少し前のことですが、2023年度の“カンヌ”が6月に閉幕しました。
正式名称は「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」で、
世界中で生み出された広告キャンペーン施策などの中から、さまざまな部門ごとに最も優れたものを選定するという世界的なイベントです。
今年は86の国や地域から、2万6992件ものエントリーがなされ、受賞作は合計874件。
エントリーされている施策はどれも非常にハイレベルで、その中での激戦を勝ち抜くのはものすごく難しいのですが、日本からのエントリーで今年受賞したのは、19作品でした。
個人的に注目したのが、JRグループが展開する「MY JAPAN RAILWAY」というキャンペーンで、
こちらは簡単に言うと、JRの各駅に訪れると、GPSを利用してその駅オリジナルのデジタルスタンプを押せるというWebアプリ(Webアプリの名前は「TRAIN TRIP」)です。
アプリプラットフォームを標榜する会社に所属している者(私)からすると、特にカンヌを狙っていなかったにもかかわらず、
「うわ、これはやられた」という謎の悔しさを抱いてしまうほど、とてもよく作り込まれています。
アプリ内の体験は本当にシンプルで、全国のJRの駅に行って、スタンプを押して、溜まったらプレゼントキャンペーンに応募できるというもの。
ただ、ユニークなのが、スタンプを一定数貯めると特定のイベントが発生する“ミッション”という機能や、
指定された複数の駅のスタンプを集めると“スペシャルスタンプ”が手に入るなど、デジタルによってスタンプを集めるという体験によりゲーム要素を加えていることです。
スタンプ一つひとつのデザインもものすごく作り込まれていて、確かにこれは世界的な評価も得るよなあと感心しました。とても面白いので、ぜひ触ってみてはいかがでしょうか。
MY JAPAN RAILWAY:https://railway150.jp/contents/stamp/pc/