アクセス解析に必要な初期設定、アプリとWebサイトの違いは?

Webサイト担当者が急遽アプリ運営も任される、というケースも多いだろう。こんなとき、躓きやすいのがアクセス解析だ。定番のGoogleアナリティクスでネイティブアプリのアクセス解析は可能だが、まず初期設定の段階でWebサイトとの違いに戸惑うこともある。

とはいえ後回しにしてしまうと、アプリの効果測定ができていない…という事態を招く。アプリでは開発の段階からアクセス解析の初期設定を考えておく必要がある。そこでGoogleアナリティクスでアプリ解析をするために、3つの初期設定ポイントをおさえておこう。

WebサイトではHTMLへのタグ設置すればOKだが、アプリの場合は?

Webサイトではご存知の通り、各ページのHTMLGoogleアナリティクスのタグを記載すればOK。そのため担当者自身で対応することも多いだろう。一方ネイティブアプリでは、アプリのプログラムへ、トラッキングコードを追加する。OSごと(iOS/Android)に対応する必要もあり、担当者自身での対応は難しい。

アプリを独自開発(スクラッチ開発)する場合には、事前に開発会社へGoogleアナリティクス用の設定を依頼しておかなければならない。(リリース後に設定を依頼すると、追加費用がかかる可能性もある)

※参考:「アナリティクスでアプリの使用状況をトラッキングするGoogleアナリティクス

なお独自開発ではなく、アプリ開発サービスを使ってアプリ開発を行う場合はどうだろう。実はアプリ開発サービス側において、すでにGoogleアナリティクス設定がされていることも多い。ただしプランによって対応が異なることもあるため、まずはサービス提供会社に確認しよう。

アプリで重要なプッシュ通知やクーポン機能。効果を見るための初期設定とは?

モバイルアプリでは、ユーザーがアプリ内でどんな操作(アクション)をしているかが重要となってくる。Webサイトのアクセス解析でも、ボタンごとのクリック数などを見るためにイベントトラッキングコードを利用している人も多いだろう。アプリにおいてもアクションごとにイベントタグを設定しておけばOKだ。

一般的なアプリ操作なら、Google側でもデフォルトのイベントとして用意されている。ただしアプリの種類・機能によっては、アプリ開発時に独自にイベントトラッキング設定を行う必要があるので注意したい。特にスクラッチ開発したアプリでは、機能の種類が多いと細かい設定が抜けてしまう可能性がある。手間はかかっても、都度測定できているか検証しながら設定する必要があるだろう。

アプリ開発サービスを使う場合は、サービス側でイベントトラッキング設定がすでにされているところもある。都度手動で設定するよりも担当者の負荷は少ないと言えるだろう。

アプリからWebサイトへリンクを貼るときにも設定が必要

例えばEC企業なら、アプリからECサイトへどのくらい誘導できているかアクセス解析ツールでチェックすることも多いだろう。この場合ECサイト側のアクセス解析にて「参照元」を見るのが基本。ただしアプリからWebサイトへのリンクで何も設定をしていないと、アプリからのリンクかどうか判別できない。(Googleアナリティクスでは参照元が「Direct」扱いになる)モバイルアプリはついサイトと同じものと考えがちだが、実はGoogleアナリティクスでは、別のものとして扱われるので注意したい。

アプリからWebサイトへリンクを貼る際には、パラメータをつけておく必要がある。Webサイトのアクセス解析だけしていると見落としがちなポイントとも言える。同様にアプリでQRコードを表示して他のサイトへリンクさせる場合にも、パラメータをつけておきたいところだ。

紹介したように、アプリではWebサイトよりもアクセス解析にかかる初期設定の手間は多い。特にスクラッチ開発の場合、慎重に初期設定の漏れがないか、確認する必要がある。一方アプリ開発サービスを使う開発の場合、あらかじめサービス側で設定済みというケースも多い。アプリ開発手法を選ぶ際には、こうしたアプリ開発や運営にかかる手間も考慮したい。