EC事業者の中には、そろそろ自社アプリを導入したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし「アプリは開発も運用も大変そう」というイメージがあり、なかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
しかし、今やECにとってアプリは無視できない、むしろ必須の存在となりつつあります。今回は、現在のEC業界におけるアプリの重要性、並びに具体的な成功例などを見ていくことにしましょう。
データが示す、モバイルECにおけるアプリの重要性
世界的な広告関連企業、Criteoが発表した「2016年度上半期モバイルコマースレポート」では、モバイルECの世界におけるアプリの優位性が数多く示されています。以下に一部を抜粋します。
・日本におけるモバイル経由の売上シェアは52%(前年比11%増)
・モバイルでの購入が多い上位1/4のサービスでは、モバイルからの購入率が約8割
またアプリに関しても、
・モバイル経由での購入の54%がアプリ
・コンバージョン率はアプリ経由が最も高い
・アプリ経由の平均購入金額が最も高い
・アプリでのコンバージョン率はモバイルサイトの3倍
・モバイルサイトに比べ、アプリの新規ユーザーの30日以内の再訪率は2倍
といったように、ECにとってアプリがどれほどアドバンテージがあるかがデータで示されています。EC事業者にとって、アプリはもはや欠かせない存在ということが分かると思います。
EC専業、オムニチャネル、モバイルEC売上が上がる仕掛けとは
ここからは、いち早く自社アプリに取り組んでいる企業の成功例を見ていくことにしましょう。
国内最大規模のショッピンサービスである楽天のアプリでは、商品のバーコードを読み取るとその商品を購入できるという仕掛けを組み込んでいます。この機能によって、主に消耗品などで気に入った商品をカメラで読み取ってすぐに購入といったことが可能となります。これは、品揃えが豊富な楽天市場ならではの優位な機能といえるでしょう。同アプリではさらに、アプリ限定でくじが引けるというエンターテインメントな要素も盛り込んでいます。
画像参照:楽天
一方、こちらも人気のECサービスであるYahoo!ショッピングでは、「アプリで買い物をすると、ポイントが2倍になる」という仕組みを導入しています。いくつかの条件はあるものの、利用するだけで毎日の買い物がお得になるのであれば、アプリを導入する十分な動機になるといえるでしょう。実際に同アプリは、iOS、Androidの双方でユーザーレビュー4点以上という高い顧客満足度を誇っており、EC事業の売上高も順調に伸び続けています。
画像参照:Yahoo! JAPAN
変わって、人気ファッションブランド、BEAMSのアプリ「WeBEAMS」を見てみましょう。こちらでは、新入荷商品やセールのお知らせといったベーシックな情報の提供はもちろん、ショップスタッフのスタイリングなどが毎日送られて来るという仕掛けも取り入れています。これは、ファッションが好きな人、またはコーディネートに悩んでいる人にとって有意義な情報であり、アプリを常にスマートフォンに入れておくだけの価値を提供しているといえるのではないでしょうか。
その他にも、お気に入りの店舗を「クリップ」したり、店舗へ行って「チェックイン」をするとバッジが貯まり、一定数が貯まると、限定ノベルティと交換できるといった仕掛けは、リアル店舗を持つ企業ならではの強みといえるでしょう。
画像参照:BEAMS
EC事業者にとって、アプリはもはや欠かせない存在となっています。いち早くこの潮流に乗り、アプリを自社ビジネスに取り入れることが、今後の成功の鍵を握るといっても過言ではないでしょう。導入に迷われている方、悩んでいる方は是非前向きにご検討されることをおすすめ致します。
参照:
http://www.criteo.com/media/5329/criteo-mobilecommercereport-h12016-jp.pdf
https://event.rakuten.co.jp/app/kuji/
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1702/03/news134.html
http://www.beams.co.jp/special/webeams/