クーポンだけじゃない!スーパーマーケットのアプリ活用

スーパーマーケット業界にも広がるアプリ開発。スーパーマーケットのアプリマーケティングといえば、クーポンや店舗検索、電子チラシといった機能が一般的だ。しかし、今ではそれ以外のアプリ機能を開発する事例も増えている。

ネットスーパーなどオムニチャネル化を進めるスーパーマーケットも増える中、どのような機能でアプリを活用しているのだろうか?今回はリニューアルしたばかりのイトーヨーカドーのほか、いなげや、クイーンズ伊勢丹というスーパーマーケット3事例のアプリ活用をまとめた。

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スーパーマーケットのアプリ活用3事例を検証

(1)イトーヨーカドーアプリでは、グループ共通ポイントを2018年6月から開始

オムニチャネル化を進めるスーパーといえば、セブン&アイグループのイトーヨーカドー。イトーヨーカドーでは2018年6月にアプリをリニューアルし、セブン&アイグループ共通の「セブンマイルプログラム」がスタートした。これはセブンイレブンも含めたグループ店舗の利用で共通のポイントが貯まる仕組みだ。

一方でイトーヨーカドーアプリ単体でも、来店やチラシ閲覧、育成ゲームでポイントが貯まる仕組みも。どちらもロイヤリティ向上を目指した施策だが、ユーザーとしては複数のポイント制度があり、複雑でわかりづらいという課題も残る。

(2)「いなげや」ではアプリのポイントカード機能を通じて、顧客のアプリ利用を推進

全国に100店以上の食品スーパーを展開するいなげやでは、2016年に公式アプリをリリース。ポイントカード機能をアプリに搭載した。

いなげやのアプリは、バーコード画面をレジで提示すればポイントカードとして使えるシンプルな仕組み。利用者にとっても従来のカードとほぼ同じ使い方ができるため、アプリに移行しやすい。客層が幅広い食品スーパーの場合、かえって従来の利用と変わらないアプリ機能のほうがスムーズに移行しやすいポイントと言えそうだ。

いなげや事例はこちら

(3)「クイーンズ伊勢丹」ではアプリでレシピコンテンツを提供、ロイヤリティ向上を目指す

三越伊勢丹グループのスーパー「クイーンズ伊勢丹」では、2017年に公式アプリを提供開始。クーポンや電子チラシ機能もあるが、独自の取り組みとして注目したいのがオリジナルレシピコンテンツの提供だ。百貨店系列のスーパーとして、値引きに頼りすぎずロイヤリティ向上につなげたいという戦略がうかがえる。

高品質スーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹」公式アプリ リリース

なぜスーパーマーケットでアプリの利用が進んでいるのか?

スーパーマーケットがアプリに力を入れている理由のひとつが、新聞折込チラシの減少だ。スーパーマーケットの販促と言えば新聞折込チラシだが、電通の調査では2006年をピークに折込広告費は減少傾向にある。2016年にはピーク時の約3割減となっており、(※1)新たな顧客へのプロモーション手段としてアプリの活用が進んでいると考えられる。

また、スーパー以外に競合が台頭している影響しているのではないだろうか。最近では生鮮食品や総菜を扱うコンビニやドラッグストアも出てきている。スーパーとしても、顧客の囲い込みは重要な課題だ。

※1 出典:http://www.j-noa.jp/wp-content/uploads/2017/03/nippono_kokokuhi201703.pdf

今後スーパーマーケットにとって、アプリがマーケティングの中心になる?

スーパーマーケットでアプリの導入が進む一方、結局は店舗のアナログな施策のほうが有効では?と考える人も多いかもしれない。そこで博報堂グループ企業がスーパーやコンビニなどの買い物客へ実施した調査データ(※2)を紹介したい。この調査によると、実店舗での施策を利用する人が多いものの、アプリなどデジタル系施策の利用は増加傾向だという。

同じ調査によれば、自動表示などプッシュ系施策に対するネガティブな意見は少なく、満足度が7割以上もあるという点にも注目だ。従来からクーポンなどの利用に慣れているユーザーが多く、アプリのプッシュ通知にも抵抗が少ないことが考えられる。

※2 出典:http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2016/03/20160323_1.pdf

ネット活用を進めたいスーパーマーケットのほか、実店舗メインのスーパーマーケットにとってもアプリマーケティングは無視できない存在になりつつある。今回紹介した事例のように、アプリをマーケティングの中心に据えるところも増えるだろう。

ただしクーポンや店舗検索機能だけでは他社との差別化にはつながりにくいのも事実。ポイントプログラムなど、ロイヤリティ向上につながるアプリ機能を充実させるのが成功するポイントと言えそうだ。

ただしアプリの機能を追加していくためには、スピーディーにアプリ開発ができる環境がカギとなる。なお、Yappliはプログラミングが不要なアプリ開発プラットフォームで、スーパーマーケットの開発事例も増えている。