ノーコードとローコードはいかに選ぶべきか?違いやメリットを解説。

アプリケーションの開発手法として、ノーコードやローコードが活用される機会が増えています。実際にノーコードやローコードによる開発を検討している方も多いのではないでしょうか。

今回は、ノーコードとローコードの違いやそれぞれのメリット・デメリット・どちらを選ぶべきか判断する際のポイントや、DX時代における必要性も具体的にご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

ノーコードとローコード、それぞれの定義

 始めに、ノーコードとローコードがそれぞれ何を表しているのか、定義を整理しておきましょう。下記に挙げるポイントを押さえて、両者をはっきりと区別してください。

ノーコードとは、ソースコードのコーディングが「不要」な開発手法

 ノーコードとは、ソースコードのコーディングが「不要」な開発手法を指します。あらかじめ用意されたテンプレートを組み合わせるため、コードを「1行も」書くことなくアプリケーションを開発できるのが特徴です。小規模なアプリケーションや機能が複雑ではないアプリケーションであれば、ノーコードで対応可能なケースは少なくありません。開発においてコードを一切書かないため、プログラミングの知識がない人でも問題なく開発に携われる手法といえます。

ローコードとは、ソースコードのコーディングが「少ない」開発手法

 ローコードとは、ソースコードのコーディングが「少ない」開発手法を指します。再利用可能な機能を備えたパーツを組み合わせて開発するため、必要最小限のコーディングでアプリケーションを開発できるのが特徴です。フルスクラッチ開発と比べると実現可能な機能の自由度は下がるものの、ノーコードよりもできることの範囲は広がります。コードを書く量や範囲が限られているため、本格的な技術チームを持たない組織でも開発を進められるでしょう。

ノーコードやローコードが求められている理由

従来の開発手法ではなく、ノーコードやローコードが選ばれるケースが増えているのはなぜでしょうか。主な理由として、下記の4点が挙げられます。

社会でDX化が求められている

 現在、日本社会は非常に大きな問題に直面しつつあります。今後直面する大きな問題を挙げると、下記の3点に集約されるでしょう。

  • 少子高齢化に伴う労働人口の減少
  • IT人材の不足
  • レガシーシステムからの脱却

上記の問題が折り重なり、2025年には年間12兆円もの経済的損失を被るとも予測されているのです。業種を問わずあらゆる企業にとってDX化は急務であり、現場の課題をスピーディーに解決するためのアプリケーション開発が求められています。何年間もかけてひとつのシステムを開発するのではなく、実情に合ったシステムを臨機応変に構築する仕組みがますます必要とされていきます。

こうした背景から、スピーディーかつ柔軟な開発が可能なノーコード/ローコードが注目されているのです。

懸念される経済的損失について、詳しくは下記のページをご覧ください。

経済産業省「DXレポート2.2」

多くのベンダーがプラットフォームを提供している

 現在は、柔軟かつ機動的なアプリケーション開発のニーズに応えるべく、多くのベンダーがプラットフォームを提供しています。一例として、下記のような著名なサービスにおいてもノーコード/ローコードを活用できるプラットフォームが提供されているのです。

多額のコストをかけて開発を委託するよりも、こうしたプラットフォームを活用して手軽に開発を進めたいと考える企業が増えるのは自然な流れといえます。プラットフォームの充実化も、ノーコード/ローコードに注目が集まる潮流に拍車をかけているのです。

“誰でも開発者”の時代へ

 誰でも開発者になれる時代の到来が、ノーコード/ローコードへの注目度をさらに押し上げています。ノーコード/ローコードが広く浸透するにつれて、アプリケーション開発は高度な専門知識を持つエンジニアだけのものではなくなっていくでしょう。非エンジニアでもアプリケーション開発が可能な時代になり、「アプリケーションを開発する=外部企業に委託する」といったフェーズが一般的ではなくなる可能性もあります。

