ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今回も10月16日〜18日まで、アメリカシカゴで行われたSHOPTALK2024 FALLの内容からお届けします。
キーノートセッションでは、米Rent the Runwayの共同創業者兼CEO ジェニファー・ハイマンさんが登壇して、
15周年を迎える洋服レンタルのサブスクサービスについて話しました。
ファッション業界のディスラプター(破壊者)とも言われたRent the Runwayは、2019年にユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)に仲間入りしコロナ禍での大幅な売上減も経験しながら、2024年度は過去最高益の486ミリオンドル(約729億円)にまで成長するなど新しい市場を創造した企業で、顧客コミュニケーションの中心にアプリを活用する企業でもあります。
Rent the Runwayは創業から15年の中で、業界の“破壊者”から“共存者”へ変革しています。
15年前は、ファッション業界も美容業界も大手企業が支配してましたが、現在の米国で売り上げをつくっている大半はインディーズブランドと、大きく変化していると言います。
また、少なくとも1000を超えるインディーズブランドが生まれており、同社が取引をする750以上のブランドの多くもインディーズブランドです。
つまり顧客が知らないブランドも多く存在していおり、顧客はRent the Runwayを通じてレンタルからブランド体験を始めることができるのです。
実際に、顧客の95%以上が過去に所有したことのないブランドをレンタルし、気に入ったブランドがあった場合、80%の顧客が購入意向を示しているというから驚きですね。
Rent the RunwayはD2Cブームも含めた大インディーズ時代への変革の中で、ブランドから購入機会を奪う”破壊者”でなくブランドの新規顧客に体験を届ける“共存者”となったのです。
登壇したハイマンCEO(左)は2019年に米TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出される経営者で、激動の15年の間にも時代に合わせて提供価値を変化させた素晴らしい手腕ですね。