えられます。 また、新型コロナウイルスの感染拡大も、動画コンテンツの定着に一役買っています。新型コロナウイルスへの感染リスクを避けるため、多くの人が外出を自粛する中、自宅で動画を視聴する機会が増加しました。
BtoCのみならず、BtoBでも動画マーケティングを活用する企業が増えています。新型コロナウイルスの感染拡大により、従来のように対面形式で商談などをしにくくなったためです。従来の手法が使えない以上、営業活動をオンラインにシフトするしかなく、多くの企業が動画マーケティングの取り組みを始めました。
動画マーケティングの市場規模
動画マーケティングはメリットの多い手法であるため、市場規模も年々拡大の一途をたどっています。どれくらいの市場規模なのか、サイバーエージェント社が実施した調査結果を見てみましょう。 2022年、同社は2021年における国内動画広告の市場調査結果を発表しました。それによると、2021年における動画広告の市場規模は4,205億円とのことです。2020年が2,954億円であったことを考えると、前年度比142%となり、わずか1年で驚くほどの成長を遂げていることが分かります。
また同社は、市場が今度どのように拡大していくのかという予測も公表しています。それによれば、2022年は5,497億円、2023年は7,095億円、2024年は8,746億円と、今後も右肩上がりに成長していく見込みとのことです。あくまで予測ではあるものの、2025年には1兆円規模の市場に成長すると見られています。
参照:サイバーエージェント|2021年国内動画広告の市場調査を発表
動画マーケティングのメリット
業界を問わず、さまざまな企業が動画マーケティングをビジネスに取り入れているのは、相応のメリットを得られるためにほかなりません。動画マーケティングの導入を検討しているのなら、具体的にどういったメリットを得られるのか把握しておきましょう。
記憶に残りやすい
動画マーケティングの魅力として、視聴した人の記憶に残りやすいことが挙げられます。アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」理論によれば、動画を視聴したときの記憶定着率は20%、文字の記憶定着率は10%とされているため、実に2倍の差があります。 商品やサービスを効率よく売るには、特徴や魅力をただ伝えるだけでなく、忘れ去られないことが大切です。商品の魅力を分かりやすく伝えられる素晴らしいコンテンツでも、すぐに忘れられるようでは意味がありません。 動画を活用すれば、細かいニュアンスまでユーザーに伝えられ、記憶にも残りやすくなるため、購買につながる確率が高まります。動画を視聴したタイミングでは購入につながらずとも、あとで動画の内容を思い出して購入する、といったことも十分考えられます。
拡散されやすい
動画は気軽に視聴できるコンテンツであるため、拡散されやすい傾向にあります。目だけでなく耳からも情報が入ってくるため、「ながら視聴」もでき、多くの人々に伝わりやすいのも魅力です。 動画マーケティングでは、SNSなどでの拡散を戦略的に狙うのも有効です。動画を広く拡散してもらうことで、より多くのユーザーへ情報が届き、コンバージョンにつながります。 拡散を狙うのであれば、ユーザーが拡散したくなるコンテンツを作成しなくてはなりません。視聴する価値がない、つまらないと判断されれば拡散されず、見向きもされません。ユーザーの役に立つか、面白いと感じてもらえるかを意識したコンテンツを作成しましょう。 有益かつ面白いと感じてもらえる動画であれば、「自分以外の人にも知ってもらいたい」といった心理が働く可能性が高く、そこから拡散につながります。
情報量が多い
より多くの情報量を詰め込めるのも、動画の魅力です。自社商品やサービスの魅力をテキストで伝える場合、相当な文字数になってしまうケースは珍しくありません。あまりにも文字数が多くなると、読み手が負担を感じてしまい、最後まで読んでもらえないおそれがあります。 一方、動画であればより多くの情報を盛り込めるだけでなく、ユーザーは気軽に視聴できます。視覚と聴覚の両方へ訴えかけられるため、魅力や特徴が伝わりやすく、コンバージョンにつながる確率が高まります。 一説によれば、1分間の動画に盛り込める情報量は、テキスト180万語分に匹敵するといわれています。つまり、テキストであれば膨大な文字数になってしまう情報も、動画であれば短縮でき、なおかつユーザーに伝わりやすいコンテンツに仕上げられます。
