ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今年最後の担当回ですので、今年の海外カンファレンスの総集編をお送りします。
今年も6つの海外カンファレンスに参加しました。
①CES②NRF③SHOPTALK④VIVATECH⑤SHOPTALK EU⑥SHOPTALK Fall
今年のカンファレンスを通じての印象に残った話題は以下の4つです。
1、AI/生成AIの民主化と差別化
2、ロイヤルティプログラムの再考
3、カスタマージャーニーの変化とデマンド創造
4、ユニファイドコマースへの移行
5、従業員へのデジタル投資(EX)
昨年だと、リテールメディア、リセール、メタバース、生成AI(ChatGPT)だったので今年はだいぶ戦略的かつ実践的な話題が多かったのではないかと思います。
今年印象に残った4つのテーマについて概要と今後の期待を書いていこうかと思います。
1、AI/生成AIの民主化と差別化
ベンダーが自社ツールにAIをビルドインする事で、多くのツールでAIが使えるようになりました。この流れは拡大していくと思います。
データを使った論理的な判断や過去の経験を元にした効果的な手法はAIの得意とする所ですので、人の働き方はよりクリエイティビティな業務や、AI活用を前提としたチャレンジ(AIが想定できない事にトライする事)が求められるようになり、人材育成や評価方法が大きく変わると思います。
また、AIや生成AIで取れるデータは従来よりも顧客のインサイトに近いので、それらを活用できるような「ファーストパーティーデータ」の取得と活用も重要になるでしょう。
2、ロイヤルティプログラムの再考
ロイヤルティプログラムは、プラスチックカードと葉書DMの時代から変化なく続けてしまっている企業が多くその見直しが進んでいます。多く購入してくれるユーザーにポイントと割引で還元するだけではなく、初心者が習慣化しやすくなるようなオファーや、利益体質にするためのクロスセルなど、顧客の状態に合わせたオファーがプログラム化されています。またそれに必要なデータを取得したり、体験してもらう行動へのポイント付与など、デジタル(主にアプリ)主導のプログラムへの変革はさらに進むでしょう。
3、カスタマージャーニーの変化とデマンド創造
デジタルが得意な検索や比較によって顧客が必要なものを探す事は容易になりました。一方で「これが欲しい」と言った強力なデマンドがなければ、競合との比較検討に晒されやすくなっており、「これが欲しい」を作るマーケティング手法が注目されています。
コラボ商品、限定販売、予約販売など、商品と合わせた手法や、インフルエンサーや店舗体験と合わせた手法など様々ですが、デマンド創造はさらに注目されていくと思います。
4、ユニファイドコマースへの移行
リアルとデジタルチャネルを準備し融合させるオムニチャネルやOMOをベースにしたデジタル投資フェーズから、それらを前提に企業の強みと掛け合わせた利益体質のためのビジネスモデルの変革がユニファイドコマースに求められる要素でしょう。
言葉だけが先行しがちですが、来年以降に成功企業が増えてくるともう少し定義されていくかもしれません。
オムニチャネルの成否に惑わされる事なくビジネスモデルを見直していく必要がありますね。
5、従業員へのデジタル投資(EX)
各国のカンファレンスで、従業員へのデジタル投資は大きな話題でした。
業務効率化、即戦力化、エンゲージメント強化による離反防止など課題は山積みですが、社内コミュニケーションがビジネス成長の足枷にならない様にする投資は必要不可欠かと思います。この分野でのアプリはグローバルで増えてきており、AIとの相性も良いので来年以降の動向が楽しみな項目の一つです
今年を振り返ってみましたが、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
来年も年明け早々にアメリカに行ってきますので、これらの情報更新もお楽しみに。