プッシュ通知や位置情報、カメラ機能などのスマートフォン特有の機能を利用したアプリは、店舗集客などのツールとして有効です。これらの機能を搭載したiOS/Andoirdスマートフォンのネイティブアプリですが、開発にかかる期間はどのくらいなのでしょうか?
この記事では、ネイティブアプリの開発期間について見ていくと共に、開発・運用の形態として「クラウド型」、「フルスクラッチ型」それぞれの違いについてもご紹介します。
目次
アプリ開発の4ステップ
スマートフォン向けアプリ開発は、以下のような流れで進んでいきます。
【ステップ1】市場調査&準備
まず、アプリ導入によって解決したい問題や、期待する効果について検討を行います。競合他社の類似アプリの状況なども調査します。また、既存の社内システムと連携したい場合は、既存システムの外部システムとの接続性の確認も必要です。
また、問題解決のためのベストプラクティスが本当にアプリ開発なのかどうか、Webサイト構築などとの比較検討も行いましょう。
【ステップ2】企画&設計
ベンダーとの打ち合わせを行い、ゴールを実現するために、アプリに盛り込む機能について決定(要件定義)します。アプリのデザインを自社側で行う場合は、デザインのアウトラインも決めておく必要があります。
また、例えば通販や店舗のアプリであれば商品写真、飲食店の集客アプリであればメニューなど、自社で用意する必要のあるコンテンツの準備もします。
【ステップ3】開発依頼
決定した要件をもとに開発費用の見積もりを依頼します。費用・期間・条件について合意がとれたら契約をし、開発に入ります。スマートフォン上で動作するアプリの開発、アプリへのデザインの組み込みの他、バックエンド側の開発が必要な場合も多くあります。
アプリの形が出来上がったら、バックエンド側も含めて動作テストを行います。要件通りの機能が正しく実現されているかを確認します。
【ステップ4】リリース
スマートフォン向けアプリは、OSベンダーのストア経由での配布が主流です。両者ともアプリに悪意のある動作が仕込まれていないか、倫理的に問題のあるものでないか、などの審査があります。
この段階で登録拒否となると、サービス提供のスケジュールに大きな影響が出ます。また、アプリの修正作業も必要となるため、開発会社の作業範囲はアプリの開発終了までで、ストアへの登録作業はユーザー企業が行う契約となることも少なくありません。
アプリ開発期間はどれくらい?
スマートフォン向けネイティブアプリ開発の形態は、対象のアプリを完全にゼロから作り始める「フルスクラッチ型」と、あらかじめアプリの枠組みが用意されていて、その枠組みの中から必要な機能を組み合わせ、デザインを決定して新しいアプリを作り出せる「クラウド型」が存在します。
どちらを選ぶかによって、開発期間は大きく異なります。フルスクラッチ型の開発期間は企画からリリースまでが早くとも半年、長いと1年以上になることもあります。
クラウド型は、既存システムとの連携部分を除いてプログラミングの作業がないため、すばやくリリースにまでこぎつけることができます。クラウド型の企画からリリースまでの期間は平均して3ヶ月程度、もっと早くリリースされるケースも少なくありません。
【クラウド型/フルスクラッチ型】各メリット・デメリット
「クラウド型」「フルスクラッチ型」にはそれぞれメリット・デメリットがあります。どのような違いがあるのかを見ていきます。
クラウド型のメリット・デメリット
[クラウド型のメリット]
<高速開発>
クラウド型のアプリ開発の最大のメリットは、高速な開発が可能であることです。開発に必要な作業
は要件を実現するモジュールの組み合わせ、設定、デザインの組み込みで、基本的に他システム連携
部分以外はプログラミングが必要ないため、開発期間は大幅に短縮されます。
<開発費用の安さ>
フルスクラッチ型とクラウド型の開発費用算出法は大きく異なりますが、同程度の機能を実現するためのアプリ開発では、一般的にクラウド型の方が安く、300万円程度で開発することもできます。
<運用を任せられる>
アプリは利用者のスマートフォン上で動作しますが、通常はアプリにデータを送る、アプリからデータを受け取るバックエンド側(サーバーサイド)と呼ばれるシステムも必要です。クラウド型アプリの場合、バックエンドシステムがきちんと稼働するための運用は、クラウドアプリ提供の事業者側に任せることができます。
<OSのバージョンアップ対応も任せられる>
スマートフォンのOSがバージョンアップした場合のアプリの対応も、クラウド型アプリではアプリのプラットフォーム側で対応されるため、アプリでの個別対応は必要ありません。
<低コストでのクロスプラットフォーム対応>
