ユーザーに最適なモバイル体験を提供する Yappliの最新機能アップデート10選

MOBILE MARKETING UPDATE in OSAKA 2018レポート「Yappli UPDATE
※こちらは2018年7月27日にリーガロイヤルホテル大阪で行われたイベントのレポート記事になります。

MOBILE MARKETING UPDATE in OSAKAの中盤では、ヤプリ代表の庵原保文氏も登壇。アプリ運営プラットフォーム・ヤプリのサービス紹介と、新機能や導入事例を、デモを交えて紹介した。

(登壇者)
株式会社ヤプリ 代表取締役 庵原保文

最新かつ最適な顧客体験を実現する、Yappliの開発ポリシー

イベントの中盤では、代表の庵原保文氏による、Yappliの特徴や最新機能に関する紹介も行われた。

庵原氏は「従来、アプリ開発とは複雑で難しいもの。半年から1年という長い期間をかけて開発されることがほとんどだ」とした上で、そうした従来の常識にとらわれることなくアプリ開発を実現できるプラットフォーム・Yappliの3つの特徴を解説した。

ひとつは、プログラミング不要で高品質なアプリを開発できること。ドラッグ&ドロップというシンプルな操作で、専門知識がない人でも短期間で効率良くアプリを開発することが可能だ。

2つ目は、直感的UIの管理画面。開発と同様に、「トップページの変更」や「キャンペーンのプッシュ通知配信」といったアプリの運用・管理も、ブログを操作するような感覚で手軽に行うことができる。

3つ目は、自動バージョンアップ。日々開発・改善される機能を導入企業がすぐに活用できることは、クラウドサービスであるヤプリの大きな魅力のひとつだ。新機能の開発のみならず、OSのバージョンアップにも素早く対応しており、導入企業は常に最新の環境でアプリ開発・運用ができる。

2018年9月までに、Yappliを活用してアプリを開発した企業は250社にのぼり、そのアプリのダウンロード数は累計2000万件にのぼる。導入企業は、オムニチャネルやO2Oを目的とした小売・流通企業が63%と過半数を占める一方、オウンドメディアが13%、通販が8%、社内向けおよびBtoBが6%、採用支援が3%など、ヤプリの活用目的は広がり続けている。

当社のミッションは「アプリのテクノロジーを開放すること」だと庵原氏。「Yappliは、アプリ開発の敷居を劇的に下げた。今後も、さまざまな業界の課題解決を支援する『モバイル戦略を成功へ導くアプリ運営プラットフォーム』として、質の高いアプリをより簡単に構築・運用できるよう機能開発を推進していきたい」と力を込める。

Yappliの最新機能アップデート10選

年間50ほどの機能アップデートを実施しているYappli。その開発テーマは「リッチ」「オープン」「パーソナライズ」の大きく3つに分けられる。この3つの軸に沿って、直近1年以内にアップデートされた10の新機能をデモを交えて紹介した。

<リッチ>

情報収集、購買、コミュニケーションといったあらゆる行動がモバイル、スマートフォンへと集約される中、生活者一人ひとりのアプリの利用頻度は高まり続けている。生活者にとってより便利で、より心地良い体験を提供すべく、リッチなUIUXを実現する機能開発を進めている。

(1)iPhone X最適化

Yappliでは、新たな端末が発表されるたびに速やかに表示の最適化を行っている。iPhone Xの大画面でも、フルサイズでダイナミックな表現が可能だ。イントロやフォームにもパララックスや動画を表示することができ、より没入感のある体験をアプリユーザーに提供できる。

(2)フォトフレーム

イベント当日、7月27日にリリースした最新機能。アプリ上にアップロードした写真とフォトフレームを組み合わせて画像を作成・編集したり、SNSへ投稿したりといったことが簡単な操作で実行できる。

(3)バーコード・QR

スマートフォンのカメラを使ってバーコード・QRコードを読み取ることができる。例えば、小売店頭でバーコードをスキャンし、アプリ画面上でECサイトを表示させることが可能。オフラインとオンラインをシームレスにつなぎ、ショッピングの幅を広げることが期待できる。

