皆さまは、ゲームボーイアドバンスというものをご存知でしょうか。
任天堂の携帯型ゲーム機である「ゲームボーイ」の新型として2001年に定価9,000円(税別)で発売されたのですが、
今現在もメルカリやハードオフなどで、だいたい5,000〜15,000円と、値崩れどころかプレミア価格で売買されています。
そして、レトロゲーム界隈では、手に入れたゲームボーイアドバンスを一度分解し、自分好みのデザインにしたり、
より高性能な画面に替えたりして、カスタマイズを楽しんでいる層がいます。
なぜそんなことをするのか。
理由は様々ですが、一言で表すと「ロマン」でしょうか。
昔のデバイスを、あえて今、自分の思い思いの形にカスタマイズすることこそがユニークで面白い、という価値観があるのです。
ここで、デザインファームTakramの渡邊康太郎氏が、より高次元のデザインとして提唱する「コンテクストデザイン」という概念をご紹介しましょう。
『それに触れた一人ひとりからそれぞれの「ものがたり」が生まれるような「ものづくり」の取り組みや現象を指す。
換言するならば、読み手の主体的な関わりと多義的な解釈が表出することを、書き手が意図した創作活動』。
ー渡邉康太郎『CONTEXT DESIGN』より
例えば、賛否両論が飛び交う映像作品や、工夫次第で多種多様な活用法を見出せるChatGPTなどにもコンテクストデザインが組み込まれていると考えられますし、
いわゆる推し活もそうだと思います。
そして、作り手だけでなく、受け手側がそのコンテンツを独自に解釈し、作り手となって考察動画やファンアートを発信するような流れが起きるためには、
題材となるコンテンツやプロダクトに「不完全さ」や「無目的さ」があるのが良いと渡邊氏は言います。
ゲームボーイアドバンスの今の楽しまれ方を、任天堂が意図的にデザインした訳ではないと思うので、厳密にはコンテクストデザインではないかもしれませんが、
かつての最新デバイスが古くなって不完全になったからこそ、そこにユーザーの意図や創意工夫が入り込む余地が生まれ、新たな価値が生まれる。
この状態にこそ、作り手と受け手によって生まれる様々なコミュニティにおける、ダイバーシティの本質のようなものがあるように思いますし、
生産者と消費者の関係だけでなく、企業などの組織づくりにおいてもこの考え方は活かせそうだと思います。
完全無欠のスーパーマンよりも、人間味がある人の方が好かれたりするように、
どのようなコミュニティであっても、それを人間が構成しているのであれば、多少の不完全さ、
つまり受け手側に解釈や創造の余地を残すことは、組織を活性化させるスパイスとして期待できるのではないでしょうか。
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