飲食店のポイントカード運用を成功させる5つのコツとは?導入のメリットデメリットも解説

飲食店でポイントカードを導入しているケースは多くあります。しかし、ポイントカードを導入したからといって、必ずしも効果が得られるわけではありません。この記事では、飲食店の担当者に向けて、ポイントカード導入のメリットやデメリット、ポイントカード運用を成功させるコツなどについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

ポイントカードとは

ポイントカードとは、その名の通りポイントが貯められるカードのこと。たとえば「200円につき1ポイント」など、利用した金額に応じてポイントを付与するケースが一般的です。ユーザーはポイントを貯めて、割引サービスや限定ノベルティといった特典と交換するなどの恩恵を受けられます。企業にとっては、ポイントを貯めるというユーザーのモチベーションを喚起した結果、購入回数や購入単価の向上に繋がるというメリットがあります。また、例えばメールアドレスの記入をポイントカード発行時の条件として設定すれば、カードを発行したユーザーにメールマガジンなどを届けることも可能に。このように、企業にとって様々なメリットがあり、ポイントカードを利用するユーザー側のデメリットも特にないので、多くの飲食店でポイントカードが導入されています。

 

ポイントカードとスタンプカードの違い

ポイントカードと似ている機能としてスタンプカードが挙げられます。実際、企業にとっての導入メリットはポイントカードもスタンプカードもほぼ同様で、ポイントカードとスタンプカードの両方を導入している店舗もあります。その場合は、ポイントカードを通常運用しつつ、期間限定のキャンペーンを実施する際にスタンプカードを取り入れるようなケースが目立ちます。ポイントも貯まって、かつ期間限定のスタンプも貯めればさらなるインセンティブがもらえるという仕組みにすることで、いつも以上にユーザーのモチベーションを高めることが狙いです。ポイントカードとスタンプカードの活用方法にはこれといったルールがあるわけではないので、目的に合わせて自由に活用しましょう。

 

ポイントカードの種類

ポイントカードは大きく分けて2種類。以下では、それぞれのポイントカードの特徴について解説します。

飲食店独自で発行するポイントカード

飲食店が独自に発行するもので、特定の店舗や同一グループ内の店舗でのみ利用できるポイントカードです。このポイントは通称「ハウスポイント」と呼ばれており、紙のポイントカードの場合もあれば、リライトカードと呼ばれるプラスチックタイプのカードを用いているケースも多くあります。飲食店で独自にポイントカードを発行する場合、ポイント還元率やキャンペーン、ユーザーが受けられる特典などを自由に設定可能。そのため運用がしやすく、オリジナリティのあるキャンペーンなども展開できます。ただし、主にそのグループ店でしかポイントを利用できないため、ユーザーに新しくカードを持ってもらうハードルは高めです。

様々なショップで使える共通ポイントカード

共通ポイントカードとは、そのポイントカードサービスに加盟している店舗ならどこでもポイントを利用できるポイントカードです。代表的なサービスとしては、TポイントやPontaポイント、Rポイントなどがあります。共通ポイントカードは多くの人が利用しているため、ジャンルが異なる店舗同士でも相互送客が期待でき、新規顧客の獲得にも繋がります。ユーザーにとっての利便性も高いので、独自で発行するポイントカードよりも利用してもらうハードルは低めです。こういったサービスは運営や管理のノウハウもまとまっているので店舗もすぐに活用しやすいのですが、一方で導入費用や月額費用などのコストがかかりやすい特徴もあります。また、ポイント付与に関する条件設定の自由度も独自発行と比べると低く、独自のキャンペーンや特典などを設けることができないため、オリジナリティのある施策は取りにくいでしょう。

 

飲食店がポイントカードを導入する4つのメリット

飲食店がポイントカードを導入することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。記事の冒頭でも少し触れましたが、以下ではより詳しく、大きく4つに分けて解説します。

マーケティングに必要なユーザー情報を得られる

ポイントカードを通じてさまざまなユーザー情報を収集できます。たとえば年代や性別などの基礎情報から、よく頼むメニューや利用金額、利用する頻度や利用時間などの購買情報まで、設定方法によって様々なデータを収集可能。これらの情報を自社で管理・分析することでマーケティングに活かすことができます。効果的な販促企画やキャンペーン施策を立案する際にも役立つでしょう。

ユーザーの来店頻度がアップする

ポイント付与が来店へのモチベーションとなることで、ユーザーの来店頻度の向上に繋がります。「ポイントが貯まるからあの店にしよう」などと、店舗の存在を想起してもらいやすくなるのでリピーター化も期待できるでしょう。また、ポイントが貯まるというお得感に加えて「ポイントカードを提示でドリンク1杯無料」など、ポイントカードを持っているユーザー限定のサービスを展開することで、既に持っているユーザーの満足度を高め、まだ持っていないユーザーには利用を促すことができます。また、レディースデ―やシルバーデーなど、特定の曜日にだけ付与ポイントを増加させるのも来店頻度を向上させる手法のひとつです。

客単価がアップする

ポイントカードは客単価の向上にも役立ちます。例えば、客単価が800円の場合に「1,000円以上の注文でポイント2倍」といった仕組みを取り入れれば、食後のコーヒーやデザートなどを注文してもらえる可能性が高まります。このような仕組みを取り入れる際は、ユーザーにとって「ちょっとした追加注文」であることが重要。今挙げた例で言うと、ポイント2倍の条件を例えば1,300円以上にしたとすると、客単価800円からさらに500円分も頼まなければならなくなります。通常の客単価を把握した上で、ユーザーが気軽に越えられるハードルを設定するようにしましょう。

