メルマガ開封率をどう上げる?新たな顧客獲得方法とは

 

メルマガは、インターネット黎明期から利用されている情報発信・販促の手法です。しかし、全盛期に比べてメルマガの販促効果は薄れてきており、メルマガの開封率が下がる一方だと頭を悩ませるマーケティング担当者も増えています。

顧客側から見ても、登録したメールマガジンに一通一通、きちんと目を通している人は少ないのではないでしょうか。

今回は、メルマガの開封率を上げる方法から、メルマガに代わる新しい顧客獲得方法まで紹介していきたいと思います。

開封率とは?

メルマガの開封率は、次の式で計算されます。

開封率=受信者がメルマガを開封した件数÷(一斉配信したメルマガの件数-未着・不達件数)×100

例えば、1万人を対象にメールを送付したとして、不達件数が50通、開封されたメールが2000通だった場合、

開封率=2000÷(10000-50)×100≒20.1

となりますので、開封率は20.1%です。

開封率は、メルマガの効果を測定するための重要な指標です。どのようなメッセージを、どのような属性の人に届けるのか。そして、どのような件名で、どの曜日や時間帯に発信すると良いのか。開封率をベースに、メルマガ施策についてPDCAサイクルを回すことが可能になります。「開封されやすいメルマガ」の作り方については後述します。

開封率の他に、送付したメルマガの未着・不達率についても押さえておくと良いでしょう。配信不能などのエラーが多い場合は、システム上の問題なのか、それともメールアドレスの入手ルートやその時期(登録から期間が過ぎている)が原因なのかを考えます。ユーザーに手書きで記入させた場合、そもそもデータベースに登録されているメールアドレスが間違っている可能性もあります。

Googleアナリティクスを使用した開封率の分析方法

つぎに、メルマガの開封率を調べる方法をご紹介します。一般的に使われているツールは、無料で誰でもが利用できるGoogleアナリティクス(以下、GA)です。

GAの利用方法

GAで開封率を測定するには、Measurement Protocolを使用します。これは、HTTPリクエストによりユーザーの利用状況の測定データをアナリティクスのサーバに送信する仕組みです。送信するメールの画像タグにMeasurement ProtocolのURLをつけると、メールを開封したというデータがアナリティクス側に送信され、管理画面で確認できるのです。そのため使用できるメールはHTMLメールに限られます。

URLの生成方法

まず、メールに埋め込むURLを生成します。

Hit BuilderにGoogleに登録済みのアカウントでアクセスし、「Click here to authorize」をクリックします。

そして、「Hit parameter details」の欄へ必要事項を記入します。

 ” 1 ”  を選択する。
“event”   を選択する。
tid “UA-“ではじまるGoogleアナリティクスに登録しているサイトのIDを記入
cid 更新のマークをクリックしてIDを生成

つぎに、すぐ下の「ADD Parameter」をクリック。パラメーターを設定するボックスが現れるので、以下のように必要事項を入力します。

“ec”と入力 ”email”と入力  イベントのカテゴリーを指定しています。※必須
“ea”と入力 ”open”と入力  「開封」を指定しています。※必須
“dp”と入力 ”/email/test”などと入力 ドキュメントのパスとして/以下が表示。※省略可能
“cs”と入力 ”メルマガ”などと入力  キャンペーンの参照元 ※省略可能
“cm”と入力 ”mail”などと入力  キャンペーンのメディア ※省略可能
“cn”と入力 ”任意の言葉”を入力 キャンペーン名 ※省略可能

※「必須」以外は後の整理のための内部情報となりますので、省略することが可能です。

「Validate hit」ボタンを押し、エラーがなければ「Hit payload」に表示されたURLをコピーし、発信するHTMLメールのソースに入れます。これで、設定は完了となります。

開封率の確認方法

GAの画面上で、左サイドのメニューの「行動」から「イベント」、「ページ」と進みます。グラフの下にある「合計イベント数」が開封された件数です。この数値を前述の式に入れて開封率を計算します。

