私たちヤプリは、モバイルアプリを軸に、企業などの組織で働く従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め、イキイキとした組織へと導くサービス「Yappli UNITE」を提供させていただいています。いわゆるHR領域へのチャレンジですが、おかげさまでサービス開始後から数多くの企業様にご導入いただいています。そして、その過程において、様々な業界、様々な組織で働く方々が、普段どういった部分にお困りで、組織としてどういった課題を持っているのかといったお声をヒヤリングさせていただいてきたのですが、それらのお声に共通する要素が徐々に見えてきました。
この記事では、その中でも特に「製造業」に絞り、この業界で働く方々や組織が抱えている主な課題をご紹介し、それに対してなぜYappli UNITEがおすすめなのかをご説明します。自分たちが悩んでいることが、もし自分たちだけの特有の悩みではなく、実は多くの他企業も課題に挙げていたとしたら、その解決策も見つけやすくなるはず。
「今はとりあえず課題解決のためのアプローチ方法を広く調べている」という方も、「組織をより良くするためにアプリを活用するのはアリかも」と、より具体的に解決方法を検討されている方も、ぜひ本記事をご覧になって「アプリ×従業員エンゲージメント向上」という切り口への解像度を高めてみてください。
目次
そもそも、なぜ従業員エンゲージメントの向上&組織強化が重要なのか
製造業に限らず、近年は特に従業員エンゲージメント向上や組織強化をテーマの一つに掲げる企業が増えています。それは一体なぜなのでしょうか?
1.ここ数年で再び顕著になりつつある「売り手市場化」
コロナ禍で大きく下がった有効求人・有効求職数もここ数年は再び上昇傾向になっています。そして、以前から危惧されていた少子化・高齢化による国内の労働人口の減少が改善する兆しも未だ見えていないため、このまま売り手市場化が進む可能性は高いと言えます。そのため、多くの企業にとって、減少する労働人口の中から優秀な人材を獲得することが大きな課題となり、新たな従業員の獲得はもちろん、今いる従業員がなるべく離職しないためのアクションも必要不可欠になってくるのです。
2.コロナ禍から始まったワークスタイルの変化
現在はフル出社に回帰している企業も増えているかもしれませんが、出社とリモートのハイブリッドで運用している企業が多く、いずれにせよリモートワークという働き方は定着したと言ってもいいのではないでしょうか。一方で、リモートワークの課題の一つが、コミュニケーション量の低下。無駄な打ち合わせや飲み会などが減ったとポジティブに捉える方もいますが、そういったコミュニケーションが少なくなったことでむしろやりづらさを覚えている従業員も少なくありません。ゆえに、企業の取り組みとして、コミュニケーション基盤を整え、より良い従業員体験を提供することが重要になってきています。
3.人的資本情報開示の義務化
有価証券報告書を発行する企業は、2023年3月期の決算以降からは有価証券報告書に自社の従業員の状況について記載しなければならないルールが定められたように、特に近年は良い企業であるかどうかを判断するための重要なポイントとして、ヒューマンリソースを企業の大切な資産としてどのように有効活用しているのかをチェックされるようになってきました。ゆえに、これまで以上に、従業員エンゲージメントを企業として戦略的に高められるかが大切になっているのです。
“情報格差”を埋めないと、組織力の低下に歯止めがきかなくなる
では、製造業の企業が従業員エンゲージメントの向上に取り組む上で具体的に解決しなければならない課題とは一体どういうものなのでしょうか。そのキーワードは、“情報格差”から引き起こされる“組織力の低下”です。情報格差が生じる主な理由は、勤務場所・拠点が異なることによる「物理的な距離」が起こるためです。製造業は本社勤務、工場勤務など、働く場所が異なるため、従業員が置かれる労働環境も多様です。中でも、工場で働くメンバーは、1人1台パソコンを持つのではなく、共通のパソコンやタブレットを使用しているケースもあります。あるいは、パソコンやタブレットのようなデジタルツールではなく、掲示板を主な情報共有の場にしているケースも少なくありません。共有事項を印刷したプリントを掲示する、いわゆる“張り紙文化”ですが、全従業員に十分に共有できているかを把握する術はなく、印刷するコストがかかる、掲載できる情報量に限界があるといった問題も多くあります。
その結果、どういう問題が生じるか。考えられるのは、本社から発信される情報をキャッチする機会が少なくなり、必要な情報が行き届かないメンバーが出てきてしまうこと。情報の獲得度合いにバラつきが出てくるため、従業員同士のコミュニケーションにもズレが起きやすくなってしまいます。そして、その蓄積によって従業員エンゲージメントが低下し、やがて組織力の大きな低下につながっていく…ということにもなりかねません。
“社内ポータル”をつくっただけで、止まってしまっていないか?
