ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
前回に引き続き、2024年3月17日から20日までラスベガスで開催されたSHOPTALK2024のリポートをお届けします。
今回は話題のリテールメディアについて、Amazonの広告製品&テクノロジー担当SVPコリーン・オーブリーさんが「リテールメディアは気弱な人向けではない」と言ったのが印象的でした。
Amazonが早期に間違いを犯して学んだ検索広告ではないと言い切りました。
アマゾン 広告製品&テクノロジー担当SVPコリーン・オーブリー氏
「リテールメディアは検索後に表示して購買を煽る気弱な人向けの広告ではない!」
そして、ショッピングは単なる「検索、クリック、終了」一連のステップではなく、旅であると説明していました。
Web検索だけでなく、顧客行動全体、それは「リビングルーム、ウェブサイトやアプリ、ツイッチストリームなど、顧客がいる場所で顧客に会うことが重要である」と強調しプライムビデオや、アレクサ、配送の同梱物やパッケージなども合わせてエンターテイメントを提供し、消費者に新しい発見を届ける事こそリテールメディアの役割だと言いました。
これはつまり、よくあるリテールメディアは広告か販促かといった議論に対して、業界トップかつコンバージョン直前の販促利用が多いアマゾンが「広告でありメディアに紐づくもの」言ったということなんですよね。
メディアやエンターテイメントの話題で注目を浴びたのが、映画バービーを大ヒットさせて玩具メーカーからエンタメ企業に華麗なる転身を見せたマテルです。
マテルフィルムCEOロビー・ブレナー氏
「マテルはエンターテイメント企業となりファンをオーディエンスに変える」
マテルの「顧客」は「ファン」であり「ファン」を「オーディエンス」に変える事でマテルの持つIP(バービーなどの知的財産)を最大限に活用し顧客との距離を縮め生活に入っていく戦略です。
マテルはすでに、14本の映画の制作に入っていて、女優のリリー・コリンズの出演が決まっているポリーポケットやカードゲームのUNOまで様々なIPを映画化をし、ストーリーを通じて、キャラクターや玩具のファンをオーディエンスにしていく戦略です。
もちろんこれらはデジタルやSNSを活用した多角的なアプローチで顧客に届けられます。さらに、24年米アリゾナ州に、26年には米カンザス州でテーマパークを作ることも公表しています。映画を見た上で、その世界観をイベントやテーマパークで直接体感し、グッズを購入して自宅で楽しむ。この一連の仕組みで優れた顧客体験を作っていく戦略なのです。
ユニファイドコマースを推進するためには、カスタマージャーニーの重要なポイントに接点をもち、ストーリーやエンターテイメントでその接点を繋げていく事が重要だと言う事がわかる会となりました。
◆カスタマージャーニーに合わせたチャネルの使い分けを調査しました!◆
1200人に聞いた、購買プロセスにおける アプリ・SNS・ウェブの使い分け調査(2023年版)
〜認知・検討・購買の各フェーズで最適な顧客接点とは?〜