モバイルアプリのインストール数を増やすために使われる、アプリインストール広告。一般的には課金型のゲームアプリ向けでは?と思う人も多いかもしれない。ところが企業の販促アプリでも、アプリインストール広告を使って新たな客層へのアプローチに成功しているケースもある。
2018年7月にはAppleが新しいアプリ広告「Search Ads」を日本で開始し、大きな話題を集めている。選択肢が増えてきた今、企業アプリにおいてもアプリインストール広告を検討するタイミングと言えそうだ。
アプリインストール広告は、大きく「ストア広告」「SNS広告」「サイト広告」の3種類に分類される。まずは種類ごとの特徴をチェックしておこう。
目次
(1)アプリ広告:アプリストアに載せるアプリインストール広告、AppleとGoogleの違い
Appleが2018年7月から始めたアプリインストール広告が「Search Ads」。AppStore(iOS)でユーザーが検索するとキーワードに合わせて検索結果に広告が表示される。Googleアドワーズのアプリストア版とも言える。
現状、アプリを探すときにアプリストアで検索するユーザーの割合は高い。ある調査によれば、新しいアプリをインストールするときにアプリを探す方法を聞いたところ、「アプリストアでの検索」が約6割と最も高い結果となった。(※)つまりアプリストアの検索結果に広告を出せば、高い効果が見込める。
※出典:https://honote.macromill.com/report/20180329/
なおGoogle Playストアでは、すでに「Search Ads」と同様の広告を出せる。(Googleでは「ユニバーサルアプリキャンペーン」と呼ぶ)Appleとの大きな違いはストア内だけではなく、Google検索結果やYouTubeなどにもまとめて広告を表示できる点だ。
(2)SNS広告:FacebookやTwitterのアプリインストール広告は、細かいセグメントが可能
FacebookやTwitterといったSNSでも、アプリマーケティング向けのインストール広告を載せる仕組みがある。どちらも投稿の間に表示されるインフィード型が基本で、広告から直接アプリダウンロード画面に遷移させることができる。
・Facebookのアプリインストール広告
Facebook広告と言えば、細かく配信先のセグメントができるのがメリット。アプリインストール広告においても的確なターゲティングができる点が魅力だ。またFacebookが運営しているInstagramにも広告を表示できる。
・Twitterのアプリインストール広告
アプリインストール広告は「MAP」(モバイルアプリプロモーション)と呼ばれ、特に動画広告に強いと言われている。実際にビデオカードのほか、ファーストビュー(ログイン後の画面に表示される広告)など動画広告の種類も豊富だ。
FacebookやTwitterのアプリインストール広告は、新規ユーザーの獲得だけではなく既存ユーザーのリテンション対策という使い方もできる。例えばTwitterではアプリユーザーに起動ボタン、未使用者にインストールボタンを表示することも可能。つまり既存ユーザーへの再告知につながる。(Facebookでもリテンションに特化した広告も設けている)
ロイヤリティの高いユーザー獲得にもつながりやすいSNS広告。普段からSNSを活用している企業なら、ぜひ検討したい。
(3)サイト広告:Yahoo!などのポータルで幅広く露出できるアプリインストール広告
Yahoo!が設けている広告「ディスプレイネットワーク(YDN)」でも、アプリインストール広告を載せることが可能だ。バナー広告のほか、インフィード広告(記事の間に表示される)も選べる。基本的に他のYDN広告と同じ設定方法なので、すでにYDNを使ったことのある人ならそれほど難しくないだろう。
YDNではYahoo!JAPANサイトのほか、AllAboutや新聞社サイトなどにも広告掲載ができる。つまり幅広いユーザー層に露出できるというのが、YDNの強みと言える。新規ユーザーの獲得も狙えるが、むしろアプリのブランディングや知名度向上を目指す企業に向いている。
Yahoo!以外にも「Smart News」などのニュースアプリでもアプリインストール広告の掲載ができる。サイト広告を検討するときは、ターゲット層にあわせて媒体を検討しよう。
現在利用できる主なアプリインストール広告は上記の3種類に分類される。ただ企業の販促アプリのマーケティングという視点で考えると、まずSNS広告で細かくターゲットを絞りながら実施する、という方法が現実的かもしれない。ストア検索はインストール数向上に直結しやすいメリットはあるものの、どんな検索キーワードで広告を出すか設定が難しいところ。
一方ブランディング用途で使えるまとまった予算があれば、Yahoo!などのニュースサイトへの広告も検討しよう。