違う角度からも見てみましょう。総務省の統計によると、近年では全社的にクラウドサービスを導入している企業が増えており、2022年時点の結果では製造業の42.5%が全社的に利用、一部の事業所や部門のみで利用しているケースも含めると71.2%となっています。

※「令和4年 通信利用動向調査報告書(企業編)/https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202200_002.pdf」P.7より引用

※「令和4年 通信利用動向調査報告書(企業編)/https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202200_002.pdf」P.8より引用
また、具体的に利用しているクラウドサービスで一番多いのは「ファイル保管・データ共有サービス」、その次に多いのが「社内情報共有・ポータル」「電子メール」となっています。つまり、現場や営業など、様々な環境で働く従業員の誰もが、企業からの情報をより取得できるような体制を整えようとする動きはあり、ヤプリにご相談いただく企業様の中には社内情報を共有するためのポータルサイトなどが運営されているケースも多々あります。
しかし、このケースでよくある課題は、「結局あまりポータルサイトを見られない」ということで、例えば以下のような理由が挙げられます。
- セキュリティの関係で会社のネットワークやパソコンからでしか見れず、欲しいと思った時にすぐ情報をキャッチできない
- どの情報がどこにあるのかがよくわからず、結果的に使用頻度が減ってしまう
- シンプルにポータルサイトが使いにくく、使おうというモチベーションが生まれにくい
これらの理由に共通する要素を挙げるならば、それは“従業員のワークスタイルやライフスタイルに十分に寄り添った情報共有のあり方ではない”ということかもしれません。あるいは、“情報を取りに行こうとする従業員の能動的なアクションの負荷が高い”とも言えるのではないでしょうか。社内ポータルなどによって誰もが情報を取得できるインフラを整えることは重要ですが、従業員によって働き方が多様な場合、特に製造業の現場メンバーのようにパソコンを使用する機会が少ないワークスタイルにも適した環境をデザインすることがポイントになります。
“情報共有”というワードから抜け落ちてしまいがちなこと
社内ポータルなどによって情報共有をしやすくしようとする際につい抜け落ちてしまいがちなのは、「企業理念」や「他部署の取り組み」「スキルアップに関する情報」「福利厚生の案内」といった、日々の業務に直接的には関わりにくい情報の共有です。
想像してみてください。もしあなたが現場のメンバーだったとして、通常業務の合間を縫って、事業所にあるメンバー共有のパソコンを開いたとします。そこでアクセスする社内ポータルから、わざわざ企業理念や他部署の取り組みを見ようと思いますか?時間に余裕があれば見るかもしれませんが、どうしても優先順位は下がってしまうのではないでしょうか。
しかし、従業員がより主体的に、イキイキと働くためには、企業理念をきちんと理解し、自分ごととして捉えることが重要になってきます。また、他部署の取り組みやスキルアップに関する情報など、普段の業務によって固まった自身の視野を広げ、新たなモチベーションアップのきっかけとなるかもしれません。その結果、従業員のエンゲージメントが高まり、優れた組織の強力な基盤となります。
ところで、「インターナルコミュニケーション」というワードをご存知ですか?インナーコミュニケーションとも呼ばれるこのワードですが、社内でのコミュニケーションを活性化させようとする取り組みのことで、多くの企業が「従業員エンゲージメントを向上させる」や「理念や経営方針を浸透させる」ことを主な目的として注力してきています。つまり、真の意味で“情報格差”を埋めるということは、普段の業務に関するものはもちろん、忙しい従業員がつい見過ごしてしまうものに関しても、従業員たちに寄り添ったスタイルで発信・共有するということなのです。
