【ShortNote vol.20】ごく稀に出くわす、優れたYoutTube広告コンテンツについて

多くの方々が日々見ているYouTubeですが、動画の途中で差し込まれる広告コンテンツにイライラすることはよくあると思います。YouTubeに限らず、基本的にCMは退屈でスキップしたくなるものですが、数%くらいの確率で「お、これは面白い」というものに出会うこともあります。2024年3月中旬現在で出稿されているのですが、その例をご紹介しましょう。

CMの冒頭ではいきなり「TAXI」という文字と煌びやかな東京の繁華街の様子が映し出され、
「夜は色々な顔を持っている。その顔を一つひとつ覗いていく男がいる。その名も、ミッドナイト」
というナレーションが入ります。
ここまでで約20秒。そして、夜の都内を走るタクシーの様子が流れつつ、30秒あたりで「iPhone15Proで撮影」というキャプションが出てきて、その後すぐに「原作 手塚治虫」というキャプションが続き、約18分の本編が始まります。商材はIPhoneで、出稿社はもちろんアップルなのですが、よくあるWebCMとは様々な部分で違いが見られます。

まず、その広告の商材が明かされるまでに約30秒かかっていること。通常の思考なら自社商品やサービスの訴求を早く&多くするため、訴求へ繋げる導入部分はなるべくコンパクトにしがちですが、このCMでは「視聴者の興味を気を引くこと」だけにかなり振り切って30秒をリッチに使っています。そこには、いかにiPhoneであってもいきなり自社商品の訴求ばかりしていては興味をもたれないという考えが見て取れます。

次に、安直に課題やお悩み提示から入っていないこと。このCMで訴求したいことは「iPhoneの優れたカメラ機能」ですが、これを伝えるためのよくある導入は、「動く被写体を撮ろうとしてもブレてうまく撮れない」みたいな課題・お悩みの提示から入ることですよね。しかし、課題や悩みというわかりやすい共感ポイントから入らず、映画のようなハイクオリティ映像が撮れることを、冒頭から実際に映画レベルのクオリティの動画を見せることでストレートに、かつ直感的に訴求しています。

他にもすごいと思ったところはたくさんありますが、日々のマーケティング業務の参考にできそうと思った主な要素はこのあたりでした。何よりも、「カメラ機能」という、割と訴求方法が出し尽くされた切り口に対して、ユーザー目線であの手この手を模索している姿勢に感銘を受けました。

和泉真

大学卒業後、コピーライター/プランナー/クリエイティブディレクターとして複数の広告会社を経験。三越伊勢丹や東急ハンズ、東急百貨店やJINSなどの広告プロモーションやブランディング施策の企画・制作を担当。2021年にヤプリに入社し、マーケティング担当としてコンテンツマーケティングなどに取り組んでいる。

 

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