【事例あり】本部と店舗の情報共有を最適化するには?情報共有ツールのメリットも解説

本部と店舗との間で、正確かつスムーズに情報共有を行うことは非常に重要です。しかし、重要性は理解しているものの、間に入るSV(スーパーバイザー)も含め関係者が多い場合、なかなかうまくいかないと課題に感じている人も多いはずです。

この記事では、デジタルツールを活用して、本部と店舗とで効率よく情報を共有する方法を解説します。情報共有に関する課題にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

本部と店舗の情報共有の全体像

本部と店舗の情報共有の効率化について考えるためには、まず全体像を把握することが大切です。情報共有の一般的なフローは、以下の通りです。

  1. 本部からSVへ情報を発信
  2. SVから店舗へ情報を発信
  3. 店舗で情報を受信
  4. 店舗内で情報を共有
  5. 店舗から本部へ情報を発信

本部の役割は、自社の商品・サービスの開発や、販売を促進する施策の検討です。そして、その施策を店舗にきちんと浸透させ、各店舗の売上や利益をアップさせるために活動します。

本部から店舗への情報共有は、SV(スーパーバイザー)を介することになるでしょう。SVは、小売店や飲食店の店舗運営を支援する役割を担います。担当の店舗を訪問し、店舗運営のアドバイスを行う際に、本部からの通達の内容をかみ砕いて、店舗に伝えます。

SVを介して本部からの通達を受け取った店舗の店長は、その内容をスタッフに共有します。通達の内容を全スタッフで実践し、店舗運営のレベルを高める必要があります。また、現場での発見や改善ポイント、売上の情報など、店舗側の情報を本部でフィードバックすることも重要です。

本部と店舗の情報共有を効率化するポイント

それでは、情報共有の効率化を実現するためのポイントを、本部と店舗に分けて解説しましょう。

本部側のポイント

本部から店舗に向けて情報を発信するときは、できるだけ分かりやすい内容にすることが大切です。通達を見た誰もが内容を理解できるように、具体的な対応を明示します。「いつまでに」「何をするか」を伝えておくと、通達を受けた店舗がスムーズに対応しやすくなります。

また、通達の件数をできるだけ少なくするのもポイントです。週ごとに情報共有の件数を一定にしたり、発信するタイミングを考慮したりしましょう。

店舗側のポイント

店舗から本部へ情報を発信する場合は、実際の現場の状況などを表す定性情報と、POSデータなどの定量情報を分けておくとスムーズです。

定性情報は数値で表すのは難しいですが、本部に伝えることで商品・サービスの改善やオペレーションの改善などにつながる可能性があります。一方、定量情報は数値化が可能であり、販売動向の分析などに活用される情報となります。

情報共有ツールのメリット

本部と店舗で情報共有する場合は、適切なルールの整備やツールの導入も必要です。

情報共有ツールを導入すれば、本部と店舗との間で円滑なコミュニケーションが実現します。メールよりも気軽にやり取りできるのが、情報共有ツールのメリットです。これにより、業務効率化にもつながるでしょう。例えば、伝えたい情報をグループで送信すれば、メールのように逐一宛先を指定する必要がありません。情報の整理も楽になるので仕事の効率化が可能です。

また、情報共有ツールの導入は、ノウハウの蓄積にも有効です。業務の属人化防止にもつながるでしょう。

社内のルールや目的によって選ぶツールの種類は異なります。自社に合うものを検討しましょう。

本部と店舗の情報共有を効率化した事例

それでは、ツールを使って、本部と店舗の情報共有を改善した事例をご紹介します。自社の課題と照らし合わせ、参考となるシチュエーションがないか検討しながら読み進めていきましょう。

本部と加盟店の伝言ゲームを解消し、年間数千万円の会議費用をゼロに

掃除用品・サービスなどを提供しているA社では、本部から加盟店への情報共有のために実施する会議に、年間数千万円の費用がかかっていました。会議には数百の店舗の責任者が全国から集まり、資料を見ながら情報共有をしていました。責任者が会議で受け取った情報を、店舗でリーダーに共有し、リーダーがお客様係に伝える、というように、情報の「伝言ゲーム」が発生していました。そのため、情報が正しく伝わらないという課題があったのです。

そこで、情報共有ツールとしてスマートフォンアプリを導入。これまで会議で伝えていた情報をアプリで各店舗スタッフへ直接伝えることで、情報が正確に共有できるようになりました。また、会議の回数も減り、コスト削減にもつながりました。

全資料を手元に。アプリ利用率95%以上を実現

化粧品の販売を行っているB社は、店舗に来たお客様に化粧品の正しい情報を伝える役割を担うBA(ビューティーアドバイザー)への情報共有に課題を感じていました。化粧品業界ではコンスタントに新商品が発売されるため、BAへ新しい専門知識を迅速に共有することは、顧客満足度を上げるための重要なポイントとなります。

そこで、BAに伝える情報をすべてアプリに集約。BAはスマートフォンで、いつでも新商品に関する情報を閲覧できるようになり、新しい知識をスピーディーに取得できるようになりました。その利便性から、95%以上のBAが自発的にアプリをダウンロードして、自己学習に役立てているといいます。

読まれる社内報を。企業への帰属意識も向上

飲食のフランチャイズ展開をするC社には、本部が発行する社内報がなかなか読まれないという課題がありました。そこで、社内報を表示するアプリを導入。アルバイトなどの店舗スタッフ向けに、人材教育に関する動画やイベントカレンダーなどを共有しました。

アプリ内で更新があればプッシュ通知が届くため、店舗スタッフはすぐに新しい情報に目を通せるようになっています。また、社内報を電子書籍機能で表示することで、「読まれる社内報」へと変わりました。チェーンへの帰属意識が高まり、運営品質の向上につながったという効果もみられています。

まとめ

本部と店舗との間の情報共有は、スムーズに行われることが大切です。情報共有ツールを導入することで、効率のよいコミュニケーションが実現します。上手にデジタルツールを活用して、情報共有を最適化しましょう。