AR、ネイティブEC、簡易MAなどYappliを進化させる10の新機能

2018年10月19日、ヒューリックホール東京にて「Yappli Summit 2018」を開催しました。今回も、株式会社ヤプリ 代表取締役 庵原保文から今後Yappliに搭載予定の10の新機能を発表させていただきました。

2D/3DのAR対応やネイティブEC、簡易的なMA(マーケティングオートメーション)として利用できるオートプッシュなど、利便性が飛躍的に向上する注目の機能が揃った今回の発表。具体的に何ができるようになるのか紹介します。

庵原 改めて、Yappliの概要をご紹介します。Yappliはアプリ開発・運用・分析が揃うプラットフォームです。

根底にあるテクノロジーは3つ。

  • プログラミング不要でアプリを構築できる
  • 直感的なUI(ユーザーインターフェイス)の管理画面を提供(顧客自身で運用できるので、成功確率が上がる)
  • 自動バージョンアップ(OSバージョンアップも随時行っているので、常にフレッシュな状態で使える)

現在、280社を超える企業に導入いただいています。ジャンルも広がっており、1番多いのはアパレルで、商業施設、飲食などのO2O、EC集客、銀行アプリ、学校法人にも利用いただいています。

Yappliカスタマーサクセス成功事例

私たちが最も重視しているのはカスタマーサクセスです。作るだけではなく、一緒に成功まで伴走することをコア・バリューにしています。ここで、カスタマーサクセスの成功事例を、カスタマーサクセス本部の市川からご紹介します。

市川 Yappliのカスタマーサクセスは、顧客の活用支援をするチームです。本日は株式会社ティンパンアレイの「RAGTAG」事例をご紹介します。RAGTAGは、プレミアムウェア専門のユーズドショップです。

以前は別のプラットフォームを使ってアプリリリースされていましたが、その中で3つの課題を感じられていました。

  • アプリ更新が非常に困難
  • 低アクティブ
  • 店頭とECの非連動

それらの課題を解決するために重視したのはOSアップデートとシステム更新の部分でした。

運用面を考えると、頻繁なOSアップデートに都度対応するのは困難ですし、システム更新もできるだけ負荷を少なくしなければいけないという結論に。

それらの課題感を踏まえたうえで、Yappliに乗り換えました。

ネイティブ化してさくさく動くようになったし、回遊性も向上。

ECと店舗をつなぐポイントカードやお得感を感じていただくインセンティブなどO2O施策にも活用いただけました。

では、リニューアル後実際どのような効果が出たのでしょうか。

【CV数】
EC:114%
アプリ:250%

【MAU】
EC:115%
アプリ:300%

結果、CV数、MAUともに増加。特にアプリにおいては大幅な伸びを見せました。ティンパンアレイ社からも「ユーザーがしっかりアプリを利用するようになり、効果が大幅改善できた」とお声をいただきました。

Yappliを進化させる10の新機能

庵原 Yappliは3つのコンセプトを基に開発を進めています。

  • AX(アプリ体験)
  • パーソナライズ(CRMとしても使われている)
  • オープン(外部ツールと連携し使いやすさを拡大)

年間でみると、合計250のアップデートを行っています。そのなかで、今回は10のカテゴリで新機能を実装していきます。

新機能1:NEW APP UI

・ショップ機能の拡充

庵原 ご好評いただいているショップ機能をリニューアルします。地図上でスワイプするだけで最寄りの店舗を探せるようになります。店舗の詳細にも、下から上にスクロールするだけで閲覧できるようになります。画像アップロードも複数枚同時にアップロードできるようになります。

・クーポンの利用がスムーズに

1ハンドで完了、詳細から一覧に戻るのも1ハンドで完了します。

・タブバーの動きを改善

タブをタップすると、アニメーションが動いて今自分がどこにいるかがすぐわかるようになります。

・ハンバーガーメニューの設置

非常に要望が多かった機能です。左上にメニューをまとめられるようになります。

・イントロ

アプリを起動した時に1番最初に出る機能ですね。これまでは画像だけでしたが、動画などリッチでエンゲージメントを深めるコンテンツを設定できるようになります。

・フォーム機能

現在提供しているフォーム画面は質素ですが、こちらも動画などのリッチな素材を入れられるようになります。

・出し分け機能

現状、TOPページには全ユーザー同じ画面が表示されているが、誕生月の方にはTOPページに誕生日用の特別なバナーを表示させたりすることができます。

新機能2:フォトフレーム

庵原 画像をアップし、フォトフレームを設定できます。

SNSでのシェアもハッシュタグ付きで簡単にできます。

特に今活用いただいているのはキャンペーンで、ファンとのコミュニケーションにつながります。既にリリース済みなので今日から使えます。

新機能3:AR

庵原 ARでできることは2D認識、3D 認識の2つです。

AppleのARKit2、GoogleのARCoreをYappliに搭載します。

これまで敷居が高かったテクノロジーを誰でも使えるようにするのが弊社のミッションですのでARも劇的に利用ハードルを下げました。

2D認識の場合、写真画像を認識すると動画が再生されるようにできます。

設定も簡単で、管理画面に画像をアップロードして動画リンクを入力するだけです。

3Dモデルにも対応しました。

平面だったものを3Dとして表示できます。

また、3D認識も可能です。商品にスマホをかざすだけで、商品情報が表示されます。表示された情報をタップするとECサイトに飛んでそのまま購入できます。買い物までできるARということですね。