必要とするアプリケーションをより迅速かつ機動的に開発することが、今後はいっそう求められていくはずです。

企業競争力を高めるために、サービス開発はよりスピードが求められていく

 DX化への対応スピードは、企業競争力に直接的な影響を与える可能性があります。サービスの利便性は企業やブランドへの愛着度にも深く関わるからです。サービス開発のスピードが遅く顧客ニーズへの対応が先延ばしになるほど、顧客離れが加速する可能性は高いといえます。これからの社会では、企業競争力を高めて競合優位性を維持するためにも、サービス開発のスピードはいっそう求められていくでしょう。迅速かつ機動的な開発が可能なノーコード/ローコードが、フルスクラッチ開発のシェアを奪っていくのは想像に難くありません。

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ノーコードとローコード開発の特徴の違い

 ノーコードとローコードが異なるものであることは前述のとおりです。それでは、開発の進め方に関しては、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ノーコードとローコード開発の特徴の違いについて解説します。

ノーコードなら、ツールを使ってマウス操作でアプリも開発可能

 ノーコード開発は、あらかじめ用意されているパーツやテンプレートを組み合わせることでさまざまな機能を実現します。コーディングは一切必要なく、ドラッグ&ドロップなどのマウス操作のみでアプリが開発可能です。ツール上で機能を組み合わせると、自動的にソースコードが生成されていくのです。ですから、プログラミングの知識を持たない人でも、一定の機能を備えたアプリケーションは開発可能となっています。

ローコードは、より高度なアプリを開発する場合に適している

 用意されたパーツやテンプレートを組み合わせて開発を進めるのはローコードとノーコードとの共通点です。ただし、ローコードでは簡素なコードを記述する必要がある点は大きな違いです。開発に必要な知識がある程度求められる反面、ノーコードより高度な機能を備えたアプリを開発できるのがローコードの特徴となっています。ノーコードでは対応が難しいものの、フルスクラッチ開発が不可欠なほど複雑ではないアプリケーションを開発する場合は、ローコード開発を選択したほうがいいでしょう。

開発だけではない、ノーコード/ローコードのトータル支援

 ノーコード/ローコード開発は、専用のプラットフォーム上で行うことはすでにご紹介しました。しかし、それらのプラットフォームは、開発だけでなく、設計や実装、さらに運用といったシステムのライフサイクルをカバーしているのです。リリース前のテストやリリース後の保守管理、バージョン管理なども含めてトータルの支援が用意されています。

従来は、設計・実装・運用の各フェーズでノウハウを持つ人員を配置する必要がありました。しかし、ノーコード/ローコード開発では、これらを一括してプラットフォームに任せることにより、設計・実装・運用に要する社内のリソースを大幅に削減できるのです。

ノーコードのメリット

 ノーコード/ローコードのうち、ノーコード特有のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。下記に挙げる3つの要素を求めている企業にとって、ノーコードはメリットを十分に感じられることでしょう。

誰でも開発に携われるため、コスト減につながる

 ノーコード開発の大きなメリットとして、誰でも開発に携われる点が挙げられます。非エンジニアであってもアプリケ—ションの開発が可能となるため、技術的な知識を備えた人材を新たに採用する必要がありません。

また、外部の企業などに開発を委託する必要がなく社内で開発を進められることから、既存の人員で対応できるのです。状況に応じて機敏な開発が求められている現代において、誰でも開発に携われることは極めて重要なポイントといえます。

専門チームを組まなくても開発が可能になる

 ノーコード開発はコーディングの必要がないため、技術的な知識を持つ専門チームでなくても開発が可能です。マーケティングチームや採用チームといった非技術部門のメンバーが、担当業務で必要とするツールを自分たちの手で開発することもできます。アプリケーション開発の専門チームを持たない企業においても、一定の機能を備えたアプリケーションを開発できることは大きなメリットといえるでしょう。

ツール利用で拡張性が簡便化する

 ノーコード開発プラットフォームには、よく利用される機能を実現できるパーツが用意されています。アプリケーションの利便性を高めるために機能を追加したくなった場合は、該当する機能を選んで追加するだけで手軽に機能を拡張できるのです。各パーツはすでにテストや検証が済んでいるため、機能を追加したことで不具合が発生するリスクも低いと考えられます。ツールを利用することで拡張性が簡便化する点は、ノーコード開発の大きなメリットです。

ローコードのメリット

一方、ローコード開発の特有のメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。ノーコードと比較した場合のメリットとしては、下記の2点が挙げられます。

