初心者でもわかるノーコードについて紹介  ノーコードって何か一言で言えますか?(前編)

昨今、国内のエンジニア不足が声高に叫ばれる中、注目を浴びているのが、ノーコード開発。
平たく言うと、プログラミング不要で様々なシステムを開発する技術のことですが、
実際に触ったことがない人、触ったことに気がついていない人、理解をしていない人は意外と多いのではないでしょうか。

本記事は、そんな「ノーコードって根本的になに?」にお答えする記事となっています。

そもそもノーコードってなんだろう?

ノーコードと一口に言っても、自動化ツール、Webページ制作ツール、Webアプリ制作ツール、モバイルアプリ制作ツールなど、様々なタイプのツールが存在しています。ただ共通しているのは、一定のサービス開発が「プログラミングを一切行わず制作可能」ということです。中にはプログラミングやSQL(データベースやデータを制御する言語)を書くことが前提となっているツールもありますが、それらはローコードと呼ばれ、ITリテラシーの高い非エンジニアや、エンジニアが開発・業務を効率化する際に使用されています。

ただ、多くの方々にとってはノーコードの方が学習コストが低く使い勝手が良いため、サービス開発の際に選択される可能性は高いでしょう。

例を出すと、Wixというツールではプログラミング不要でホームページ制作ができ、公開までを非常にスムーズに行うことができます。これを仮に自身で立ち上げようと思った場合、少なくともHTML/CSS/JavaScriptを書き、そのソースをサーバーにアップしたり、ドメインを取得するなど、かなり面倒な手続きが必要となります。つまり、プログラミング不要であることに加え、周辺の手続きを簡略化する機能も備えているのがノーコードの特徴と言えます。

2019年に経済産業省が発表した調査(※1)では、国内のエンジニアは2030年までに最大で約79万人の人材が不足すると言われています。一方、コロナ禍の影響によるテレワーク導入やペーパーレス化などに加え、Web/モバイルを通した企業からエンドユーザーに向けたアプローチの拡充が急務となっており、エンジニアの需要はかつてないほどに高まっています。このギャップを埋めるための一つの策として、ノーコードは近年急激に注目されてきました。

(※1):IT 人材需給に関する調査 |経済産業省

ノーコードは、プログラミングができなくともアイデアや企画があれば自社で制作を行うことができるため、エンジニア不足を補うことができます。これまではエンジニア不在の企業は開発を外部の開発会社に委託しなければならなかったために、細かなUI/UX(ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験や経験)のイメージのすり合わせが難しく、成果物が期待通りとならない場合もありました。

このような状況も、ノーコードを利用することで好みのUI/UX機能を整えていくことができ、防止できます。さらに制作・運用・改善のサイクルをスピード感を持って回すことができるため、ユーザーのフィードバックを受けながら素早く修正し続けることで、継続的にユーザーの期待に答えることが可能になる、という効果もあります。

これは、開発会社に都度見積もりを取り、さらに要件定義・開発・テストに毎回長期間を要する開発とは異なり、場合によっては数日で期待の修正・リリースを行うことができることから、画期的な開発手法の変化だと言えます。
実際、本メディアを運営する株式会社ヤプリが提供しているアプリプラットフォーム、YappliのCMS(Content Management System)上でも、コンテンツの差し替えやキャンペーンページ、機能の追加をクライアント様ご自身で行い、ボタン一つでリリースできるため、大変重宝頂いております。特にモバイルアプリのようなソフトウェアサービスの場合、いかにユーザー体験を向上させるための改善をスピーディーに行うことができるか、がサービスの成功を大きく左右することから、ノーコードによる恩恵は非常に大きいと言えます。

このように、エンジニア不足の解消、従来の開発体験の向上を理由に、ノーコードは大きな流行となっており、各社がしのぎを削っている状況です。GAFAも、各社ノーコードツールを提供している会社のM&Aや、自社で開発し提供するなど、様々な動きを取っています。また、多くのスタートアップがプロダクトを開発し提供し始めていることに加え、従来はホームページ制作プロダクトの提供がメインだったノーコード企業も、Webアプリやモバイルアプリの機能拡充を行うなど、あらゆる動きがあるため、ユーザーからすると、何をどういった基準で選択すれば良いか非常に分かりづらい状況でもあると言えます。

今後は、目的別に、ある程度選択されるノーコードプロダクトが決まっていくものの、各企業が使用しているプロダクトとの連携の相性や好み、セキュリティポリシーによる制限などによって各プロダクトの特徴が生まれ、その結果、乱立する状況が続くと考えられます。そのため、プロダクトの選択の際にはユーザー自身がそれらの特徴、良し悪しを判断する基準や、その基準をアップデートしてくことも必要です。

後編の記事は以下からご覧になられます。
一見万能に見えるノーコードも使い方には注意が必要! ノーコードって何か一言で言えますか? (後編)

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