コミュニケーションの機会を得られる

独自のポイントカードがあることで、顧客への声掛けもしやすくなります。ポイントカードを提示した顧客には、「いつもありがとうございます」や「次回のご来店で特別な特典があります」などのように声掛けができ、コミュニケーションのきっかけになるでしょう。そういったコミュニケーションによってリピート利用につながるケースもあります。

 

ポイントカードを導入するデメリット

一方でポイントカードの導入にはデメリットもあります。ここでは2つに分けて解説しましょう。

費用・手間がかかる

ポイントカードを導入・運用する際は当然ながら費用や時間などのコストがかかります。特にポイントカードは一度導入すれば基本的には永久に運営していくことになるので、運営体制をきちんと整備することが求められます。せっかくポイントカードを導入しても、その運営体制がずさんだと、ユーザーの満足度はかえって低下してしまいます。ユーザーとポイントカードを通じたやりとりを行うのは主に店舗スタッフなので、オペレーションやポイント付与のルールの把握など、社内での教育を徹底することが欠かせません。

処分されることがある

ポイントカードを利用するかどうかはユーザーに委ねられているので、もちろん処分されてしまう可能性もあります。紙やプラスチックなどのアナログなポイントカードの場合は、財布に入れて持ち歩くことになるでしょう。ただ、財布に入る枚数には限度があるため、利用頻度が少なく、利用しないと思われたらすぐに処分されてしまいます。また、紙のポイントカードの場合は複製もしやすいので、悪用されるリスクも決してゼロではありません。このように、思い描いていたような活用をされないこともあらかじめ理解しておきましょう。

 

飲食店のポイントカード運用5つのコツ

ユーザーにポイントカードをずっと使い続けてもらうためにはコツがあります。ここでは、その内容を5つご紹介します。

2回目の来店に特典を用意する

2回目の来店時など、ポイントカードを発行して間もないタイミングで「ポイント2倍」「ポイントカード持参の方にサイドメニュー1品無料」といった特典を用意するのは効果的。ユーザーメリットを早い段階から与えることで、ユーザーはポイントカードのお得感を感じやすくなり、ポイントカードを継続利用してもらいやすくなります。他にも5回目、10回目の来店時にも同様の特典を用意するなど、短いスパンで様々なメリットを与えるとユーザーの満足度が高まりやすくなります。

還元率は5%を目安にする

ポイントカードを運用する際には、ユーザーの利用額に対してどの程度のポイントを付与するか、つまりポイントの還元率を設定しなくてはなりません。還元率が低いとユーザーのモチベーションが下がってしまい、高いと店舗の利益率が下がってしまうので注意。その目安は業界によって様々ですが、飲食店では5%程度にするとよいでしょう。たとえば、1万円の利用につき500円相当のポイントとなります。

特別なメニューを用意する

ポイントカードを持っているユーザー向けに、例えばポイントカードの特典でしか食べられないスペシャルコースや豪華デザートなどの特別なメニューを用意することも有効です。貯めたポイントは割引として活用されることが多いですが、こういった特別メニューを用意することでユーザーの印象に残りやすく、モチベーションも高まりやすくなります。また、ポイントをただ割引サービスとして運用しているだけの他店との差別化にもつながります。

カードの使い始めから多くのポイントを付与する

「エンダウド・プログレス効果」というものをご存知でしょうか?これは、目的に近づくほどゴールへのやる気が向上するという人間心理を利用し、全くゼロからのスタートではなく、スタート時点から既にある程度進んでいるように感じる方がゴールクリアへのモチベーションが上がりやすくなるというもの。「進んでいるように感じる」ということがポイントで、例えば「500ポイント貯めたら100円割引」で0ポイントからスタートするよりも、「1000ポイント貯めたら100円割引」で、既に500ポイント貯まっている状況からスタートする方が達成しようと思う心理が働きやすくなります。なので「初回利用キャンペーン」などと銘打って、最初からある程度貯まっている状態でポイントカードを進呈するのがおすすめです。

参考記事:UX TIMES「エンダウト・プログレス効果」

アプリを利用する

先ほどポイントカードを導入するデメリットとして、紙やプラスチックなどのアナログなポイントカードの場合は処分されてしまう可能性があると紹介しましたが、この対応策としてスマートフォンアプリの中にポイントカード機能を盛り込む方法があります。アナログなカードと違って財布を圧迫することがなく、スマートフォンを開けばすぐに利用できるので、ユーザーにとって便利。ゆえに使い続けてもらえる可能性が高いです。また、アプリの場合にはクーポンを発行したり、キャンペーンのお知らせ情報なども発信できるため、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても役立ちます。

 

飲食店など店舗がアプリを活用するメリットなどについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧になってみてください。

店舗アプリとは?集客のための機能、導入のメリット・デメリット、事例を紹介

 

記事の前半で話題に挙げた「スタンプカード」に関しても、アプリで運営するケースが増えています。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

スタンプカードをアプリで発行するメリットは?集客力アップを実現する活用法

まとめ

飲食店でポイントカードを運用する際は、早めに特典を用意したり特別メニューを用意するなどして、ポイントカードのお得感を印象付けることが重要です。また、ユーザーにとっての利便性を高めるために、アプリを活用することもおすすめ。「アプリの開発なんて高すぎて無理」と思われるかもしれませんが、今はアプリを低コストかつスピーディーに開発できるサービスもあります。本メディアを運営する株式会社ヤプリが提供するアプリプラットフォーム「Yappli」もその一つ。ポイントカード機能も実装可能で、ポイントカードユーザーのデータを分析してより効果的な打ち手につなげることができます。記事をご覧いただいて、アプリでのポイントカード運営に関心をお持ちになられましたら、ぜひヤプリまでお気軽に資料請求してみてください。