アプリ開発するならどっち? スクラッチ開発とツール利用のメリット・デメリット

多くの人が起きている間、常にすぐそばにあってあらゆる情報の入口となっているスマートフォン。それを自社の顧客とより深くつながる接点とすべく、多くの企業のモバイルマーケティング戦略の中でアプリが重要視されつつあります。

実際にアプリ開発を検討する場合、アプリで可能になることや費用感をつかむうえで、どのような開発方針をとるのかを考える必要があります。具体的には、いわゆるゼロから作るスクラッチ開発を行うか、アプリ開発プラットフォームを利用してカスタムオーダーするかということです。スクラッチ開発の場合、開発作業を自社内で行うのか、外部に委託するのかという選択肢もあります。それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

自由度が高い社内スクラッチ開発、リソースがネックに

まず自社でスクラッチ開発する場合を考えてみると、そのメリットはなんと言っても自由度の高さでしょう。技術や予算が許す限りの機能を搭載できますし、デザイン面でも制約は最小限で済みます。またアプリ内の文言など細かな修正事項が発生した場合にも、社内であれば気軽に素早く直すことが期待できます。

ただ独自性の高いアプリを作るとなると、その分開発工数も大きくなりがちで、テストやデバッグなども独自に設計する必要があるため費用も時間もかかります。またそもそも非IT系の企業では、スマートフォンアプリを独自に開発できる人材を社内で確保すること自体難しく、もし確保できたとしてもそのスキルレベルが要件に見合っているのかという問題もあるでしょう。

高スキルも望めるが小回りが利かない外注開発

自社の開発リソースが薄くてもアプリを開発したい場合に現れる選択肢は、外注でしょう。内製の場合と同じように自由度の高い開発が可能であり、また複数社から相見積もりを取って、費用やスキルレベルなどを比較したうえで最適解を求めることができます。開発会社によって、EC関連の実績を多く持っているところ、データベースの扱いに長けているところなどさまざまな得意分野があり、上手に活用すれば自社だけではできないような完成度の高いアプリを生み出せる可能性があります。

ただ外注といっても発注側のスキルが不要なわけではなく、むしろ要件定義や進捗管理など、外注管理のノウハウが問われてきます。また『アプリ開発会社年鑑2015』によれば、アプリ開発の最低価格の平均は124万円、最高価格の平均は2331万円となっており、かなりまとまった金額がコストとしてかかります。

安く、早く開発できるアプリ開発プラットフォーム

より短期間で安価に開発することを重視するなら、アプリ開発プラットフォームの利用が有効です。多くの場でプログラミングなどの専門知識や経験がなくても、テンプレートをベースにしてアプリが作れるようになっています。スマートフォンには主にiOSとAndroidのふたつのOSがありますが、一度の開発でその両方に対応したアプリを作ることができたり、それぞれのアプリストアに簡単に登録申請できたりと、いくつもの点で期間短縮・コストダウンにつながっています。またセキュリティパッチやスマートフォンOSのアップデート対応など、外的要因で発生するアップデートにはプラットフォーム側で対応できるという利点もあります。

デメリットとしては、スクラッチ開発ほどの自由度がないという点が挙げられるでしょう。

スクラッチ開発を選ぶか、プラットフォームを選ぶか

以上、スクラッチ開発とアプリ開発プラットフォーム利用のメリットとデメリットについてまとめました。アプリを開発する際には、自社が置かれた状況をよく鑑みた上で選択をするのがよさそうです。例えば、まずはプラットフォームを利用してリリースをし、運用の経験を積んでいくという考え方もあれば、自社の中でも独自性の高い商品やサービスはスクラッチ開発、付属的なサービスはプラットフォームを利用するといったケースもありえます。それぞれの特徴を理解し、自社の戦略と照らし合わせながら、より建設的なアプリ開発を目指しましょう。

参考:
https://www.amazon.co.jp/dp/B00P1XHTZK/