拡張性が高く、利用目的が限定的にならない

 ローコード開発では、コーディングによる機能の調整が可能です。自社や自部署が求める機能により近いものを実装しやすく、ノーコードよりも自由度が高いのが特徴といえます。また、機能を追加する際にも、目的に応じて拡張できる余地がノーコードと比べて多い点も特徴です。ローコード開発は、プラットフォームで提供されている機能に加え、コーディングによって+αの機能を実装できることから、より広い用途に活用しやすくなるのです。

一度開発したアプリケ—ションに改修を加えることによって広い用途で長期的に活用し続けられる点は、ローコード開発ならではのメリットでしょう。

既存システムとの連携ができる

 アプリケーションを開発する際、既存システムとの連携が必要となる場面は多いです。システム同士を連携させて活用できれば、より効率的に業務を進められるだけでなく、既存データの活用など社内リソースを有効利用することにもつながるからです。

ローコード開発プラットフォームには、複数のシステムと連携するための機能があらかじめ用意されています。既存システムとの連携を重視する企業にとっては、ローコード開発を選んだほうがメリットを享受できる可能性があるでしょう。

ノーコードのデメリット

 ノーコード開発には数々のメリットがある一方で、条件によってはデメリットとなりかねない面もあります。開発にあたってはデメリットについても把握し、自社が求める条件に合致した開発手法かどうかを判断することが大切です。

大規模開発を行うことには向いていない

 開発プラットフォームが提供する機能を組み合わせることで手軽に開発ができることがノーコードのメリットですが、同時にデメリットにもなりえます。なぜなら、あらかじめ用意されている機能の範囲内で開発を進めることが条件となるからです。

アプリケーションが大規模になるほど、必要な機能が不足していることに気づいたり、不要な機能を実装せざるをえなかったりする事態に遭遇しやすくなるでしょう。ノーコードは簡易的かつ小規模なアプリケーション開発には適している反面、大規模開発ではウィークポイントが目立つ点は理解しておく必要があります。

ノーコードは、機能面での自由度や拡張性はやや低くなる

 ノーコード開発において特定の機能が実装できるか否かは、その機能をプラットフォームが提供しているか否かにかかっています。たとえ自社にとって必須の機能であっても、プラットフォームが提供していなければ実装できません。機能面での自由度や拡張性は、やや低いという点は押さえておきましょう。

ただし、フルスクラッチ開発など自由度と拡張性の高い開発手法であれば、利便性の高いアプリケーションを確実に開発できるとは限りません。機能を細分化すればするほど用途が限られやすくなるため、結果的にあまり使われない機能を複数実装してしまうおそれもあるからです。

ノーコード開発プラットフォームには、多くの企業が必要とする一般的な機能が用意されています。利用できる機能に制約が設けられていることが、アプリケーションの用途を明確にすることに寄与する場合もあるのです。

ローコードのデメリット

 ノーコード開発と比べて自由度が高いローコード開発にも、デメリットはあります。特に下記の2点については、ローコード開発を検討する際に慎重な判断が求められるでしょう。

実装機能が制限されてしまうことが多い

 ローコード開発ではコーディングが可能とはいえ、実際にコードを追記できる範囲は限られています。あくまでもプラットフォームが提供している機能の範囲内で微調整する程度にとどまると考えてください。自社が求める機能を自由に実装できる開発環境をイメージしていると、期待外れに終わる可能性もあります。

実装可能な機能や拡張性が決して無制限ではないという点は、ローコード開発のデメリットとして押さえておく必要があるでしょう。

プラットフォーム依存になりやすい

 ノーコードはもちろん、ローコード開発でもプラットフォームが提供する機能を利用することになるため、アップデートのタイミングやセキュリティレベルなどはすべてプラットフォームに依存します。自社にとって都合の悪いタイミングでメンテナンス作業が発生したり、自社のセキュリティ要件を満たしていなかったりするおそれもあるのです。

また、場合によってはサービスそのものが停止となり、プラットフォームごと利用できなくなる可能性も否定できません。そのような事態に陥れば、アプリケーションで使用していたデータ等の保全も確たる保証はないといえます。プラットフォームを利用して開発する以上、プラットフォーム依存になりやすい点は十分に理解しておく必要があります。