効果検証がしやすい
マーケティングの施策で重要なのは、効果検証の実施です。効果検証を行わないと、施策によってどの程度の成果を得られたのか、実際に効果はあったのかといったことを把握できません。もしかすると、まったく効果がない施策を継続してしまうおそれもあります。 その点、動画マーケティングは効果検証をしやすいメリットがあります。測定や解析ツールなどを利用すれば、コンテンツ経由でどの程度の成果につながったかを容易に把握できます。 なお、効果検証で使用する評価指数を複数設けておくと、より細かい検証と分析が可能です。たとえば、動画の再生数や平均視聴時間、コンバージョン率、ユニーク再生数などが挙げられます。複数の評価指数を設けることで、より多角的な分析が可能となり、課題の抽出や改善もしやすくなります。
低予算で実施できる
動画マーケティングは、低予算で取り組める点もメリットです。たとえば、撮影にはスマートフォンや手持ちのデジカメなどを使用し、編集も最低限にするなど工夫すれば、ほとんどコストをかけずに実施できます。
動画のクオリティにこだわるのであれば、専門業者への依頼がおすすめです。費用が発生するものの、現在では動画制作を専門とする業者が増えたこともあり、以前ほど高額ではありません。クオリティが高い動画も低予算で制作してもらえます。 また、制作した動画は複数のプラットフォームで活用できます。たとえば、YouTubeやTwitter、Facebook、LINEなど複数の媒体を横断して利用できるため、ひとつの動画しかなくても十分成果を得ることが可能です。 実際のところ、動画の撮影や編集にかかる費用は、依頼する業者によって大きく異なります。トラブルを回避するためにも、事前に複数業者から見積もりを取得し、比較しつつ検討しましょう。
配信プラットフォームが多い
動画を配信できるプラットフォームは多々あります。たとえばYouTubeは、動画配信プラットフォームの先駆けともいえる存在で、抜群の知名度を誇ります。YouTube以外にも、TwitterやInstagram、LINE、TikTokなどさまざまな媒体での配信が可能です。 複数の媒体で配信できるため、より多くのユーザーに情報を届けられる可能性があります。たとえば、YouTubeとTwitterの2媒体で配信すれば、普段YouTubeはまったく観ないといったTwitterユーザーにも自社商品やサービスの魅力を伝えられます。 特に、SNSは動画が拡散される可能性があるため、さらに大勢のユーザーに情報を見てもらえるかもしれません。いわゆる「バズり」が起きると、またたく間に大勢へシェアされていくため、驚くような成果を得られる可能性もあります。
動画マーケティングのデメリット
動画マーケティングに取り組む企業が多いのは、それだけ得られるメリットが多いためです。ただ、動画マーケティングにはメリットばかりでなく、いくつかデメリットがあることも理解しておかねばなりません。メリットとデメリット、どちらも理解したうえで取り組みを検討しましょう。
制作コストがかかる
動画マーケティングは、動画をメインのコンテンツとして利用するため、コンテンツ制作費が発生します。動画制作の専門業者へ依頼する場合、数秒のものでも3~5万円、それ以上の長さとなれば10~30万円、あるいはそれ以上の費用が発生するケースも珍しくありません。 「自社で制作すれば費用を抑えられるのでは」と思われるかもしれませんが、もし本格的に動画を撮影するとなるとカメラやスタンド照明、編集ソフトなど、必要な機材をそろえるのには費用がかかります。
撮影は従業員のスマートフォンを使い、編集もフリーソフトを使う、といった方法なら費用は抑えられます。最初は完成する動画のクオリティもそれなりですが、社内でスキルが育てば格段に効率化するでしょう。