(4)チェックインスタンプ

既存のスタンプ機能を、よりブラッシュアップしたもの。アプリユーザーがGPS機能を使って店舗やロケーションにチェックインすることで、スタンプを獲得できるようになった。スタンプが貯まるとプッシュ通知を配信し、任意のページにアクセスさせることもできる。

<オープン>

Yappliの機能を、他のツールやサービスと連携させることを重視している。アプリにおける体験をより便利で快適にすることはもちろん、あらゆる顧客チャネルにおけるブランド体験の質をトータルで高めていくことが可能になる。

(5)MA・接客ツール連携

Web、メルマガ、SNS、アプリといった複数のチャネル間でデータを連携させることで、顧客一人ひとりのカスタマージャーニーを捉え、最適なタイミングに最適な施策を打ち出すことができる。MA(「Salesforce Marketing Cloud」)や接客ツール(「KARTE(カルテ)」)からプッシュ通知を配信することも可能だ。プッシュ通知サービス「Repro(リプロ)」との連携も近日中にスタートする予定。

(6)チャット

カスタマーサービスプラットフォーム「Zendesk(ゼンデスク)」との連携により、アプリユーザーとのリアルタイムなコミュニケーションが可能となっている。ユーザーが、アプリ画面上に表示されたチャットボタンをタップすると、ネイティブにチャット画面が表示される。ユーザーから寄せられた質問は、すべてZendeskの管理画面でコントロールすることができる。

<パーソナライズ>

アプリは、ロイヤル顧客・ファンの育成において最も効果的なチャネルのひとつと言える。ヤプリでは、ユーザー一人ひとりに合った内容・タイミングでのコミュニケーションを実現する機能の開発・改良に力を入れている。

(7)出し分け

フォームに登録されたユーザー情報に応じて、アプリのページや、ページ内に表示するバナー画像を出し分けることができる。例えば、フォームで「よく行く店舗」を選択させて、その店舗に関する情報を優先的に表示させることなどが可能だ。

(8)セグメントプッシュ

Yappliで最も人気がある機能のひとつ。属性や興味・関心といったユーザー情報を組み合わせて、プッシュ通知の配信対象をセグメントすることができる。プッシュ通知は、テキストと画像、リンク先を指定するだけで配信できる手軽さが特徴で、配信前にプレビューを見ることもできる。

(9)プッシュAPI

セグメントプッシュは配信が手軽である反面、ヤプリのサーバーにデータが蓄積される仕組みになっており、企業が保有するデータと直接連携されない。企業の基幹システムと直接連携したプッシュ通知を配信したい場合には「プッシュAPI」を活用できる。「購入商品の配送状況を伝える」「ポイントカードの期限切れを伝える」「購入商品の消費・消耗のタイミングに合わせてアプローチする」といった活用方法が考えられる。

(10)オートプッシュ

属性や行動データでシナリオ設定し、該当ユーザーに自動でプッシュ通知を配信できる機能。現状は、次の5つのシナリオを設定できる。

①誕生日 (例:誕生日が近づいてきたユーザーに配信)
②初起動 (例:初起動した翌日に配信)
③最終起動 (例:最終起動から1カ月間アプリを開いていないユーザーに配信)
④クーポン (例:クーポン利用ユーザーに、商品購入の1カ月後に配信)
⑤会員登録 (例:会員登録をしていないユーザーに配信)

これら最新機能のほか、今秋リリース予定で現在開発中の機能「AR」についても言及した。ユーザーがアプリ画面上に設置されたボタンをタップし、管理画面に登録された画像を読み取ると、動画や3Dのオブジェクトを表示させることができるというものだ。例えば、購入商品が梱包された箱の画像を読み取って商品の説明動画を視聴したり、値札を読み取って商品の詳細情報を閲覧したり……といった利用シーンが想定できる。

庵原氏は「こうした新たな技術をいち早く取り入れることで、ユーザーの新しい体験や、ユーザーと企業の新しいコミュニケーションを次々に実現していきたい」と、さらなる開発への意欲をのぞかせた。