“従業員エンゲージメント向上”は、モバイルアプリを軸に考える時代
では、製造業の情報格差を埋めるのに適した解決策は何か、それこそがヤプリの「Yappli UNITE」だと私たちは考えています。前半で従業員エンゲージメントの向上や組織力の強化が重要になってきている背景についてご紹介しましたが、組織とのつながりが希薄化し、人材定着も課題になる中で、従業員にとって最も身近にあるスマートフォンアプリを軸に従業員エンゲージメントに関わる課題を解決し、組織力を向上させるサービスがYappli UNITEです。
具体的なサービスの特徴に入る前に、組織力の向上にアプリがどう有効なのかをご説明しましょう。社内の主な情報共有・コミュニケーションデジタルツールとして、社内ポータルやチャットツール、そしてメールがあります。それぞれには異なる特徴があり、そこにアプリを加えた場合は図のようなポジショニングになります。
例えば社内ポータルと比べると、アプリも社内ポータルも、様々な情報を蓄積させていつでもチェックできる場所として活用できます。しかし、先述のように社内ポータルではアクセスのしやすさにハードルがあるケースが多い一方で、アプリならば従業員一人ひとりのスマートフォンからいつでもすぐにチェックできるので、情報の伝達スピードや気軽さに関してはアプリがより優れていると言えます。
また、チャットツールと比べると、チャットツールは日々の業務上のコミュニケーションで活用するもので、主なチャットツールサービスではスマートフォン用にUIが最適化されているものも多いので、伝達スピードではアプリに引けをとりません。しかし、チャットツールは日々のコミュニケーションのためのものなので、情報を蓄積する場所としてはアプリよりもやや不適切な側面があります。
上記をまとめると、アプリは「従業員にとって必要な情報を、スピーディーに発信・共有し、かつ従業員がいつでも好きなタイミングで気軽に見られるようにストックしておく」ための最適なツールと言えるでしょう。
このように、各ツールには特徴があるため、例えばじっくり読み込んで分析したいような資料は既存の社内ポータルで見れるようにして、企業理念や他部署の活動などはアプリでシェアするという運用方法も十分に考えられます。また、普段のやり取りはチャットツールで行いつつ、共有する資料はアプリにストックしておくこともあり得るでしょう。ありとあらゆるツールを闇雲に導入して情報がバラバラになってしまうことは避けるべきですが、各ツールの特徴や使用する目的をはっきりさせた上で併用することは、従業員一人ひとりの様々な働き方にフィットするコミュニケーション基盤を構築するために有効です。そして、中でも従業員にとって身近な存在であるスマートフォンアプリを、情報共有やコミュニケーションの軸にすることが、従業員たちに寄り添うという観点で特におすすめです。
情報格差を埋め、よりイキイキと働ける環境をアプリでつくる
より具体的にYappli UNITEでできることは大きく4つ、「インターナルコミュニケーションの促進」「人材育成につながる成長機会の提供」「チームビルディングのためのコンテンツ発信」「従業員の健康と安全をサポート」となります。
まずご紹介するのは「インターナルコミュニケーションの促進」です。先述の資料からも多くの企業がインターナルコミュニケーションを実施する主な目的として「理念・ビジョン・経営方針の浸透」を挙げているように、企業が掲げるミッションや価値観を従業員に共有し、共感を促すためにアプリは役立ちます。紙媒体で社内報を発行していた企業であれば、その内容をそのままアプリに移行させることで印刷にかかる費用・時間のコストを大幅にカットできます。そして、アプリと特に相性が良いのが「動画コンテンツ」。例えば、経営層が実際に身振り手振りを交えながら企業の考えや未来へのビジョンを語る動画コンテンツを発信すれば、内容に加えてその熱意といった情緒的な部分まで伝わりやすくなります。
