ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今回はフランス・パリで先日まで参加してきた、VIVATECH(ビバテック)2024のレポートをお届けします。
ビバテックは毎年フランス・パリで開かれるテクノロジーの祭典で、今年は16万人以上の人が集まりました。
特に今年のパートナーカントリーが日本だった事もあり日本のブースは例年以上に広く、
日本人の姿も例年以上に見られました。
初日の公演では日本の岩田経済産業副大臣が登壇し、その中で岸田首相のビデオメッセージも流され、岸田首相は過去10年で10倍になったスタートアップへの投資額をさらに5年で10倍にすることや、日本のメガバンクがCVCとしての投資件数で世界トップ3を独占したことをアピールするなど、テクノロジー、ベンチャー、投資における日本の取り組みを共有していました。
そんなビバテックで発表された中で、個人的に面白かったものを3つ紹介します。
1、医療がやってくる22社が参加する一大プロジェクト
ルノーなど22社が参加するコンソーシアム、ソフトウェアレピュブリックが
「U1st Vision」(ユーファーストビジョン)を発表しました。
U1st Visionはルノーの技術を注ぎ込んだ電動自動車のプラットフォーム「FlexEVan」とそれに乗せる多機能自立型モジュール「ポップアップ」で構成される「移動するサービス」です。
医療、行政サービス、自転車修理、電気製品のリサイクルなど、多様なサービスの計画しており、
その第一弾として医療モジュールが発表されました。
このモバイル医療センターは、さまざまな診断や治療を提供する設備が整っており、フランス市民の4人に3人は、待ち時間と治療の質が住んでいる場所によって影響を受けると感じている現状から、距離が健康の障害になることを解消するサービスです。
2、AIによるクリエイティブの生成大賞!LVMHイノベーションアワード
毎年行われているLVMHは、ラグジュアリー分野における課題解決のためのスタートアップを対象とした賞です。今年は89か国から1500以上のスタートアップ企業が応募し、6つの部門で18社がファイナリストとして選出されました。
各部門賞では日本企業のヘラルボニーも選ばれています。
ヘラルボニーは、障害のあるアーティストの企業向けアートライセンスを管理、提供する企業です。
そんな中で全ての部門を通じて大賞に選ばれたのがFancyTech(ファンシーテック)です。
ファンシーテックは生成型AIを活用し、3Dモデリングとコンテンツを生成をする中国の企業で、ウブロとの取り組みでは2週間で40の高品質のコンテンツ製品ビデオを作成したと言います。
生成型AIのクリエイティブへの利用はどんどん進化していきますね。
ちなみに、写真にあるこの大賞へのトロフィーも、ディオールが生成型AIを利用してデザインし、職人が作り上げたものでした。(ヴィトンのBOX入っています)
3、ロレアルが発表したヒトの皮膚のバイオプリント
今回初公開となった、ヒトの皮膚のバイオプリントSkin Technology by L’Oréalは、40年以上も前から動物実験を行わないロレアルグループが長年研究してきた成果で、生物学、機械工学、電子工学の融合によって実現したと言います。しみやシワなどの肌の状態から湿疹やニキビなど肌の症状、日焼けや傷などの治癒能力など、ヒトの皮膚の多様性を忠実に再現するこのテクノロジーは同社の製品テストの基準をさらに引き上げると言います。
さらに現在は、世界中のスタートアップ企業や著名な研究機関と協力して、実際に刺激を感じる皮膚の実現に向けて研究を重ねていると言います。
さて、この後はスペイン・バルセロナで開催されるSHOPTALE EU2024に参加してきますので、そちらは次回共有します。