【セミナーレポート】アプリマーケティングはいま、「LOCAL」がアツい!地方発ブランドのすごいアプリたち〜北海道と福岡の人気おみやげ編〜

日々のマーケティング施策に役立つヒントを探す時はどうしても、東京を拠点とする企業の事例や、東京で話題となっているトピックスの方が多く目につくもの。 しかし、周りに目をやると、すぐ参考にしたくなるような、知る人ぞ知る地方発ブランドの成功事例がたくさんあります。

ヤプリでは、2022年10月27日に「地方発ブランド」をテーマに、 一般的には東京と比べて市場規模も小さく、 ビジネスには不向きな状況にもかかわらず成功を収めている企業の優れたアプリ施策を紹介するセミナーを実施致しました。
本セミナーでお話しされていた注目すべきアプリの活用法や、顧客とのコミュニケーション方法、アプリを売上に繋げる方法など、 アプリを活用したマーケティング・セールス事例についてご紹介します。

セミナー登壇者様

モデレーター

店舗アプリを成功に導く方法をご紹介しているガイド

利用者が拡大しているスマートフォンアプリを店舗で導入する際に解決できる課題や導入時におすすめの機能などをまとめた無料eBookです。本ページでご紹介している「ふくや」様「ルタオ」様の事例もご紹介しております。ちょっとしたスキマ時間で気軽に見れるボリュームなので、ぜひ一度ご覧になってみてください!

店舗の課題が山積みの方のためのスマートフォンアプリ超活用BOOK

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LeTAO(ルタオ)アプリ リニューアルの背景

 ケイシイシイ様は、北海道を拠点とした菓子製造小売業の企業です。北海道ではお土産に人気のルタオ、本州では「Now on Cheese」や「岡田謹製あんバタ屋」等のブランドを展開しています。

同社は、通販サイト専用のアプリを運用されていましたが、「店舗利用のお客様への誘導動機が弱い」、「セールス感が強く、ブランド認知・価値向上につながらない」、「顧客属性に合わせたプッシュ通知ができない」といった課題があったため、「ブランドアプリ」へ2022年7月に自社アプリをバージョンアップされました。

バージョンアップ後は店舗のキャンペーンや催事の情報の提供、同時期にリニューアルしたブランドサイトと統一した世界観の演出、北海道にフォーカスしたコラムの提供など、アプリ内に通販以外の目的でユーザーが来訪するような仕掛けを設置しています。

※ケイシイシイ様のアプリはこちらよりダウンロードいただけます。

アプリリニューアルによる効果

2022年7月リリースから、10月27日時点で、累計ダウンロード数は30000件を突破。順調に右肩上がりでダウンロード数を増やしています。
また、売上・購入者数などもリニューアルにより大幅に数値上昇を見せ、社内でもアプリが販促に有効なツールであると再認識されています。

数値だけではなく、ユーザビリティの観点でも効果を感じていらっしゃいます。
例えば、これまで通販アプリではアピールできなかったブランド全域にわたる情報(ブランドコラム・季節に応じた店舗商品など)を提供できることで、どのチャネルに属するお客様にとってもルタオのブランドをアピールできるアプリになったことや、Yappliを活用することでネイティブアプリ機能とウェブビュー形式を活用した配信をバランスよく配置し、お客様にストレスを与えない操作感の提供を実現されています。

ふくやアプリ の売上効果

ふくや様は、昭和23年10月5日創業の人気商品に「味の明太子」を持つ食料品店です。福岡を拠点に、味の明太子の製造販売と、各種食料品の卸・小売を行っていらっしゃいます。 

アプリの主な活用方法としては、顧客とのコミュニケーションを取るために「プッシュ通知」を開封率が高い時間帯や曜日に週2回ほど配信しています。曜日によっても配信コンテンツ・配信頻度の変更、顧客に合わせた情報配信を行うことで効果を上げています。

また、福岡県内の取り組みとしてECサイトとリアル店舗の連携にも力を入れています。
例えば、毎月1日に「うまかもん通信」というキャンペーンのチラシや店舗限定のクーポンを配布することで、店舗への集客を促進する施策を実施。また、リアル店舗でのポイントをオンラインショップでも使えるように登録ができる機能を搭載。リアル店舗で獲得した顧客がオンラインでも購入できるような橋渡しにアプリを活用されています。

