コロナウイルス感染症拡大の影響で、それまで行なっていたオフラインでの施策が実行不可能となり、多くの企業は変化に適応しようと試行錯誤を重ねました。自社のECサイトを導入したり、モバイルオーダーを開始したり……。これを読んでいる読者の皆さんも、あわててデジタルの顧客接点を確保された方も多いのではないでしょうか?
そんな中、顧客との最重要な接点となっているのがスマートフォンアプリです。プッシュ通知やクーポン機能、位置情報を活用した施策など、顧客とのエンゲージメントを強化し、集客する手段として有効なことから、ここ最近は自社でアプリを活用するケースが増えています。
この記事では、アプリ開発の工程やスケジュール、開発期間を左右する「クラウド型」と「フルスクラッチ型」の開発方法の違いについて、わかりやすくご紹介します。開発期間の長さは、アプリ開発の費用にも大きく影響を与えます。きちんと仕組みを把握して、アプリマーケティングを成功に導きましょう。
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目次
アプリ開発の流れは5ステップ
まず、スマートフォンアプリ開発の流れを把握しましょう。ここでは、自社開発ではなく、外部の開発会社に依頼することを前提として説明しますが、ほとんどの工程は社内でのアプリ開発にもあてはまります。
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【ステップ1】アプリの企画・市場調査
まず、アプリ導入によって解決したい課題や、期待する効果について検討を行います。このタイミングで、競合他社の類似アプリの状況なども調査します。また、既存の社内システムと連携したい場合は、既存システムの外部システムとの接続性の確認も必要です。
また、問題解決のためのベストな手段が本当にアプリ開発なのかどうか、顧客の行動をカスタマージャーニマップなどで可視化して検証するのもオススメです。ユーザーとの接点としてアプリが機能しているイメージが思い描けるでしょうか?
なお、競合調査について詳しくは下記の記事をご覧ください。
【ステップ2】要件定義・アプリ開発会社の選定
パートナーとなるアプリ開発会社(ベンダー)を選定します。個々の開発会社によって得意・不得意があるため、自分たちにとって相性の良いパートナーを選ぶことが、アプリ開発の成功につながります。アプリに盛り込む機能について細かい仕様を固めることで、正しい選定が可能になります。
また、例えば店舗やECのアプリであれば商品写真、飲食店の集客アプリであればメニューなど、自社で用意する必要のあるコンテンツの準備もします。
【ステップ3】見積もり依頼・発注
決定した要件をもとに開発費用の見積もりを依頼します。費用・期間・条件について合意がとれたら契約をし、発注に至ります。アプリの開発やデザインのみならず、バックエンド側の開発が必要な場合もあるため、アプリの運用フェーズも見越して発注先を決めると良いでしょう。
【ステップ4】アプリの開発・テスト
発注が決まったら関係者でキックオフミィーティングを行い、開発がスタートします。設計・デザイン:開発・実装:テスト・QAの割合は、だいたい3:5:3程度。なお、アプリの動作テストはとても重要な工程のため、決して省かないようにしましょう。
【ステップ5】アプリの審査・リリース
スマートフォンアプリは、開発後にアプリストア上に一般公開して、初めてユーザーがダウンロードできる状態となります。App Store、Google Playそれぞれ、アプリについての審査が行われ、場合によってはリジェクトされることもあります。
リジェクトは、スケジュールに大きな影響を与えるポイントです。詳しくは、「何度アプリ申請してもリジェクトされる理由とは?」を参照ください。なお、リジェクトされてしまった場合、アプリの修正作業も必要となるため、開発会社の作業範囲はアプリの開発終了までで、ストアへの登録作業はユーザー企業が行う契約となることも少なくありません。
以上が、アプリ開発の流れになります。
ずばり、アプリ開発期間はどれくらいなのか?
