メガバンクや地方銀行がスマートフォンアプリに力を入れる理由とは

メガバンクやネット銀行に限らず、多くの地方銀行で進むフィンテック活用。特に今多くの銀行が力を入れているのがスマートフォンアプリだ。富士通総研の調査によると2015年1月と2017年5月にて、国内の銀行アプリ数を比較したところ2倍以上増えていることがわかった。(※1)

ただし海外に比べると、日本国内ではまだモバイルバンキング利用者は少ないのが実状。デロイトトーマツの調査によれば、「銀行の残高を携帯電話で確認する」と回答した割合は日本では30%。一方で中国90%、オーストラリア約70%、カナダやイギリスでも50%超という結果になっている。海外と日本では、まだまだ大きな差があることがわかる。(※2)

※1参考情報:
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/2017/2017-8-4.html

※2参考情報:
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/technology-media-telecommunications/com/jp-com-mobile-consumer-survey-2017.pdf

つまり日本ではモバイルバンキング利用者数の伸びしろがまだまだあると言うこともできそうだ。実際PCでのネットバンキングと比べると、スマートフォンの銀行アプリにはいくつか利用者にとってメリットもある。

例えばログインの簡略化が可能な点。ネットバンキングでユーザーが面倒と感じる点のひとつがログインだろう。最近ではスマートフォンの指紋認証などを使い、セキュリティに配慮しつつ利便性をアップさせている銀行アプリもある。

また、銀行アプリはフィッシング(詐欺)サイトへのアクセス防止効果も。銀行の公式サイトとそっくりなページを用意して、IDやパスワードを盗もうとするのがフィッシングサイト。しかし公式アプリを一旦ダウンロードすれば、ブラウザ経由でアクセスする必要はほとんどなく、フィッシングサイトへアクセスするリスクは大幅に減るだろう。

実際に銀行アプリを提供している事例

(1)導入決定から1か月でリリース顧客とのエンゲージメント強化につなげた千葉銀行のアプリ事例

千葉県を中心に店舗を構える千葉銀行では、2017年3月に銀行アプリをリリースした。残高照会など基本的なネットバンキング機能の他、広報誌が読めるなどアプリならではの機能も搭載している。新たにスマートフォンアプリを設けたことで、若年層の利用者活性にもつながったそうだ。

千葉銀行では銀行アプリの開発においてツールを導入しているが、導入決定からリリースまでの期間は約1か月と非常に短い期間でアプリ開発を行っている。

千葉銀行のアプリ事例についての詳細はこちら>
https://yapp.li/voice/chibagin.html

(2)複数アプリ展開戦略を図る新生銀行のアプリ事例

2014年からスマートフォンアプリを提供している新生銀行。リリース後2016年の時点ですでに10万ダウンロードを達成している。新生銀行アプリではネットバンキング機能の他、従来お知らせなどをプッシュ通知で受け取れる。

さらに新生銀行では、口座開設ができるアプリや外貨預金に特化したアプリも提供を開始している点が特徴。銀行でもECにおけるオムニチャネルのように、店舗だけではなくネットなど複数のチャネルを活用するところも多い。新生銀行のように複数アプリを提供してさらにチャネルを増やすケースは、今後も増えるだろう。

新生銀行のアプリ事例についての詳細はこちら>
https://yapp.li/voice/shinseibank.html

銀行アプリと言えばセキュリティ対策やシステム連携などが必要なため、時間とコストをかけて開発するというイメージがある。しかし千葉銀行のように、実際にはアプリ開発ツールを選ぶことで、大幅に短縮化している事例もある。銀行でも予算と時間をかけてアプリを自社開発するという発想は、もはや古いと言えるかもしれない。

銀行アプリでは口座照会や振り込みなどの機能がメインだが、スマートフォン決済などの機能を搭載している銀行アプリも登場している。マイナス金利で逆風が吹く銀行業界だが、他行との差別化を図るため今まで以上にスピーディーなアプリ開発が求められている。

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