顧客誘導戦略としてのO2Oの効果

ユニクロやマクドナルドなどのチェーンストアが今力を入れているマーケティング手法が「O2O」。O2Oとは「Online to Offline」の略で、オンライン(Webサイト・アプリ)から、オフライン(実店舗)への誘導という意味である。(逆のOffline to Onlineという意味で使われることもある)

最近多いO2O事例といえば、スマートフォンのアプリを通じて割引ク―ポンを顧客へ配信して来店を促すという方法。

O2Oの発祥は2000年頃に米国で始まった、ECサイトが実店舗を設けて相乗効果を狙う「クリック&モルタル」と言われている。ただし当時のオンラインは自宅PCでのインターネットを指していた。その後スマートフォンが広く普及したことで、現在のO2Oスタイルに発展している。

1.O2Oとマルチチャネル、オムニチャネルの違い

O2Oを考える上で、混乱しがちなのが「マルチチャネル」と「オムニチャネル」。オンラインとオンラインを組み合わせている点はO2Oと共通だが、それぞれ意味は異なるので整理しておこう。

マルチチャネルとは
マルチチャネルは、複数のチャネルによって顧客と接点を持つという意味。例えば実店舗のほかECサイトやFAX・電話などの購入方法を設けることを指す。(DMやメールマガジンなど複数の方法で告知する、ということを含めるケースもある)

オムニチャネルとは
オムニ(Omni)は英語で「すべての」という意味。マルチチャネルは複数チャネルを設けるにとどまるが、オムニチャネルでは複数のチャネルを連携させ、顧客がチャネルを意識せずシームレスに購入体験できることを目指す。

国内のオムニチャネル事例として有名なのが、セブン&アイホールディングス。「Omni7」というECサイトを設け、セブンイレブンやそごう・西武の百貨店などの店舗を融合したサービスを展開している。顧客はECサイトで購入した商品をコンビニで受け取ったり、コンビニにあるギフトカタログを見ながら、百貨店の商品を自宅に取り寄せたりできる。

マルチチャネルやオムニチャネルが「顧客との接点を増やす」という目的の一方で、O2Oはあくまで「店舗(オフライン)へ集客する施策」にフォーカスしている点が大きな違い。

もちろん、O2Oとオムニチャネル・マルチチャネルを組み合わせることで、相乗効果も期待できる。

2.スマートフォンを活用したO2Oが注目されている理由とは

顧客の購入スタイルの変化

商品を購入する前に、まずスマートフォンで情報収集・検討するのが当たり前の時代。飲食店でも、まずは口コミサイトでリサーチしてから予約するというのが主流である。つまり、スマートフォンが顧客とのファーストコンタクトになるため、スマートフォンから実店舗へ誘導するO2Oが特に重要となっている。

顧客行動データの取得

紙のクーポンを配るよりも、O2Oであれば「どんなクーポンが来店につながったか」「どんな顧客が来店につながったか」というデータを取得しやすい。蓄積したデータを分析すれば次のプロモーション施策に活用できる。

顧客へ効果的に情報発信できる

さらに、スマートフォンのアプリなら、プッシュ型配信がしやすい点も大きなメリット。若年層のメール離れやスパムメールの氾濫によって、メールの開封率は減少傾向にある。一方でアプリ経由ならスパムメールに紛れることもなく、メールより情報を伝えやすい。実際に開封率50%超という効果を上げているアプリの事例もある。

3.O2Oを成功させるために必要なものとは

今後O2Oを考えていく上で必要なものは、顧客に最も近いスマートフォンに向けてタイミングよく、的確に情報を発信をすること。そのために欠かせないのが、スマートフォンのアプリ機能。アプリではなくソーシャルメディアのみというO2O戦略もあるが、単なる情報発信にとどまってしまう。基幹システムと連動して効果を上げるには、アプリ開発が望ましい。さらにアプリなら、さまざまな機能を追加できるメリットがある。ポイント管理機能や接客用のチャット機能をアプリに搭載すれば、さらに顧客とのつながりを強化でき集客効果のアップが期待できる。

もうひとつO2Oの成功に不可欠なのがシステム連携である。例えばアプリで顧客ごとにパーソナライズしたおすすめクーポンを届けるには、顧客管理システムとの連動が必要となる。ほかにも「店舗で品切れ間近!」といったタイムリーな情報を届けるためには、在庫管理システムとの連携が欠かせない。そういった側面からも、O2O成功のためはアプリ開発が必須と言っても過言ではないだろう。

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