では、アプリ開発にかかる期間はどれくらいなのでしょうか。ステップ1〜3は、社内でアプリをつくるイメージがどこまで具体化されているか、パートナーがスムーズに選べるかで期間が変わってくるため、ここでは開発会社の発注が完了してから、アプリをリリースしてユーザーが実際にダウンロードし始めるまでのステップ4〜5の工程を「アプリ開発期間」と定義します。
答えは、クラウド型なら1カ月〜3カ月程度、フルスクラッチ型では半年以上が一般的で、1年以上かかるケースもあります。
ここで、「クラウド型」と「フルスクラッチ型」について、それぞれ説明が必要かと思います。
フルスクラッチ型とは
アプリの機能をゼロから開発する方法で、かつてはこの開発形態だけしか選択肢がありませんでした。いわば、オーダーメイドでアプリをつくることになるため、どうしても半年以上は開発期間が必要になるのです。ステップ4で言えば、設計・デザインに1カ月半、開発・実装に3カ月、テスト・QAにまた1カ月半くらいを要します。より大規模な開発になる場合は、これらの工程を、機能ごとにプロジェクト化し、それぞれ別々に進行することもあります。
クラウド型とは
あらかじめ開発が終わっている機能を、アプリの目的に応じて組み合わせ、デザインを行なって完成させる開発手法です。近年は、こちらのタイプの開発手法を提供するサービスが増えており、アプリ開発の敷居が下がっていると言えます。クラウド型は、既存システムとの連携部分を除けば、機能開発の必要がないため、すばやくリリースにまでこぎつけることができます。開発期間を最短1カ月にまで短縮できる理由はここにあります。
ここまでお読みになっていただいた方は、開発期間が短いクラウド型を選べば良いと思われるかもしれません。しかし、クラウド型、フルスクラッチ型には、それぞれメリット・デメリットが存在します。それらを理解した上で、自社に合った開発手段を選ぶと良いでしょう。
クラウド型VSフルスクラッチ型。それぞれのメリット・デメリットとは
「クラウド型」「フルスクラッチ型」、それぞれの特徴を見ていきましょう。
クラウド型のメリット
<高速開発>
クラウド型のアプリ開発の最大のメリットは、高速な開発が可能であることです。開発に必要な作業は要件を実現するモジュールの組み合わせ、設定、デザインの組み込みで、基本的に他システム連携部分以外はプログラミングが必要ないため、開発期間が大幅に短縮されます。
<開発費用を低く抑えることができる>
開発期間の短縮にともない、開発費用もフルスクラッチ型と比べると1/2〜1/3くらいに抑えることができます。
<クロスプラットフォーム対応>
iOSとAndoirdの両OSに対応したアプリを一度に開発することができます。
<OSのバージョンアップ対応も任せられる>
スマートフォンのOSがバージョンアップした場合の対応も、プラットフォーム側に任せることができるため、アプリ運用担当者の手間が削減できます。
<追加開発なしに新機能が追加できる>
クラウド型のプラットフォームは常に進化するため、新機能が追加された場合、自社のアプリに取り入れることができます。
クラウド型のデメリット
<機能が限定的>
既存のモジュールを組み合わせて開発する形になるクラウド型では、実装できる機能は、アプリプラットフォームがあらかじめ用意した機能の範囲内にとどまります。クラウド型のアプリプラットフォームも豊富な機能を揃え、常に拡充が進んでいますが、独自性の強い特別な機能、特別なデザイン上の工夫をアプリに盛り込みたい場合、クラウド型では対応しきれない場合があります。
フルスクラッチ型のメリット
<きめ細かい機能対応>
完全オーダーメイドとなるフルスクラッチ型開発の一番のメリットは、きめ細かい機能調整が自由にできるということです。開発依頼をしたベンダーの能力、開発に掛けられる予算にもよりますが、スマートフォンの性能をフルに生かすアプリ開発も可能です。
<既存システムとの連携の柔軟性>
アプリを既存のシステムと連携させる必要がある場合、クラウド型で用意されているインターフェースでは不十分な場合があります。フルスクラッチ型開発では、既存システムが持つインターフェースに合わせてアプリを開発することができます。
フルスクラッチ型のデメリット
<開発期間が長い>
アプリをゼロから開発するため、一定の開発期間が必要となります。テストで不具合が見つかった場合は、その分さらに開発期間が延びてしまう可能性もあります。
<開発費用が高い>
開発期間に稼働するエンジニアの人件費分が、コストとして発生します。アプリの要件が高度になり、プロジェクトが長期化すればするほど費用は高くなります。また、iOS向けアプリとAndroid向けアプリは別々に開発が必要なため、クロスプラットフォーム対応を希望する場合は、一つのOSだけで開発するのと比べて2倍のコストがかかります。
<開発プロジェクトの難易度が高い>