なお、メルマガの送信サービスや、マーケティングオートメーションツールを使用してメルマガを送付している場合は、管理画面から開封率がわかります。

平均的なメルマガ開封率を知ろう

では、自分が送付しているメルマガの開封率が高いか低いかをどのように判断すれば良いのでしょうか。アメリカのMailchimp社が2018年3月に発表したデータによると、メルマガの開封率は業種によって大きく異なりますが、全業種の平均値は20.81%でした。

業種別にいくつか見ていくと、最も高いのが「趣味」に関するメルマガで開封率は27.35%、その他に「小売業界」は19.36%、「eコマース」では15.66%など、業種によってかなり違いがあります。

自社のメルマガの開封率が業種の平均値に対して高いか低いか、一度確認してみると良いでしょう。

参照:Email Marketing Benchmarks

メルマガ開封率を高めるには?

さきほどご紹介した開封率の平均に対して、自社のメルマガ開封率が低い場合や、自社で設定した開封率の目標に満たない場合など、メルマガ開封率を高めたい時にはどのような対策をとるべきでしょうか。

いくつかのポイントに絞って、具体的な対策例をご紹介します。

クリックされやすい件名に工夫する

件名は、まずはじめに目に入る文字情報です。そのため、「メルマガが開かれるかどうかは件名にかかっている」と言っても過言ではないほど、真っ先に対策が必要な項目です。

件名は、短い文章の中で勝負しなくてはならないため、まずはテーマを一つに絞る所から始めます。そして、読者の印象に残るような、イメージしやすく具体的な件名にするよう心がけましょう。複数の比較パターンを用意して、効果を検証することも大切です。

差出人名を明確にする

件名とともに目に飛び込んでくるのが「差出人名」です。最近は迷惑メールを警戒した読者が多く、配信元が信頼できるメールでないと継続して読んでもらうのはなかなか難しくなります。そのため、配信元はしっかりと明記する事が大切です。

なお、差出人を会社名・部署名だけにするより、個人名も入れた方が開封される可能性が高くなります。

開封されやすい曜日や時間帯に配信する

メルマガの開封は、配信から1~2時間後に集中します。そのため、開封されやすい曜日・時間帯を目安にして配信することが大切です。例えば、サラリーマンの通勤中である8:00前後やランチライムの12:00前後、主婦(夫)層であれば一旦家事の落ち着く15:00前後や、21:00~22:00頃が狙い目になります。

また配信頻度も重要で、あまりにも頻度が高いと飽きられてしまったり、最悪の場合、配信停止されたりする場合もあります。

しかし、間隔が空き過ぎても忘れられてしまいます。ユーザーがどのような時にメールを開くのか、その目線に立った配信が必要なのです。

 

メルマガよりもプッシュ通知の時代?

つぎに、メルマガに取って代わる存在として注目を集めているプッシュ通知について考えてみましょう。

情報収集の手段が増えて放置されるメルマガ

メルマガは、企業の情報発信の手段として、長い期間利用されてきました。しかし、メルマガの反応率が下がってきたという悩みを持つ企業も増えてきています。その原因は、インターネットが発達したことによって、SNSやアプリなど、顧客の情報収集の手段が増えたことです。

わざわざメールアドレスを個人情報として登録してまで情報を得ようとする人が減るのも無理はありません。また、メルマガ運用をする企業が増えたことにより、顧客側が多くのメルマガを読み切ることができず未読のままにして放置してしまうことが増えてしまったのも原因とも言えるのではないでしょうか。

実際にそれは、アンケートの結果として数字にも表れています。株式会社エンプライズが行ったスマートフォン通知に関するアンケートでは、「メルマガを未読のままため込んだ経験がある」と答えた人は57.8%になります。その中でも「100通以上ため込んでしまったことがある人」はなんと28.0%にもなりました。

これだけ多くのメルマガを溜め込まれてしまっては、どれだけ見てもらうための工夫を施したメルマガを送ろうとも、まともに見てもらうことができません。

このように、メルマガによる反応率が低下してきている中、逆に反応率が上がってきているのがアプリの「プッシュ通知」です。

メルマガからアプリのプッシュ通知へ

メルマガは未読のまま放置することが多くても、アプリのプッシュ通知なら見る、という人もいるのではないでしょうか。上記のアンケート結果によれば、アプリを利用している人の中でプッシュ通知を見る人(都度見る、時々見る、毎回ではないがよく見ると回答した人)は68.1%になります。