ノーコード/ローコードを選ぶときのポイント

続いては、ノーコードとローコードのどちらを開発手法として選ぶべきかを、判断する際のポイントをご紹介します。自社に適した開発手法を判断する際に、ぜひお役立てください。

用途や機能が自社に見合っているか

 前述のとおり、ノーコード/ローコード共に実装できる機能はプラットフォームに依存します。裏を返せば、想定している用途や機能が備わっているプラットフォームかどうかが選定時のポイントとなります。アプリケ—ションとして必須の機能を洗い出した上で、それらの機能が実現可能かどうかを見極めることが大切です。

 

また、アプリケーションの規模や連携したい既存システムについても検証しておく必要があります。用途が限定的で、かつ小規模なアプリケーションを迅速に開発したい場合はノーコード、ややカスタマイズが可能な面があったほうが良い場合はローコードといったように判断するといいでしょう。

セキュリティポリシーが自社と合っているか

 ノーコード/ローコードで開発したアプリケーションのセキュリティポリシーは、提供するプラットフォームに依存します。ですから、自社のセキュリティ要件を満たしているかどうかをあらかじめ確認しておくことは重要なポイントです。

提供している機能や使い勝手に申し分のないプラットフォームであっても、そもそもセキュリティポリシーが自社に合っていなければ、活用は控えざるをえません。セキュリティポリシーに関しては、プラットフォームを選定する初期段階で必ず確認しておきましょう。

モバイルデバイスに対応した開発を行うことは可能か

 スマートフォンなどのモバイルデバイスに対応したアプリケーションを開発可能かどうかも、プラットフォームの選定時にチェックしておきたいポイントのひとつです。PCでの利用を想定したアプリケーションしか開発できないようでは、せっかく開発したアプリケーションが十分に活用されないおそれがあります。特に、顧客に利用してもらうことを目的としたアプリケーションであれば、モバイルデバイスへの対応はもはや必須といっても過言ではありません。モバイルデバイスに対応した開発が可能かどうかは、事前に必ず確認しておきましょう。

開発からリリースまでのスピード感はどちらが適しているか

 開発に着手してからリリースにこぎ着けるまでのスピードについても検討しましょう。ローコード開発はフルスクラッチ開発に比べれば開発工数を大幅に削減できますが、コーディングが一切不要というわけではありません。一定以上の技術的な知識とスキルが求められることから、非エンジニアが開発に携わる場合は注意が必要です。テストやデバッグに時間を取られてしまい、結果的にリリースが遅れることのないようにしましょう。

そもそも、ノーコード/ローコードを活用してアプリケーションを開発する大きな目的のひとつに、「スピーディーな開発」があります。近年は時代の変化が激しく、開発そのものに時間をかけている余裕はなくなりつつあるからです。開発からリリースまでのスピードは極力短縮できるほうが望ましい点を押さえた上で、開発手法を検討することが重要です。

DXの促進は、ノーコードやローコードで実現を

 近年注目されているDXの促進は、乗り遅れないことが重要です。DXの目的は、テクノロジーを駆使してビジネスに変革を起こすことです。その目指す効果を得るために、必要な機能を備えたアプリケーションはできる限り早く開発しリリースする必要があります。これから先、アプリ開発を内製化するのであれば、ノーコードやローコードの活用は大きなカギとなっていくでしょう。

一方で、すべてを自社でまかなうという発想を転換してみることも大切です。ノーコード/ローコードであれば、業務をアウトソーシングしても、低コストで依頼が可能となることも考えられます。ノーコードやローコードは、工数の削減やコストの低減など、特有のメリットを十二分に吟味しながら採用を検討してみてください。

まとめ:DX化が不可避となった現代だからこそ、開発はノーコード/ローコードで行いたい

 ノーコード/ローコードの台頭によって、アプリケーション開発はエンジニアだけが手掛ける仕事ではなくなりつつあります。コーディングが不要または最小限に抑えられる仕組みを有効活用して、開発の本来の目的である業務効率化や顧客満足度の向上をよりスピーディーに実現しましょう。

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