アプリ開発を始めて依頼する場合、アプリ開発の流れが理解できていなかったり、求めるアプリの要件がふわっとしていたりすることがあります。開発会社側が、要望をうまく理解できていないと、思っていたのとは異なるアプリが開発され、修正に終われ開発期間が延び、費用が膨れ上がり……とプロジェクトが失敗に終わるリスクもあります。
<OSバージョンアップ対応の手間が発生する>
OSは年に1度は大きなバージョンアップが発生します。影響範囲を見極め、アプリを改修するのは専門家でないと難しいため、開発会社に追加で依頼をする必要があり、コストもかかります。対応しないと、新バージョンOS上でのアプリの動作に不具合を起こすことがあり、ユーザーの満足度低下につながってしまいます。
アプリ開発期間長期化の原因と対策
これまで述べてきたように。フルスクラッチ型の場合、もともと半年以上の開発期間が必要となりますが、場合によっては、予定よりも長引いてしまうケースがあります。開発期間が長期化してしまう原因や、それによって引き起こされるデメリットを解説します。
開発期間が長引く原因
・機能の詰め込みすぎ
アプリをつくる目的が明確にならないまま、あれもこれもと必要な機能を盛り込もうとすると、その分どんどん開発難易度が上がります。
・一度決定したことをくつがえす
ある程度開発が進んだ段階で、社内から「デザインを変更したい」「こんな動作を実現したい」などの意見が出て、それまでの工程をもう一度やり直すことになり、開発期間が長引くのは良くあるパターンです。プロジェクト関係者の士気も下がり、全体が疲弊していきます。
・アプリがリジェクトされる
開発が終わったと思ったら、アプリストアの審査でリジェクトされてしまうケースも多くあります。再審査のために修正が必要になります。リジェクトの理由が明確でない場合、原因解明に思わぬ時間がかかることもあります。
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開発期間長期化のデメリット
長期化すると以下のようなデメリットがあります。
・アプリの開発コストが増大する
アプリの開発費用は開発期間に左右されます。プロジェクトが長期化すれば、その分、開発に携わるエンジニアの工数が増えるため、費用が増加します。
・マーケティング施策の計画が狂う
アプリのリリースの遅れは、その分機会損失につながります。アプリのリリースを、新店舗をオープンしたり、新商品を発売したりといったタイミングに合わせていた場合、マーケティング計画が大きく狂ってしまうことになるでしょう。
・アプリの内容がトレンドと乖離してしまう
開発を決めたタイミングから、少なくとも半年先にリリースされるアプリ。それが1年、1年半、と長期化していくにつれ外部環境が変化し、当初必要だと思っていた機能のニーズがなくなる可能性があります。せっかくリリースしても使われない機能になってしまうのです。
スケジュールを守るためには?
プロジェクト管理の基本は、QCD(品質・コスト・納期)。品質を上げたいなら、コストを増やす、納期を遅らせるといった調整が必要になります。ここで言う「品質」は、具体的にはアプリの機能やデザイン、運用フェーズで使用する管理画面の使用などを指しますが、プロジェクトの途中でもともと考えていた「完璧なアプリ」を実現するにはかなり開発期間を伸ばす必要があるとわかった場合、まずはリリースする、という方針に切り替えるのも大切です。特に初めてアプリを開発する場合には、スモールスタートが鉄則です。
また、開発期間長期化のリスクを取りたくない、必要な機能さえ揃っていれば良い、という場合は、やはりクラウド型を選択するのが良いでしょう。各機能モジュールは、さまざまなアプリで実際に繰り返し使用された実績のあるもののため、セキュリティリスクや、動作の不具合が入り込む隙はフルスクラッチ開発と比べて、相対的に低くなります。
また、ストア登録の際の審査についても、機能的には繰り返し使用されているものですから、アプリに盛り込まれるコンテンツ以外にはストア登録拒否のリスクも非常に小さくなります。
一方、時間をかけてでも、必要な機能をしっかりと実装したいという場合は、フルスクラッチ型を選ぶことになります。開発会社側のディレクターの力量に左右される部分もあるため、アプリ開発の実績の豊富さなど、発注前の見極めが大切ですし、何より、自分たちがどんなアプリを作りたいのか、という理想像を明確に言語化することが必要です。
クラウド型のアプリプラットフォーム「Yappli」
当社ヤプリが提供するアプリプラットフォーム「Yappli(ヤプリ)」は、プログラミング不要で、クラウド型でのアプリ開発が可能です。短期間でアプリをリリースできるのはもちろん、幅広いデザインを実現できるため、ブランドの世界観を反映したアプリが開発可能です。もちろん、iOS/Anddoidの両OSに対応したネイティブアプリとなります。
リリース後の運用は簡単に操作できる管理画面から可能で、マーケテイング効果の分析もダッシュボードから実施できます。
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