ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
前回までお届けしたSHOPTALKの帰りに、サーキュラーエコノミー先進都市と言われるオランダのアムステルダムに寄ってきました。
アムステルダムでは、廃コンテナを再利用したレストラン、廃倉庫をリノベーションした美術館、銀行跡地のレストランなど、使わなくなったものの再利用が都市の至る所で見ることができます。
中でも面白いのは廃船場を利用したベンチャー企業のオフィス群、DE CEUVEL(デ・クーベル)です。
De Ceuvelの元地であった造船所は、使われなくなっていくうちに船から流れ出た油によって土壌汚染されてしまったという過去があります。この土地を活用するため、政府が民間企業へ再開発のアイデアを募り誕生しています。
De Ceuvelに入居しているのは、クリーンエネルギーの開発、藻類からハンバーガーをつくり提供するレストラン、アクアポニックスと言う魚類の養殖と水耕栽培をする企業などです。水産養殖と水耕栽培をそれぞれ単体で行うと、綺麗な水を保つために大量の水を必要してしまうのですが、2つを掛け合わせることによって、使用する水の量を大幅に減らすことができるようです。魚の排出物を微生物が分解しそれを植物が養分として吸収すると水が浄化され、魚にとって快適な環境が保たれるという循環の仕組みをテストしているのです。
オフィスとなっているハウスボートは100%再生可能エネルギーで敷地内のレストランの廃材もミミズに与え、そのミミズが土を浄化した上で魚の餌にもなると言います。
こういった実験環境の中で多くのベンチャー企業が国からの補助金を受けながら、次なる国際的なビッグビジネスになりつつある循環経済技術を開発しています。
※DE CEUVELの入り口には入居しているベンチャー企業のポストが並ぶ
※各企業はボートハウスで、環境ビジネスを行っている
このようにオランダでは首都アムステルダムを中心に、現在のlinear economy(直線型経済)から3R(リデュース、リユース、リサイクルで廃棄物を減らす)reuse economyへの移行に留まらず、廃棄物を作らないCircular economyのビジネスどんどん生まれています。
※出典:オランダ政府From a liner to Circhlar economy