新機能4:チェックインスタンプ

庵原 YappliはO2Oに活用できる機能を幅広くカバーしています。

クーポン・ポイントに加え、今回チェックインスタンプを追加します。

「チェックインする」をタップすると、GPSが起動して近隣店舗を表示します。

該当店舗をタップするとスタンプゲットボタンが表示されます。

スタンプをコンプリートされるとすぐにプッシュ通知が飛んできて、そこから好きなところに遷移させることが可能です。スタンプのデザインも柔軟にカスタマイズできます。

新機能5:ネイティブEC

庵原 ネイティブECを開発するにあたり、3つのコンセプトを掲げています。

  • 10倍早い閲覧スピード
  • アプリECに特化したUI
  • カートへダイレクトに

モバイルECは成長し続けており、経済産業省によると国内市場規模は3兆円。Criteoが出しているデータによると、アプリはWebに比べて5倍のCVRが出ているようです。

ただ、YappliがネイティブECをやるとなると既存のECシステムやカートシステムなどと競合するのか?と思われるかもしれませんが、逆です。既存のシステムとパートナーシップを組みます。

既存システムと連携し、ネイティブECコンバートモジュールに取り込みます。そこからYappliのアプリに出力します。その際、GRPCという最新の通信技術を使用しているので、非常に早い通信速度を実現しています。

現在私たちが提供しているWebビューのECと、開発中のネイティブECのスピードを比べると2倍以上の差がついています。

今回業界シェア1位のEC構築パッケージ「ecbeing」様と連携させていただきました。来年は在庫連携・ネイティブ決済に対応する予定です。


株式会社ecbeing 執行役員 斉藤淳氏

斉藤氏 ECサイトを構築するためのパッケージを提供しています。

如何に売上をのばしていけるかをコンセプトに機能強化を徹底しています。

今回、連携作業に関してYappliさんはすごくスムーズに進められました。通常、連携するときはカスタマイズが必要で、事業者様ごとにカスタマイズ費用をいただかなければいけないんです。Yappliさんの場合はそれも不要だったので、コストを抑えてスピーディーにできたかなと。

庵原 市場感に対してはどのように感じていますか?

斉藤氏 先程、データとして市場データを提示していましたが、実感としてデータ以上の効果が出ていると思います。スマホの利用率は8割以上で、PCは見ないんですよね。

スマホの中でもアプリへの取り組みは今年に入ってからすごく増えているんです。ネイティブECの動きはこれから更に加速していくでしょうね。

新機能6:CMSリニューアル

庵原 CMSリニューアルのコンセプトは3つです。

  • デザイン統一
  • スピード
  • 直感的

創業6年やっていると、いろいろな意見が出てデザインに統一性がなくなってくるんです。ボタンのデザインもバラバラだったのですが、すべてのデザインを統一してシンプルに見やすくすることで、学習コストを下げる狙いがあります。

スピードも向上しました。サーバーとCMSの通信を高速化しました。

直感的なUIに関しては、編集画面とプレビューを連動させて、今自分がどこを作業しているのかわかりやすくなるようにしました。

ダッシュボードも新しく開発しました。DL数、ユーザー数、プッシュ通知の配信数など7つの項目を、ドラッグ・アンド・ドロップでダッシュボードに移動できます。

新機能7:サービス連携

庵原 多くの方は、様々なチャネルをジャーニーで捉えて最適化したいという要望を持たれていると思います。

今後マーケツールのSDKを組み込むので、各ツールのデータをもとにしたアプリ施策を打つことが可能です。まず、今年はKARTE、Reproと連携しました。

今後、フロムスクラッチ社のb-dashとも連携予定です。ポイントシステムだと楽天ポイント、チャットはZendeskと連携しています。決済は、Origami Payと連携を予定しています。

新機能8:Yappli API

庵原 オープン化するうえで、どんどんAPIを公開していきます。

APIはポイントAPI、プッシュAPIの2種類あります。ポイントAPIは企業が持っている既存APIと連携可能で、どんなシステムのポイントカードでも連携可能です。

プッシュAPIは、どのIDに対してどんなプッシュ通知をしたいのかを指定できます。例えばポイントの期限切れの注意をプッシュ通知している企業もあります。データさえあれば様々な条件を設定できます。

新機能9:Yappli SDK

庵原 アプリ内Webサイトの購買データをAppsFlyerに渡して、アプリデータをもとに広告配信できるようになります。アパレルブランドにテスト導入いただき、アプリのデータをインストール広告に活用したところ、広告単価が約半分になりました。

アプリでしか取得できないデータを蓄積し、資産化して、CPIからLTVへの価値転換を図っています。

新機能10:オートプッシュ

庵原 マーケティングシナリオを設定すれば、属性や行動データを取得し、自動的にプッシュする機能です。

昨年まで設定できるシナリオは誕生日だけでしたが、現在は起動して一週間後とか30日起動していない休眠ユーザーの掘り起こしも可能になりました。

また、クーポン利用しているようなロイヤリティの高いお客様へのプッシュ、まだ会員登録していないようなお客様にもプッシュできます。簡単に言えば、カジュアルなMAができるということですね。

最後に

庵原 私たちは2020年に向けて、1億DLされるぐらいのエンゲージメントの高いプラットフォームを目指しています。敷居の高いテクノロジーを誰でも使えるようにするプラットフォームとして、今後も進化していきます。