ただマーケティングに利用するのであれば、相応のクオリティは必要であるため、やはり専門業者への依頼が現実的です。コストをできるだけ抑えたいのであれば、複数業者をピックアップしたうえで、個別に見積もりを提出してもらい、価格を比較しつつ選定しましょう。また、撮影は自社で行い、編集のみをプロに依頼するといった方法でもコストは抑えられます。
制作時間が必要
動画制作には時間がかかります。まず、制作する動画の目的や内容などを企画しなくてはなりません。そのうえで撮影や編集といった工程が発生するため、すぐにマーケティングを開始できないのがデメリットです。 専門業者へ依頼するケースでは、完成までに複数回の打ち合わせや確認なども入ります。部分的な作り直しや修正といった工程が加わることもあり、完成までの目安はだいたい1ヶ月前後です。 もちろん、これはあくまで目安であるため、実際にはもっと早く完成するかもしれません。このあたりは、制作する動画の内容や依頼する専門業者の技術力などによって大きく変化します。 スムーズにマーケティングを開始できるよう、制作の依頼時には完成までの時間を確認しておきましょう。完成時期の目安を把握したうえで、施策に必要なほかの準備を並行して進めるのが効率的です。
動画制作のノウハウが必要
動画マーケティングを実践するにあたっては、ノウハウが必要です。企画や撮影、編集はもちろん、施策の運用にもノウハウを要するため、専門人材の存在が欠かせません。 専門業者を利用せずに取り組むのなら、企画から撮影、編集、動画マーケティングの運用まで精通した人材が求められます。自社にいない場合は、外部からの採用や社内での育成、または専門業者への依頼などが考えられます。 現在では、動画の制作から運用まで一貫対応してくれる専門業者もいるため、そのような業者を利用するのもひとつの手です。一貫対応してくれる業者であれば、自社にリソースがなくても動画マーケティングに取り組めるうえ、成果も期待できます。 ただし、制作から運用まで一貫して依頼できる専門業者は便利である反面、自社にノウハウを蓄積できないデメリットがあるため、そこを理解したうえで検討しましょう。
炎上の可能性がある
動画マーケティングで気をつけるべきは「炎上」です。何かしら問題がある動画を公開したり、ユーザーを不快にさせたりすると、またたく間に炎上し大きな騒ぎになるかもしれません。特に動画は拡散されやすいため、燃え上がる速さは一瞬です。 炎上は、顧客や取引先からの信頼を失いかねません。それまで自社のファンだった顧客も、潮が引くように離れていき、業績が大きく悪化するおそれがあります。場合によっては、ビジネスの存続が難しくなるほどのダメージを受けるかもしれません。
このようなリスクを回避するためにも、マーケティングに利用する動画は、公開する前に入念にチェックをしておきましょう。自社の従業員だけでは問題点に気づけないおそれがあるため、第三者をあいだに挟むのもひとつの手です。 また、炎上したあとの対策を誤ってしまい、かえって火に油を注ぐケースも珍しくありません。炎上したときにどのように対応すべきか、適切な対応方法を記したガイドラインを定めておきましょう。
動画マーケティングの4つの手法
動画マーケティングの手法によって、特徴や取り組み方などが異なります。ここでは、代表的な4つの動画マーケティング手法について解説します。それぞれの特徴や取り組み方を把握しておきましょう。
動画広告を利用する
動画広告の配信は、最もポピュラーな動画マーケティングの手法です。制作したプロモーション動画をFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSで配信する手法がよく知られています。 SNSで配信できる動画広告としては、インストリーム広告やインバナー広告、インリード広告、インフィード広告などが代表的です。それぞれ、動画が配信されるタイミングや表示方法などが異なります。 SNSを用いた動画広告の運用は、大勢のユーザーに視聴してもらえる点が魅力です。動画を拡散してもらえれば、その分、大勢に情報が届けられます。 また、SNSの動画広告はユーザーの年齢や性別、居住地などを設定したうえで配信が可能です。動画を視聴してもらいたい相手を細かくターゲティングできるため、より高い効果が期待できます。
