ヤプリ エグゼクティブ・スペシャリストの伴です。
今回は3月26日〜29日までラスベガスのマンダレイベイで開催されたSHOPTALK 2023の話題をお届けします。
SHOPTALK2023では275名による80のセッションで各企業のリーダ達が、これからの小売に必要な5つの戦略テーマについて議論を交わしました。
1、Best in class Shopper engagement (顧客とのエンゲージメント)
2、Emerging Channels(チャネルの最適化と拡大)
3、Outstanding stores experiences(卓越した店舗経験)
4、Tech investments for efficiency(効率化のための技術投資)
5、Evolving Organization(組織の進化)
これらの戦略を実現する為のテクノロジーとしてジェネレイティブAIやWEB3などの話も出てくるのですが、今回全体を通じて印象に残ったのは、顧客エンゲージメントの掛け算です。
つまり、「小売×〇〇=強いエンゲージメント」を戦略的に作るのです。
例えばCasey’s(ケイシーズ)という企業、あまり聞いた事がないと思いますが全米で3番目に大きいコンビニチェーンかつ全米で5番目に大きいピザチェーンです。この企業の店舗のほとんどは人口5000人以下の町にあり地域コミュニティと密着した店舗展開をしています。
なのでアプリを軸にしたロイヤリティプログラムでもポイントを地域の学校に寄付できたりします。会員は併設するガソリンスタンドを割引で利用できるなど地域コミュニティを通じた「エンゲージ」を作っており、「小売」×「地域コミュニティ」で顧客エンゲージを高めています。
米国最大のペットチェーンPETCO(ペトコ)は、拡大するペット市場は、「犬小屋で寝るペットから一緒に寝る家族」にペットの飼い主(ペットペアレンツ)の意識変化が大きくそれに合わせてビジネスを「ペット用品店」から「ペットの健康を守る総合サービス」に変革させ、ペット保険や健康食、トリミングや病院などのサービスを次々に拡大しました、最近ではホテルグループのマリオットと提携をしてペットとの旅行やバカンスの質を高めています。
「小売」×「ペットとの生活の相談役」で強いエンゲージを持つ企業になりました。
小売業はもはや「物を売る」、「そのためのサービスを提供する」だけでは成り立たなくなっていますが、顧客との「エンゲージ」を高めるための掛け算をビジネスの中に入れ込んでいく必要性を強く感じました.
それらのエンゲージを可視化するのはもちろん「モバイルアプリ」です!