多くのファッションブランドが公式アプリやECアプリに力を入れる中、2018年に入ってさらに機能を進化させた事例が増えている。トレンドが目まぐるしく変わるファッションアプリ。アクティブ率を維持するためのポイントは、話題性のある新機能の提供だ。
そこで今後のトレンドとしておさえておきたい、ファッションアプリ事例を3つ紹介したい。
目次
(1)O2Oファッションアプリの最新事例!ジーユーの新店舗は試着専用
2012年からアプリを提供しているファッションブランドのジーユー。これまでもシェイククーポン(※1)など、アプリを使ったユニークなキャンペーンを行っている。アプリO2O成功事例として、メディアにジーユーが取り上げられることも多い。
※1:店舗内でスマホを5回シェイクすると、クーポンがもらえるというキャンペーン。位置情報を活用しているのが特徴。
ジーユーでは主なターゲットである10~20代の女性に向け、チラシなどの広告ではなくアプリとモバイル会員をプロモーションの中心にする戦略をとっている。モバイルに力を入れた結果、2016年の時点でモバイル会員はなんと700万人を達成。
さらにジーユーでは、2018年9月にアプリを使った新しい施策を発表して大きな話題となった。これは東京原宿に2018年11月オープン予定の新店舗を、試着専用の店舗にするというもの。試着後アプリからオンラインストアで購入するというフローだ。ショールーミングの進化形とも言える新しい販売モデルは話題性も十分。今後の展開にも注目が集っている。
(2)ファッションアプリの定番コーディネート機能、今後はAIが主流?
ファッション系の公式アプリやECアプリの定番機能のひとつと言えば、コーディネートコンテンツだろう。タレントを登場させたり、日替りでコーディネートを紹介したり、各社さまざまな工夫を凝らしている。
ECに誘導しやすいメリットもあるコーディネートコンテンツだが、今後はAIの活用がポイントになりそうだ。
例えばファッション系コミュニティアプリ「XZ(クローゼット)」は、2018年7月にAIによる自動コーディネート機能をリリース。手持ちのアイテムを登録すれば、AIが自動で着回しコーディネートを提案してくれる。さらに気象庁データをもとに、気候にあわせたコーディネートを1週間分作成する機能を搭載し話題を集めている。(今後XZではAIコーディネート機能を活用し、ECとの連携も予定している)
一方ユニクロでも、アプリのアシスタントサービス「UNIQLO IQ」機能を2018年7月正式に公開した。商品検索やシーン別コーディネート検索のほか、オンライン購入にまつわる相談をAIチャットボットが対応するという仕組みだ。AIを使うことでアプリでの1to1マーケティングの強化を狙った取り組みだろう。
(3)カメラ機能を使うファッションアプリも増加。最新事例はSNSシェアを意識!
コーディネートとともに、ファッションアプリでトレンドになりつつあるのがカメラ機能。最近ではブランドイメージにあわせた画像加工機能を、公式アプリに搭載するケースも多い。
このカメラ機能をさらに進化させているのが、タレント渡辺直美がプロデュースするファッションブランド「PUNYUS」の公式アプリ。このアプリでは、フォトフレーム機能というユニークな機能を搭載して人気を集めている。これはユーザーがスマートフォンで撮影した画像を、PUNYUSオリジナルのフォトフレーム画像と合成できるというもの。
カメラ使ったアプリ機能はブランドイメージの訴求につながるだけではなく、アプリのアクティブ率維持効果も期待できるのが強み。特にPUNYUSが採用したフォトフレーム機能なら、フォトフレーム付き画像がSNSで拡散されるというのも大きなメリットだ。SNSで人気が高まれば、新規ダウンロード数アップにつながる効果も見込める。