関連記事:Facebook広告の特徴とは?メリットや出稿手順、成果の挙げ方を解説
Webサイト・LPに埋め込む
自社のWebサイトやLPに動画を埋め込み、アクセスユーザーに視聴してもらう手法です。商品やサービスの認知拡大ではなく、すでに一定の情報を取得している人や、関心を抱いている層へアプローチしたい場合に有効です。動画で補足情報を提供し、コンバージョンを促します。 自社サイトへアクセスしている人の多くは、何らかの目的があります。その企業に興味がある、商品やサービスについてもっと知りたい、といったケースが多いため、そこで動画を活用して関心を高める手法です。
自社SNSで発信する
TwitterやFacebookなどの企業アカウントを開設しているのなら、自社SNSで動画を配信するのもひとつの手です。近年では、企業がSNSのアカウントを開設・運用するのも珍しくなくなりました。企業のSNS運用は注意すべき点がいくつかあるものの、基本的にはメリットが多いため積極的な利用をおすすめします。 自社SNSを用いた動画の配信は、低コストでマーケティングを行える点が魅力です。SNSのアカウント開設や情報の発信に費用は発生しません。たとえ企業組織であっても無料で利用できます。無料でさまざまなユーザーに動画を視聴してもらえ、そこから商品やサービスの購入につながる可能性があります。
ただ、SNSのアカウントを開設していても、フォロワーが極端に少ないと、あまり成果は期待できません。数少ないフォロワーがリアクションし、そこから拡散されるケースもありますが、このような事例はそれほど多くありません。SNSをマーケティングに活用したいのなら、日ごろからユーザーにとって有益な情報を発信しつつ、フォロワーを増やす努力も続けましょう。
交通広告を利用する
動画の視聴媒体として、交通広告の利用も検討してみましょう。交通広告とは、電車やバス、タクシーなどの車内、駅の構内といった場所に掲載できる広告です。たとえば、電車やバスの車内に貼られているステッカーや、駅構内のポスターなどが挙げられます。 近年では、電車やタクシーの車内に液晶ディスプレイが設置される事例も増えました。この液晶ディスプレイに動画を流してもらう手法があります。費用はかかるものの、さまざまなユーザーの目に留まるため、一定の効果が期待できます。 電車やタクシーの車内で、スマートフォンを利用する方は少なくありません。そのため、液晶ディスプレイで流れた動画に関心をもった人が、スマートフォンで検索を始める可能性があります。
Googleが提唱する「HHH戦略」
これから動画マーケティングに取り組もうと考えているのなら、Googleが提唱している「HHH戦略」を念頭に取り組んでみましょう。これは2014年にGoogleが提唱した手法で、「HERO」「HUB」「HELP」の動画をユーザーへ届けることで、動画を効果的に運用できます。
HERO
HHH戦略におけるHEROは、認知拡大を目的とした動画です。自社商品やサービスについて知らない人を対象とした動画を発信し、興味を抱いてくれる人を増やしていきます。 素晴らしい商品や魅力的なサービスを扱っていても、知ってもらわなければ売れません。逆をいえば、素晴らしく魅力的な商品やサービスであれば、知ってもらうことで売れます。知ってもらい興味をもってもらうには、ユーザーに「面白い」「有益だ」と思ってもらえる動画を発信し、拡散してもらうことが大切です。 最終的な目的は商品やサービスの販売ではあるものの、HERO動画に関しては認知の獲得がメインの目的です。そのため、この動画でコンバージョンまでつなげようとせず、視聴者を引きつけて拡散されるような内容を意識して制作しましょう。
HUB
HUBは、自社商品やサービスを認知した人を対象に配信する動画です。すでに自社商品やサービスを認知している見込み客にさらなる情報を届けることで、購買意欲をかき立てます。 動画では、商品やサービスについての詳しい情報を盛り込みます。スペックやラインナップなどのほか、使い方やメンテナンスの方法、利用するメリットや魅力などを盛り込みましょう。 また、商品やサービスを購入することで、ユーザーがどういった状態になれるのか、イメージしやすい動画に仕上げるのも大切なポイントです。購入後の姿を明確にイメージできれば、「欲しい」という気持ちがより高まり、購入につながる可能性があります。
