【ShortNote】「甘いものは別腹」というキャッチコピーについて(2月6日配信分)

突然ですが、ケーキの競合って何でしょうか。

例えばケーキの競合としてまず浮かぶのは、プリンやアイス、どら焼きなどの洋菓子や和菓子でしょう。ですが、ケーキを「人々のお腹を満たすもの」として考えると、ご飯ものも競合に入ってくるはず。事実、お腹いっぱいにご飯を食べると、ケーキを食べたい意欲は減りますよね。

しかし、そこで効いてくるのが、「甘いものは別腹」という一言。

ネットで調べても誰が、いつ、どこで発信し始めたのか不明だったのですが、なぜか世間で浸透しているこの謳い文句が、ご飯でお腹が満たされていても、ケーキも行っちゃおうかという人々の行動を、日本中の至るところで促しているように思うのです。

興味深いのが、この「甘いものは別腹」という一言は、キャッチコピーというよりもはや常識のように機能しているところ。

「土用の丑の日」などもそうですが、過去に生まれた秀逸なコピーは、現代では常識として人々の心に根付いていたりします。日々の何気ない行動の裏には、このような隠れた名キャッチコピーが潜んでいるかもしれません。

しかし一体、「甘いものは別腹」って誰が言い始めたんだろう…。本当に偉大なキャッチコピーだと思います。

※本記事は、yappliで配信をしているコラムメール「ShortNote」で配信をしたコラムを転載しております。

和泉真

大学卒業後、コピーライター/プランナー/クリエイティブディレクターとして複数の広告会社を経験。三越伊勢丹や東急ハンズ、東急百貨店やJINSなどの広告プロモーションやブランディング施策の企画・制作を担当。2021年にヤプリに入社し、マーケティング担当としてコンテンツマーケティングなどに取り組んでいる。