さらに、プッシュ通知がきっかけで入店や購入などの行動に移したことがある人は40.2%という結果になっています。メルマガの開封率を考えれば、アプリのプッシュ通知の方が効果に期待ができます。

では何故このような結果が生まれているのでしょうか。

メルマガは「件名」と「文章」で目を引けるかが勝負になりますが、プッシュ通知ではそれに加えて画像による興味喚起が可能です。メルマガも画像を付けることはできますが、HTMLの知識が必要であり、ユーザー側のメーラーの設定環境によっては表示されません。

また、メルマガではメールアドレスを登録しなければなりませんが、アプリの場合は個人情報の入力は不要のため、一度ダウンロードをしてもらうことができれば、プッシュ通知によって継続的に情報発信をすることができます。

プッシュ通知に載せる内容としては、お店の最新情報やクーポンが良いでしょう。どんなに優れた商品やサービスを提供できる状態にあっても、お店の存在を忘れられてしまってはお店を存続できません。プッシュ通知を使うことで、ユーザーに向けダイレクトに、そしてメルマガ以上の高い開封率で情報を届けることが可能になります。

 

プッシュ通知を活用した企業事例

それでは、アプリを導入し、実際にメルマガ以上の効果を上げた企業を紹介していきたいと思います。

GLOBIS

株式会社グロービスは、オウンドメディアである「GLOBIS 知見録」を運営しています。今や電車の中では、ほとんどの人が新聞・雑誌ではなくスマートフォンを閲覧しており、「コンテンツマーケティング」という新しい潮流が生まれる中で、スマートフォンアプリへの対応が急務になってきたと言います。そこで、プッシュ通知などアプリならではの機能への期待もあって、アプリ導入に踏み切っています。

アプリを導入すると、そのダウンロード数の伸びは数か月で約10年かけて集めたメルマガ購読者数を超え、1セッション当たりの閲覧数もウェブの約3倍になったそうです。また、開封率・誘導率もメルマガよりかなり高くなったとのことです。

アプリ導入の副次的効果として、様々な部署の社員から自発的にコンテンツや企画の提案が持ち込まれるようになり、社内のインナーコミュニケーションが活性化しました。

チュチュアンナ

株式会社チュチュアンナは、女性向け服飾小物の商品企画・小売・卸売事業である「tutuanna」を展開しています。元々、フィーチャーフォンでポイントが貯められる仕組みを導入し、登録してくれたお客様にメルマガを配信していました。

しかし、メルマガを見て来店されるお客様は徐々に減り、10年以上運用していたシステムに限界を感じていたそうです。そこでアプリを導入することを検討し始めたと言います。

アプリの導入にあたり、旧会員をスムーズにアプリへ誘導するため、地道な予告活動を8か月かけて行い、店舗でもお客様にダウンロードを促すように呼び掛けていったそうです。それが功を奏し、初年度で100万ダウンロードという良いスタートダッシュとなって、今もダウンロード数は伸び続けているとのことです。

アプリのリリース後には他部署からアイデアが次々と出るようになり、店舗と本部がアプリによって一体化し、組織の活性化にもつながったそうです。

 

アプリの開発を検討しよう

ここまで、アプリ集客の効果について説明してきました。メルマガによる集客効果があまり感じられなくなってきている昨今、アプリ導入の検討を始めるのは当然のことかと思います。

しかし、「自社でエンジニアを確保するのも難しい」「外注するとなると費用が掛かってしまうのでアプリの導入を諦めざるを得ない」という企業もあるのではないでしょうか。

 

そこでおすすめなのが、スマートフォンアプリの開発実績が豊富な、弊社Yappliです。

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プログラミングは不要。幅広いデザインの高品質なネイティブアプリを短期間で開発可能です。

また、管理画面はブログ感覚で誰もが簡単に更新作業を行うことができます。そのため、専門的な知識は一切必要なく、非エンジニアでも運用可能です。

さらに、申請時のストアサポートや、リリース後のダウンロード施策など、アプリで成果を出すための運用支援もサポート。

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