現在のスマートフォンは、iOSとAndoirdの2種類のOSが大きなシェアを占めています。クラウド型開発ではiOSとAndroid対応アプリが一度に生成できるため、低コストで両OSに対応できます。
[クラウド型のデメリット]
<機能はアプリプラットフォームが提供する範囲内にとどまる>
既存のモジュールを組み合わせて開発する形になるクラウド型アプリでは、アプリが実現できる機能は、アプリプラットフォームがあらかじめ用意した機能の範囲内にとどまります。
クラウド型アプリプラットフォームも豊富な機能を揃え、機能の拡充も進んでいますが、独自性の強い特別な機能、特別なデザイン上の工夫をアプリに盛り込みたい場合、クラウド型では対応しきれない場合があります。
フルスクラッチ型のメリット・デメリット
[フルスクラッチ型のメリット]
<きめ細かい機能対応>
完全オーダーメイドとなるフルスクラッチ型開発の一番のメリットは、きめ細かい機能調整が自由にできるということです。開発依頼をしたベンダーの能力、開発に掛けられる予算にもよりますが、スマートフォンの性能をフルに生かすアプリ開発も可能です。
<既存システムとの連携の柔軟性>
アプリを既存のシステムと連携させる必要がある場合、クラウド型で用意されているインターフェースでは不十分な場合があります。フルスクラッチ型開発では、既存システムが持つインターフェースに合わせてアプリを開発することができます。
<バックエンドの自由な選択>
クラウド型アプリの場合はバックエンドも一体で提供されますので、バックエンドの運用を完全に自社内で行いたい、自社指定の形で行いたいといった場合はフルスクラッチ型のアプリ開発を選択することになります。
[フルスクラッチ型のデメリット]
<開発期間が長く、費用も高い>
フルスクラッチ型開発はアプリをゼロから開発します。出来上がっている部品(モジュール)の組み合わせで開発を行うクラウド型との比較ではどうしても開発期間は長くなります。
また、開発費用も2,000万円以上掛かるケースもあるため、企業としては要検討する必要があります。
<開発失敗のリスク>
アプリ開発を依頼する側が外注管理に不慣れで、ベンターとのコミュニケーションが上手くいかなかった場合などに、開発期間・費用を費やしたにも関わらず、思ったようなアプリにならないリスクがあります。
<設計ミスによるセキュリティリスク>
ベンダーの能力が不十分、あるいは開発予算や期間の不足といった理由で、アプリにセキュリティ上の問題が発生することもあります。
<クロスプラットフォーム対応のコスト>
フルスクラッチ型開発では、iOS向けアプリとAndroid向けアプリを個別に開発する必要があります。要件定義やデザインなどで共用できる部分もありますが、両OSへの対応は開発コスト増の大きな要因となります。
<OSバージョンアップ対応のコスト>
スマートフォンのOSがバージョンアップした際に、新バージョンOS上でのアプリの動作に不具合を起こすことがあります。OSのバージョンアップに伴うアプリの修正は、ベンダーに個別に依頼する必要があり、費用がかかります。
<ストアリジェクトのリスク>
社内・組織内限定のようなものを除き、スマートフォン向けアプリはアプリストア経由で公開しますが、アプリストアへの登録は審査を受ける必要があります。場合によってはこの審査を通過できない場合もあり、その場合、修正コストが発生します。
アプリ開発期間を重視するならクラウド型がおすすめ
長い開発期間によるアプリのリリースの遅れは、その分機会損失につながります。また、開発期間の長さはそのままアプリ開発のコストにも跳ね返ってきます。クラウド型アプリの持つ機能の範囲内で実現できるアプリについては、クラウド型を採用する方が有効です。
クラウド型アプリの開発期間はフルスクラッチ型と比較すると短いものですが、いい加減なものが出来るわけではありません。各機能モジュールは、さまざまなアプリで実際に繰り返し使用された実績のあるものです。このため、セキュリティリスクや、動作の不具合が入り込む隙はフルスクラッチ開発と比べて、相対的に低くなります。
また、ストア登録の際の審査についても、機能的には繰り返し使用されているものですから、アプリに盛り込まれるコンテンツ以外にはストア登録拒否のリスクも非常に小さくなります。
アプリプラットフォームで設定可能なデザインも幅広く、動的なレイアウトも含めデザイン設定の幅に不満を感じることは少ないでしょう。短期間での開発で、確実な成果物としてのアプリを得られる、クラウド型アプリ開発はおすすめのアプリ開発形態です。
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