アプリ開発に必要なアップデートを効率化する方法

スマートフォン向けアプリの場合、開発後も引き続きアップデート対応というタスクがある。ゼロから自社開発を行っている場合、メジャーなアップデートとなるとそれなりの費用や時間がかかってしまう。さらにアプリ開発だけではなく、ストアへの申請手続きも必要だ。

手間を減らすためできるだけアップデートを見送りたい…というアプリ担当者も多いようだ。とはいえ、アップデートを行わないと最悪アプリが動作しなくなる事態もありうるため注意が必要だ。

まずはアプリをアップデートする必要性とともに、利用者がアプリのアップデートをどうとらえているかについて知っておきたい。その上でどうすれば効率的なアプリのアップデート対応ができるか検討しよう。

・アプリの開発において、アップデートはなぜ必要?

アプリのアップデートが必要となるケースは、主に以下の3つのケースだ。

(1)OSのアップデートに伴うアプリアップデート

iOSやAndroidのアップデートのときは、基本的にアプリをアップデートも考える必要がある。特に大幅な変更があると、アプリへの影響も大きい。例えばiOSが2017年9月にアップデートした際には、32ビットのアプリが動かなくなるという事態が起こった。もちろん事前に予告されていたものの、しばらくアップデートしていないアプリの中には突然動かなくなったものもあった。

なお、iOS11アップデートにおいては、AppStoreの表示や機能にも変更点があった。この場合、すでに登録していた説明文やスクリーンショットなどの内容も見直す必要が出てくる。

アプリ運用におけるOSアップデートについてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

(2)不具合やバグの修正

自社で独自にアプリ開発しているアプリでは、リリース後にユーザーからの指摘で不具合が見つかることも珍しくない。不具合やバグはできるだけ早めにアップデートで対応できるようにしたいところだ。

(3)新機能の追加

不具合やバグの修正ばかりでは、ユーザーが持つ印象が悪くなりがち。前向きなアップデートにするためにも、新機能追加も適宜検討したい。アップデートをきっかけに休眠ユーザーが再度アクティブユーザーになってくれる可能性もある。

・実はユーザーもアップデートを望んでいる

アプリをアップデートしても、ユーザーが対応してくれなければ意味がないのでは?と感じる人も多いだろう。iPhoneユーザーに限った調査ではあるがマイナビニュースが行った調査によると、「アプリがアップデートしたとき、1週間以内にアップデートしますか?」という問いに「はい」と回答した人は51%と半数を超えている。「アップデート内容による」という回答14%も加えると、約65%のユーザーはアップデートする意向があることがわかる。(※)

アプリのアップデートにはデータ量や時間がかかるものの、ユーザーにとっても「新しい機能が使いたい」「不具合を早く修正したい」というニーズが高いことがうかがえる。こうした傾向を考えると、あまり間を置かずにアップデートを行うべきかもしれない。

※参考情報:
「OSよりもすぐ更新? iPhoneアプリのアップデートをすぐやる派は5割」(マイナビニュース調査)https://news.mynavi.jp/article/20130324-enquete_keitai17/

・アプリアップデートを効率化するには

もし特定のOSで発生した不具合であれば動作検証の項目は少なくて済むが、アップデートにおいても開発から動作検証、ストアへの申請・公開という流れは開発時とほぼ同じ。ちなみにアップデートでもストアに申請した際にリジェクト(申請却下)される可能性もある。

修正内容にもよるが、アプリのアップデートは通常のアプリ開発に近いタスクボリュームがある。そのため独自開発で外部の開発会社に発注する場合、コストや時間が予想以上にかかることもある。また社内のリソースもそれなりにかかることも覚悟しなければならない。

そこで今、アプリ開発に特化したツールを使う方法に注目が集まっている。多くのアプリ開発ツールは月額費用が一定のため、アップデートを行っても費用が大幅にかさむという事態にはなりにくい。またOSの大きなアップデートがあるときには、事前に注意点や対応方法などをサポートしてもらえるというメリットも大きい。実際に独自開発からアプリ開発ツールに切り替え、アプリアップデートの負担を大きく減らしている企業も出てきている。