また、工場の現場などで働くメンバーに起きがちな悩みの一つが、「自分が所属する事業所以外での取り組みや、そこで働く従業員たちの活躍を知るきっかけがない」ということで、その結果、孤立感や帰属意識の低下につながる可能性も。社内ポータルや紙の社内報などで各部署の取り組みを共有している企業も多いですが、そのツールをアプリにすることで情報へのアクセスのしやすさが大幅に向上し、日常的にチェックする従業員が増えて個々のモチベーションも上がりやすくなります。
次に「人材育成につながる成長機会の提供」について。業務上で必要なマニュアルや、社内向けの研修・勉強会のコンテンツなどをアプリで共有することもできます。また、近年注目を集めているキーワードである「リスキリング」の観点でもアプリを活用できます。日々の業務に加えて、新たな技術や知識を獲得するための取り組みをすることは決して簡単なことではないかもしれませんが、気軽にチェックできるアプリだからこそ、そのハードルを下げられ、継続的に学ぼうとするモチベーションにつながります。
「チームビルディングのためのコンテンツ発信」「従業員の健康と安全をサポート」については、主に上記の機能を活用いただけます。例えば“社員図鑑”コンテンツを通じて、他部署のどういったメンバーが活躍しているのかを知るきっかけとなったり、新しく入社した従業員の紹介をすることでコミュニケーションの切り口にもなり得ます。また、アンケート機能によって、アプリの内容や普段の業務についてなどのリアルな声を集めることも可能。社内ポータルやメールでもアンケートは実施できますが、アプリの気軽さがあるからこそ、業務の隙間時間などにサッとアンケートに答えられ、最終的な回答数にも違いが出てきます。
また、アプリを通じてオンライン上で医師の診断を受けられる「ファストドクターシステム」を使えたり、悪天候時などに従業員の安否確認を促せるなど、従業員が健康的に働ける環境づくりにも活用可能。
また、アプリを日常的に開きたくなるようなモチベーションアップにつながるアクションも行えます。例えば、アプリ内でのコンテンツを閲覧したらポイントが貯まり、貯まったポイントはノベルティと交換できるといった取り組みが可能。ポイントが貯まるきっかけも様々なタイプを設定でき、オフィスや工場に着いたら“チェックイン”をしてポイントをゲットできたり、毎日楽しめる“くじ引き”コンテンツで、ランダムなポイント数をゲットできるといったエンターテイメント性を加えることもできます。
このように、様々な角度からの情報共有や浸透をアプリによって気軽に、スムーズにできるようにすることで、情報格差を埋めて組織の一体感を醸成。組織の縦横のラインのつながりを強化し、組織力アップに繋げられます。
終わりに
本文でご紹介したように、すでに社内ポータルなどで社内の情報共有環境を整えようとしている製造業は多くいらっしゃいます。ですが、思ったように情報が行き届かない、浸透しない、企業の思いや考えが伝わらないとお悩みの方が、Yappli UNITEを導入してくださっているケースは少なくありません。繰り返しになりますが、決して社内ポータルが悪いということではありません。大切なのは、情報共有のための各ツールの特性を理解した上で、目的に合わせて使い分けること。そして、製造業の現場のメンバーとアプリの相性の良さは高く、モバイルを軸とすることで社内の情報共有やコミュニケーションが円滑に回っている企業も増えています。
本記事をご覧になって、もしYappli UNITEにご興味が沸いた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。具体的な活用イメージが最初から沸いている方はほとんどいらっしゃらないので、まだどのように使えば良いのかわからなくてもぜひ、ヤプリのスタッフとの会話を通じて社内アプリの可能性をご検討いただけると嬉しいです。