HELP
HELPは、すでに商品やサービスを購入してくれた人や、リピーターの「困った」を解決するための動画です。たとえば、商品が不具合を起こした際の対処法やメンテナンスの方法、詳しい使い方などを解説した動画が挙げられます。 顧客の悩みを解決できる動画の配信によって、顧客からより信頼してもらえる点がメリットです。また、商品の使い方やトラブルへの対処法などを配信すれば、「顧客のことをきちんと考えてくれる会社」というイメージを抱いてもらいやすく、顧客のファン化やリピーター化につながります。 このような動画の制作と配信により、企業は顧客から信頼してもらえ、商品やサービスを継続的に購入してもらえます。また、「顧客思いの企業」とよいイメージを抱いてもらえれば、SNSなどで情報を拡散してもらえる確率もアップし、口コミでさらに新規顧客が獲得できる、といった好循環が発生するのも魅力です。
動画マーケティングで失敗しないためのコツ
やみくもに動画マーケティングへ取り組んでも、失敗してしまうおそれがあります。時間やコストを無駄にしないよう、ポイントを踏まえて取り組みましょう。
目的を明確にする
動画マーケティングに取り組む際は、制作する動画の目的を明確にすることが大切です。目的によって、制作する動画の内容が変わるためです。自社の商品やサービスをまだ知らない人に向けた認知拡大用の動画なのか、視聴した人に購入を促すのか、リピーターになってほしいのかなど、目的を明確にすることで動画に盛り込むべきコンテンツも変わります。 まずは目的を設定しましょう。HHH戦略と照らしあわせて考えると分かりやすいかもしれません。
また、目的によって変わるのは動画の内容だけでなく、配信プラットフォームも同様です。 たとえば、認知の拡大が目的であれば、より多くの人に視聴してもらえる可能性があるSNSでの配信が有効です。一方、すでに認知している人に補足情報として動画を見てもらい、商品やサービスを購入してもらいたいのであれば、自社HPやブログ、LPなどへの埋め込みに軍配が上がります。目的やターゲットを明確にしたうえで、動画の内容や配信プラットフォームを検討していきましょう。
関連記事:アプリの学校|マーケティングにおけるKPIの設定方法とは?施策別の設定例も紹介
ターゲットを明確にする
ターゲットの明確化は、マーケティングの基本です。ターゲットが明確でないと、誰に何を伝えたいのかがまったく分からず、説得力のないコンテンツとなってしまいます。ターゲットによって、動画に盛り込むべき内容や配信プラットフォーム、動画を配信する時間帯などが変わってくることを覚えておきましょう。 メインターゲットに刺さる動画を制作するために、ペルソナを設定します。ペルソナとは、自社商品やサービスの理想的なユーザー像のことです。年齢や性別、居住地、趣味嗜好などを細かく設定することで、ターゲットに刺さる動画の制作が可能です。
情報は詰め込みすぎない
動画に情報を詰め込みすぎると、視聴者が途中で離脱してしまうおそれがあります。あれもこれもと情報を詰め込みたくなる気持ちは理解できますが、視聴してもらえなければ意味がありません。情報を整理し、長くなりすぎないコンテンツに仕上げましょう。 重要なメッセージをいくつも盛り込むのもNGです。基本的に、ひとつの動画へ盛り込むメッセージはひとつです。認知拡大や商品の購入など、メインの目的にマッチしたメッセージをひとつだけ盛り込みましょう。 動画を作成する際には、盛り込みたい情報を整理したうえで、きちんと構成も考えなくてはなりません。構成が練られていないと、よく分からない動画に仕上がってしまいます。
適切な制作会社を選ぶ
自社で動画を制作するノウハウやリソースがないのなら、専門業者への依頼が無難です。専門業者であれば、クオリティの高い動画を短期間で制作してもらえます。 現在では、動画制作を専門とする業者が数多く存在するため、選定は慎重に行いましょう。ノウハウが少なく技術力も低い業者へ依頼してしまうと、高額な料金を支払ったのに動画の品質が低い、といったことになりかねません。
