ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です
今回も5月9日〜11日までスペインバルセロナで開催されたSHOPTALK EUROPE2023から注目の企業を共有します。
72カ国に展開するフランスの大手スポーツ小売デカトロンは、売上高154億ユーロ(約2.3兆円)ながらも2022年度も+12%の成長をするなど成長を続けている企業です。(日本ではEC意外は全店撤退しています)
デカトロンはAIの有効活用と顧客サービスの拡大は相乗効果をもたらすと語りました。
デカトロンは最近特にサービスを拡大しており、自転車などのレンタルや使用済み商品の買取り、買取った商品の中古販売など、顧客がスポーツを続けていくための選択肢を増やしています。
またロイヤルティプログラムであるDECAT`CLUBは購入1ユーロに付き10ポイント付与の他に1日1時間の運動で100ポイント(各社のスマホやスマートウオッチとのデータ連携で計測)、体験レビュー投稿で+10P、エコ活動としてプライベートブランドの中でも環境に配慮したエコデザイン商品の購買や中古商品の購買で+10P、買取りで+100P、毎月行っている環境保護活動への参加で+100Pと、顧客のスポーツやエコ活動に対してポイントをつけることで顧客データを補強しています。
ポイントの利用も商品の割引の他、体験イベントへの参加やパートナーであるスポーツ施設などの割引、様々な協会への寄付などから選ぶことができます。
これら、購買だけでない顧客の行動をデータ化した上でAIを活用して顧客コミュニケーションはもちろん、製品開発やサプライチェーンに活用しているのです。
その上でセミナー会場を最も沸かせたのがデカトロンの取り組む「A CHANGEーENABLING OPERATING MODEL」(変化することを前提としたオペレーションモデル)です。変化をしていくにはデータやテクノロジーは30%の役割で70%は変化する「目的」が重要だという事です。
デカトロンはスポーツを続ける顧客とつながり、データやAIを活用することでサステイナブルなビジネスへの変化を続けているのです。
アプリは顧客へ情報を届けるだけでなく、情報をもらう事で顧客を理解することでエンゲージを高めており、データ活用としても重要な顧客接点として幅広い活用が増えてきたと感じています。