ふくや様のアプリはこちらからダウンロードいただけます。

アプリを作るきっかけ・当時の課題

地域に愛されるお土産を販売するアプリ導入に両社が至ったきっかけや当時の課題について深掘りして伺いました。

<ケイシイシイ様>
売上の創出(ECサイトへの誘導強化)とブランディング双方をバランスよく打ち出すために検討したプロジェクトでアプリ導入を決定。
当時は、集客が自社で一から集めるよりも簡単である・コストに対するリターンも見込める可能性が高い楽天・amazonなどのモールもある中でそもそも自社ECサイト&自社アプリが最適解かというような意見も社内で上がっていたそうですが、ブランド感をしっかり出すためにも「自社ECサイト&自社アプリ」での情報発信が必要、と導入を決定されました。
また、アプリ構築時から現場のフィードバックをもらいながら具体化していく、リリースが近づいた際は店舗での説明会を行うなどの工夫を行いながら、現場スタッフの方が全社でおこなっている施策に取り残されていかないように意識をされていたそうです。

<ふくや様>
ふくや様は、観光で来店されているお客様をリピーターにする目的で、アプリ導入を決定。まずはECサイトへの誘導を実現すべく、アプリ導入を検討されました。
店舗を巻き込むためには店舗のスタッフ向けに研修を行い、店舗にQRコードを設置するなどを徹底。リリース後の初動ダウンロード数の増加につなげました。ふくや様の導入時の課題・導入後の効果についてはこちらで詳しく解説しています。

アプリの特徴

<ケイシイシイ様>
ECサイト・アプリともに、「トップページで常に新鮮な情報が見れるように」「情報量が多すぎないように」お客様がストレスを感じないコミュニケーション設計を意識されています。
また、「スタッフ目線での新商品の紹介」「北海道に関する情報」等コラムコンテンツを定期的に発信。特に、北海道の風景などを紹介するコラムコンテンツは30-50%という高い開封率を記録しています。商品に関する情報だけではなく、お客様が楽しめるコンテンツを合わせて配信し、お客様がアプリに来訪する期間ができる限り1週間以上間が空かないように工夫をされています。

ふくや様>

自社製品を卸している直営店舗近隣の飲食店を周ることで集めることができるスタンプラリーや、カタログの情報を鮮度高く更新、製品を活用したレシピのアップなど、定期的にアプリに来てもらうための仕掛け作りを行っています。

リリース後の運用・反応

ケイシイシイ様
アプリが売上に繋がることが数値で証明されたことで、社内の注目度が上がりアプリを販促に活用しようという声が高まっているそう。
「売りに繋がる情報の発信量を増やしたい」という社内の声が高くなっている一方、毎日売りに繋がるキャンペーンに関する情報発信をすると、ブランドが大事にしている世界観を壊してしまう可能性もあるので、売上を作りながらブランドを守る方法を日々模索されています。
お客様からも、UI・UXが改善されたことから「前よりも見やすくなった」「見たい情報がたくさん入っているので見ていて楽しい」等というような嬉しい声をいただいているそう。

ふくや様
アプリリリース後、お客様からは「情報を検索しやすい」など好意的な意見が多く寄せられ、社内スタッフもお客様とのコミュニケーションツールとして活用できるアプリができたことにリリース当初から期待が集まっていたそうです。

今後について

ケイシイシイ様
リアル店舗へ誘導するコンテンツが少ないので、2022年11月からYappliのフリーレイアウト機能を活用し「ルタオのカレンダー」を配信。店舗で行われるイベントや新製品情報を確認しやすくする予定です。また、観光地であることからジオプッシュを使用して焼き立て情報の発信・仕入れ情報の発信をされるそうです。来年には25周年を記念して、ポイント機能も追加し、お客様がより楽しめるような工夫を検討されています。

フリーレイアウト機能については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ふくや様
今後の施策としては、①顧客作成のレシピ投稿を可能にして、顧客参加型コンテンツの追加、②誕生日クーポンをアプリで配布、を検討されています。

 

シーズナル需要からのロイヤリティ化

食品では「母の日」「クリスマス」「バレンタイン」などのシーズナル需要で入ってきた人をどのようにロイヤリティ化するかについて重要となっています。
ケイシイシイ様は、シーズナルでの需要以外の日々のギフトとして、ルタオを選んでもらうための情報発信やEギフトを使用するなど導線設計に関する工夫を行っています。

また、お土産購入からの需要喚起については、「お土産をギフトされた方」が新規顧客となっていく、お土産をした人が喜んでもらえたのでまた購入してもらう際の導線作りを工夫されているそうです。
ふくや様はお試しサイズでとにかく食べてもらい、美味しいと感じてもらった時に通常サイズを購入しやすくなるような導線作りを工夫されています。

アプリで店舗から離れた場所にいても定期的に購入してもらえる仕掛け作り

「地域に訪れた」、「親しい人にいただいた」、等のきっかけで店舗で購入していただいたお土産ですが、ケイシイシイ様や、ふくや様のように自社アプリを利用してもらうことで、新製品情報だけではなく、コラムコンテンツの配信、クーポンの配信など様々な情報を発信することが可能になります。
売上拡大はもちろん、ブランドへの親近感を醸成することで、ファンになってもらうきっかけづくりにもなるかもしれません。