アプリ開発でなかなか企画がまとまらない…という人も多いのでは?アイデア出しの手法とし、今注目されているのが「アイデアソン」というイベントだ。プログラム開発ができなくても気軽に参加でき、多様な人との意見交換で新しいアイデアのヒントが得られるかもしれない。
全国でさまざまなテーマでアイデアソンが実施されている。一度オープンなアイデアソンに参加してみることをおすすめしたい。
アイデアソンとは、多様な人が集まりアイデア出しをするイベント
「アイデアソン」とは、決められたテーマに基づいて商品やサービス、ビジネスモデルなどのアイデアを参加者が出し合うイベント。アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を組み合わせてアイデアソンと呼ばれる。
なおエンジニアなどが集まり、期間内にプログラム開発を行う「ハッカソン」もある。もともとアイデアソンはハッカソンの前段階として実施されていたが、今ではアイデアソン単体で行われることも多い。
なお、アイデアソンは一般的なワークショップと異なる点が3つある。
(1)チームを編成する
個人単位ではなく、数人のチームに分かれてアイデアを絞り、発表を行う。そのためチーム内で意見をまとめる必要がある。
(2)制限時間がある
アイデアソンによって異なるが、時間内にアウトプットを出すのが原則。限られた時間でアイデアをまとめるトレーニングでもある。
(3)コンテストである
アイデアソンでは最終的に審査があり、優秀チームを表彰する。チームごとに競い合うことで、よりアイデアの質を高めるのが狙い。
アイデアソンに参加するメリットとは?
ハッカソンはプログラム開発を行うため、参加者がエンジニアなどに限定される。しかしアイデアソンはオープンなものも多く、社会人や学生などさまざまな立場の人が参加できるものが多い。
多様な人と意見交換することで、新しいアイデアのヒントを得る機会になる。ただしアプリ系のアイデアソンではアイデア流出につながりかねないため、自社の情報を出しすぎないよう注意したい。
またアイデアソンは、アイデアの発掘や整理をする手法を学ぶ機会にもなる。例えばアイデアを出し分類する「KJ法」を取り入れるアイデアソンも多く、社内でアプリのアイデアや企画を立てるときにもこうした手法を活用できるようになる。
アプリ開発に向けて、社内アイデアソンを実施してみる
実際にアプリ開発に取り組むときに、社内でアイデアソンを実施する方法もある。アイデアソン形式にすることで開発に関わる部署だけではなく、さまざまな立場からの意見・アイデアを集められるのがメリット。あわせてアプリを開発するということを、アイデアソンを通じて社内に広く周知できる。
社内アイデアソンを行うためには、アイデアソンの基本的な流れをおさえておきたい。
<アイデアソンの進め方>
(1)参加者募集・チーム編成
できるだけ各チームで所属がバラバラになるようにしたい。
(2)テーマ説明
アイデアソンで話すテーマや目的を参加者に説明。ここでテーマや目的が共有できるかどうかでアイデアソンの結果が大きく変わるため、時間をかけて行うケースも多い。
あわせてアイデアソンのルールや進め方についてもこの時点で解説しておきたい。
なおアイデアソンは制限時間があるイベントのため、企画の完成まで目指すのは難しい。アイデアのヒントを集める程度にとどめておく方が現実的だ。
(3)アイスブレイク
社内でも普段接点の少ない人が集まっている場合、自己紹介や簡単なゲームでコミュニケーションしやすい関係を作ろう。これをアイスブレイクと呼ぶ。
(4)グループワーク
実際にアイデアを出し合い、チームとして発表するために絞り込む。なお、社内アイデアソンでは、どうしても従来の関係を引きずって発言しにくいこともある。偏りがないよう、個別に意見を出す機会を与えた方がよいだろう。
(5)発表・審査
チームごとにまとめたアイデアを発表。審査を行い優秀なチームには表彰を行う。一般的なアイデアソンでは賞品がでることもあるが、社内ではどう表彰するか事前に検討しておこう。また参加者の満足度を高めるため、実施後に懇親会を行うのも有効。
アプリ開発と言えばプログラム開発に時間がかかるイメージが強いが、アプリ開発ツールを使って短期間で開発できるケースも増えている。アプリ担当としては開発フェーズに偏らず、アプリの企画・アイデア出しに時間をかけることも重視したい。