アプリ開発後の運用コストは意外とかかる!見逃しやすいポイントとは

モバイルアプリ開発にかかるコストは細かく見積もりをチェックする一方、開発後の運用コストはあまり意識していない…というケースも意外とある。まずは基本となる「サーバー費」「システム保守費」「コンテンツ制作費」は、毎月かかる運用コストとしてチェックしきたいところだ。

とはいえアプリの運用は想定外のことも多い。そのため思っていたよりも運用コストがかかる事態にもなりがち。こうした事態を防ぐためにも、運用コストごとの注意点を確認しておこう。

1)サーバーの運用コスト

アプリのデータやコンテンツを保管するために必要なサーバーも、毎月かかる運用コスト。なるべく低価格のサーバーにしたいところだが、価格だけで決めるのは要注意。例えば通信量や同時接続数の制限なども実は重要だ。もし大手メディアでアプリが紹介されてアプリ利用が集中すると、低価格のサーバーでは制限に引っかかってしまう可能性も。(こうなると一部のユーザーは通信エラーになってしまう)サーバーを選ぶときは、容量のほか通信量や制限の有無も確認しておきたい。

アプリを独自で開発した場合(スクラッチ開発)は、さらに注意すべき点もある。開発会社とサーバーの契約が別々の場合、トラブルが起こったときに問題の切り分けが難しくなる。開発会社経由でサーバーを利用できるか、相談しておくことをおすすめする。

なおクラウド型のアプリ開発サービスでは、サーバー費用もサービス利用料に含まれていることが多い。運用コストとして見るべき金額がわかりやすく、別途サーバーの契約手続きが不要な点も、アプリ担当者としては便利だろう。

(2)アプリのシステム保守・運用コスト

アプリに限らずアプリケーション開発では、不具合やトラブル時に備えてシステム保守費という運用コストを見ておくのが基本だ。特にスマートフォンアプリではOSのバージョンアップに伴う対応が必要。そこでシステム保守の範囲でバージョンアップに対応するケースも多い。

スクラッチ開発ではアプリ開発会社にシステム保守も依頼するケースがほとんどだろう。ただし開発会社によっては、開発体制はしっかりしていても運用体制が整っていないところも。運用体制は必ず確認しておきたい。

システム保守内容には、不具合(バグ)対応やバージョンアップ対応のほか、システムバックアップや問い合わせ対応も含まれるのが一般的。とはいえ、会社によって保守範囲にはバラつきがあるため、必ず保守契約を締結する際に明確にしておこう。

なおシステム保守費には、基本的にアプリの追加開発は含まれない。そのため保守費とは別に機能追加にかかる費用を運用コストとして想定しておく必要がある。(とはいえ機能が決まらないと開発費がわからないので…コストを算出するのが難しいところでもある)

クラウド型のアプリ開発サービスの場合では、月額利用料に保守費も含まれていることが多い。(ただし自社向けにカスタマイズした際には、別途運用コストが発生することもあるので事前に確認しておくべき)

アプリ開発サービス側で機能追加する際には、追加コストは基本的にかからない。もちろん機能についてはサービス提供会社次第だが、運用コストを抑えられるという点では大きなメリットと言える。

3)アプリコンテンツ更新にかかる運用コスト

アプリにおいても、定期的なコンテンツ更新は不可欠。制作コストとあわせて更新にかかるコストもチェックしておきたい。例えば社内のリソース不足により更新作業を外注すれば、やはり運用コストがかかる。(外注すると、緊急対応が難しいなどの課題もあるが)

社内でアプリコンテンツの更新を行う場合、気になるのが管理画面。スクラッチ開発では、開発予算の都合上どうしても管理画面にコストをかけにくい。そのため管理画面の操作性がイマイチ、ということも実際にはよくある。

アプリの管理画面が使いづらいと、更新作業に時間がかかったりミスが起こりやすかったりする。結局は運用コストがかさんでいることになってしまう。

クラウド型のアプリ開発サービスの場合は、ある程度誰でも操作できるような管理画面の設計になっている。さらに利用者の声をもとに、改善されることも多い。こうしたサービスを使うことで更新業務が効率化できれば、その分運用コストを抑えられていると言えるだろう。