また、専門業者によって得意分野が異なる点にも注意が必要です。業者によって得手不得手があるため、事前に確認しておきましょう。過去に、自社と同じ業界に関する動画を制作したことがあるかどうかを確認し、これまでの制作物も見せてもらうと安心です。
できるだけ低コストで制作してくれる業者を見つけるのも大切です。というのも、動画マーケティングでは認知拡大や販売、顧客のファン化など、目的に応じて複数のコンテンツを利用します。複数の動画を制作するとなれば、多額のコストが発生するため、できるだけ低価格で制作してくれる業者を選ぶと安心です。
動画マーケティングの事例
現在では、さまざまな業界の企業がマーケティングに動画を活用しています。これから動画マーケティングに取り組むのなら、他社の事例を参考にすると、スムーズにスタートを切れるかもしれません。
株式会社ダスキン
「ミスタードーナツ」の運営元であることでも知られる「株式会社ダスキン」は、動画を効果的に活用したマーケティングを展開しています。ミスタードーナツの店舗でBGMとして流している楽曲のロングバージョンを制作し、スペシャルムービーとしてWeb限定で公開しました。 このスペシャルムービーは、商品の周年を記念したものです。しかも、同社はただ楽曲のロングバージョンと動画を作成しただけでなく、有名俳優を起用しています。高い人気を誇る有名俳優の起用によって、ミスタードーナツにそこまで興味がない層にも動画を見てもらえる可能性が高まり、結果的に店舗への集客につながる可能性があります。
サントリーホールディングス株式会社
ジュースからアルコール飲料まで、さまざまなドリンクの製造や販売を行っている「サントリーホールディングス株式会社」も、積極的に動画マーケティングを展開しています。同社は新商品のリリースを記念して、配信プラットフォームで動画を公開しました。 同社が動画の配信プラットフォームとして利用しているのは、YouTubeとTwitterです。同社は以前からYouTubeとTwitterの公式アカウントを開設しており、マーケティング活動に活用してきました。 新商品発売のプロモーションとして制作されるWeb動画には、人気アイドルや声優を起用している点が特徴です。ただWeb動画を制作するだけでなく、人気アイドルや声優の起用によって、幅広い層へ商品をアピールしています。
ユニクロ
リーズナブルな価格で数々の衣料品を販売している「ユニクロ」も、動画を活用したマーケティングを行っています。同社はYouTubeに公式チャンネルを開設しており、最新のTVCMやWeb限定ムービーを配信しています。 また、ユニクロは2007年からグローバル・プロモーションにも注力してきました。活動の一環として動画も作成しており、カンヌ国際広告祭のグランプリも受賞しています。受賞したのは、チタニウム部門とサイバー部門の2部門です。
マクドナルド
「マクドナルド」も、兼ねてよりデジタル技術を活用したマーケティングを展開してきた企業のひとつです。チャンネル登録者数17万人超えのYouTube公式チャンネルを開設しており、これまでさまざまな動画を配信してきました。 また、マクドナルドといえば、2017年に繰り広げられた「マックなのか?マクドなのか?おいしさ対決!」キャンペーンが話題になりました。キャンペーン期間中には、著名人を起用したTVCMやWebムービーも公開され、大きな盛り上がりを見せています。 このキャンペーンは、Twitterを利用してユーザーが参加できる点も魅力でした。ただ動画を配信するだけでなく、ユーザーと一体になって楽しめるキャンペーンを打ち出した好例といえます。
まとめ
動画をマーケティングに活用すれば、ユーザーへより多くの情報を届けられ、認知の拡大や商品の販売、顧客のファン化などを効率的に実現できます。ただ、動画マーケティングには炎上リスクやコストが発生するなどの注意点もあるため、それらも理解したうえで取り組むかどうかを検討しましょう。
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